表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/35

第25話 比企家、“孤立の罠”を発動する

政子が“悪女”を名乗ってから三日。


鎌倉の空気は、静かに、しかし確実に変わっていた。

御家人たちの視線は揺れ、

噂は渦を巻き、

そして──比企家は動いた。



──比企能員・屋敷。


能員は、御家人たちを前に静かに口を開いた。


「皆の者。

 政子殿は自ら“悪女”を名乗った。

 これは……鎌倉殿を守るためではない」


御家人たちがざわめく。


「では……何のために……?」


能員は文を掲げた。


「“政子は逆らう者を切り捨てる”

 そう書いてある」


御家人たちの顔が強張る。


「政子殿は……

 北条を使い、鎌倉を支配しようとしているのだ」


(あら、言い切ったわね)


能員は続けた。


「政子殿に逆らえば、家が潰される。

 だからこそ──

 我らは団結せねばならぬ」


御家人たちの表情が変わる。


恐怖が、

“比企の味方”を生み始めていた。



──鎌倉の町。


「政子様は……危険だ……」


「比企殿が言うなら……間違いない……」


「北条と組んで鎌倉を支配するつもりだと……」


(支配なんて面倒なこと、するわけないのに)


噂は、政子の屋敷を避ける風となって吹き荒れていた。



──義時の屋敷。


義時は焦っていた。


「姉上が……孤立し始めている……!」


北条の家臣が言う。


「比企家は……

 “政子様に怯える者たち”を集めております……!」


義時は拳を握りしめた。


「姉上……

 どうか……どうか動いてください……!」


(義時、あなたは本当に真っ直ぐね)



──政子の屋敷。


侍女が駆け込んできた。


「政子様……!

 御家人たちが……

 政子様を避けています……!」


私は静かに茶を啜った。


「ええ、知っているわ」


侍女は固まった。


「ど、どうして……

 そんなに落ち着いて……?」


私は微笑んだ。


「比企家が“恐怖”を集めているなら──

 私は“信頼”を集めるだけよ」


侍女は息を呑んだ。


「信頼……?」


「ええ。

 悪女はね、

 “恐れられる”より“理解される”方が強いの」


侍女は震えた。


「政子様……

 まさか……」


私は立ち上がった。


「比企家が御家人を集めるなら、

 私は“鎌倉殿”を動かすわ」


侍女は完全に固まった。


「鎌倉殿を……?」


私は微笑んだ。


「頼朝さんが迷っているなら、

 迷いごと引きずって前に出してあげる」


(銀座でもよくあったわね。

 “迷う男は、背中を押すより引きずり出す方が早い”)



──その夜。


頼朝の館に向かう途中、

私はふと空を見上げた。


(比企家は賢い。

 でも──

 私の方が一枚上よ)


私は静かに笑った。


──悪女は、孤立を恐れない。


そしてこの日、

**比企家の“孤立の罠”が発動し、

政子はその罠を正面から踏み抜く決意を固めた。**


鎌倉の空気は、

さらに深く揺れ始める。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ