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『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


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第20話 比企家、政子の“沈黙の反撃”に揺れる

──比企能員・屋敷。


能員は、机を叩きつけた。


「政子殿……!

 あの女……!

 鎌倉殿の前で、あそこまで……!」


家臣たちは息を潜めている。


「能員様……

 政子殿は、鎌倉殿の言葉を引き出しただけで……」


「それが問題なのだ!」


能員は怒鳴った。


「“鎌倉殿が政子を信じている”と

 政子殿自身に言わせたのだぞ……!」


(あら、そこまで動揺してるのね)


能員は深く息を吐いた。


「……政子殿は、正面からは崩れぬ。

 ならば──

 “鎌倉殿の心”を揺らすしかない」


家臣たちが息を呑む。


「……鎌倉殿の心を……?」


能員は静かに頷いた。


「政子殿を孤立させるのではない。

 “鎌倉殿を孤立させる”のだ」


(ああ、これは銀座でも見た“危険な手”ね)



──鎌倉の町。


御家人たちはざわめいていた。


「政子様……

 鎌倉殿の前で比企能員を退けたらしいぞ」


「鎌倉殿が“政子を信じている”と……」


「政子様……やはり只者ではない……!」


(ただ話しただけよ)


だが、そのざわめきの裏で、

別の声も生まれていた。


「……鎌倉殿は、政子様に頼りすぎているのでは……?」


「政子様がいなければ、鎌倉殿は……」


「比企家が言うように、政子様は……」


(ああ、空気が二つに割れ始めたわね)



──義時の屋敷。


義時は、広がる噂を聞きながら、

胸の奥に不安を覚えていた。


「……姉上が勝ったのに……

 なぜ、鎌倉殿が疑われる……?」


北条の家臣が言った。


「“政子様を信じている”という鎌倉殿の言葉が……

 逆に“鎌倉殿は政子様に依存している”と……」


義時は拳を握りしめた。


「……比企家……!」


だが義時は気づいていなかった。


比企家の狙いは、

政子ではなく──


**“鎌倉殿の孤立”**

だということに。



──頼朝の館。


頼朝は、広がる噂に眉をひそめていた。


「政子を信じていると言っただけで……

 なぜ、私が疑われる……?」


(あなた、ほんとに不器用ね)


頼朝は深く息を吐いた。


「政子に……会わねば」



──政子の屋敷。


私は静かに茶を淹れていた。


(……空気が割れたわね)


侍女が駆け込んできた。


「政子様……!

 鎌倉殿が……!」


頼朝が入ってきた。


「政子。

 私は……

 お前を信じていると言っただけなのに……

 皆が……私を疑っている」


(ああ、そう来たのね)


私は静かに言った。


「頼朝さん。

 あなたが“誰を信じるか”は、

 あなた自身が決めることよ」


頼朝は息を呑んだ。


「……政子……

 お前は……私の……」


また言いかけて、口を閉じた。


(またそれ)


私は続けた。


「頼朝さん。

 あなたが迷うと、皆が迷うわ。

 でも──

 あなたが決めたことなら、私は支える」


頼朝は目を見開いた。


「……政子……

 お前は……強いな」


(強いというより、慣れてるだけよ)



その夜。


私は一人、灯りの下で文を広げた。


(比企家の狙いは“私”ではない。

 “頼朝さんを孤立させること”)


私は静かに筆を取った。


「……なら、私が守るべきは──

 “頼朝さんの心”ね」


その瞬間、

廊下の侍女たちがざわめいた。


「見た!?

 政子様が……何かを決めた……!」


「やはり……恐ろしい……!」


(いや、ただ書いてるだけよ)


私は空を見上げた。


──比企家が動くなら、

私は“鎌倉殿の心”を守る。


それが、

私の役目だから。


そしてこの日、

**政子は初めて“比企家の本当の狙い”を理解した。

鎌倉の盤面は、静かに次の段階へ進み始めた。**


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