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『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


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第28話 比企家、“政子の裏”を暴こうと動く

政子が御家人たちを次々と揺さぶった翌日。


比企能員の屋敷には、

いつになく緊張した空気が漂っていた。


能員は机に肘をつき、

深く考え込んでいた。


「……政子殿は、恐怖を上書きしたか」


家臣が震えた声で言う。


「能員様……

 御家人たちの中に……

 “政子様に心を動かされた”者が増えております……!」


能員は目を細めた。


「……あの女……

 悪女でありながら、信頼を集めるつもりか」


家臣たちは息を呑んだ。


「政子殿は……

 何者なのです……?」


能員は静かに言った。


「それを探る。

 “政子殿の裏”を暴くのだ」


家臣たちがざわめく。


「裏……?」


能員は頷いた。


「政子殿は、ただの北条の娘ではない。

 あの観察眼、あの言葉の鋭さ……

 “何か”がある」


(あら、気づいたのね)


能員は続けた。


「政子殿の弱点を探れ。

 過去、人間関係、噂、失敗……

 何でもいい。

 “完璧な女”など存在しない」


家臣たちは散っていった。



──鎌倉の町。


比企家の家臣たちが、

政子の過去を探るために動き始めた。


「政子殿は……

 若い頃、どこで何を……?」


「北条の娘にしては……

 妙に“人の心”が読めすぎる……」


「誰かに仕込まれたのか……?」


(仕込まれたというより、銀座で鍛えられたのよ)


噂は静かに広がり、

政子の周囲に“探る視線”が増えていった。



──義時の屋敷。


義時は焦っていた。


「姉上の……“裏”を探っている……!

 比企家が……!」


北条の家臣が言う。


「比企家は……

 政子様の弱点を探し……

 鎌倉殿の前で暴こうとしているようです……!」


義時は拳を握りしめた。


「姉上……

 どうか……どうか気をつけてください……!」


(義時、あなたは本当に優しい子ね)



──政子の屋敷。


侍女が駆け込んできた。


「政子様……!

 比企家が……政子様の過去を探っています……!」


私は静かに茶を置いた。


「ええ、知っているわ」


侍女は固まった。


「ど、どうして……

 そんなに落ち着いて……?」


私は微笑んだ。


「比企家が“私の裏”を探るなら──

 私は“比企家の裏”を探るだけよ」


侍女は息を呑んだ。


「政子様……

 まさか……」


私は立ち上がった。


「侍女。

 比企家の家臣たちの動きを、

 “逆に観察”してきて」


侍女は震えた。


「逆に……?」


「ええ。

 “探る者”はね、

 必ず“隙”を見せるの」


(銀座でもよくあったわ。

 “探ってくる客”ほど、弱点が多い)



──夕方。


侍女が戻ってきた。


「政子様……!

 比企家の家臣たちは……

 “政子様の弱点”を探すために……

 御家人たちに根回しを……!」


私は静かに言った。


「で、彼らの弱点は?」


侍女は驚いた。


「えっ……?」


「“探る者”は、

 必ず“探られたくないもの”を持っているのよ」


侍女は震えた。


「政子様……

 比企家の弱点とは……?」


私は微笑んだ。


「簡単よ。

 “比企家は、政子を恐れている”」


侍女は完全に固まった。


「お、恐れて……?」


「ええ。

 だからこそ、私の裏を暴こうとしている。

 “恐怖”はね、

 人を動かす最大の弱点なの」



──夜。


私は灯りの下で静かに筆を取った。


(比企家は私の裏を探っている。

 でも──

 裏を探る者ほど、裏がある)


筆が走る。


「……比企家の“恐れ”を突く。

 それが、次の一手」


私は静かに笑った。


──悪女は、

“探られる”より“探す”方が得意。


そしてこの日、

**政子は比企家の“恐れ”という弱点を掴み、

次の反撃の布石を打った。**


鎌倉の空気は、

決戦の前触れのように張りつめていく。


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