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『銀座ママ、北条政子に転生す 〜善人なのに悪女と呼ばれたので、今日も鎌倉を籠絡させます〜』  作者: 双鶴


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101/120

第101話 密使の影、鎌倉に落ちる

和田義盛が「鎌倉につく」と宣言した翌朝。


──鎌倉の空気が変わった。


昨日までの“恐れ”は、

今日は“ざわめき”へと形を変えていた。


「和田殿は鎌倉につくと決めたらしい」

「ならば……これで一息つけるのか」

「いや、京が黙っているはずがない」


(そう……

 鎌倉は“決断”をした。

 ならば京は必ず“次の手”を打つ)


義時が政子の屋敷へ現れた。

その顔は、昨夜よりもさらに険しい。


「姉上……

 京の密使が……

 “鎌倉の町に入った”との報せが……!」


私は息を吸った。


(来た……

 京の“第二の刃”)


「義時。

 和田家が鎌倉につくと決めた以上、

 京は“鎌倉そのもの”を揺らしに来るわ」


義時は拳を握った。


「姉上……

 密使はどこへ向かうのでしょう」


「決まっているわ。

 “揺れやすい家”よ」


義時は息を呑んだ。


(義時……

 あなたはまだ“鎌倉の脆さ”を知らない)



──その頃、鎌倉の外れ。


黒い衣をまとった男が、

静かに町へ入っていった。


「……和田は鎌倉につくと決めたか。

 ならば──

 次は“別の柱”を揺らすまで」


男は、

鎌倉の地図を広げた。


その指が止まったのは──

**三浦**。


「ここが崩れれば、

 鎌倉は自ずと割れる」


男は微笑んだ。


(京は……

 本気で鎌倉を壊しに来た)



──政所。


御家人たちが集まっていた。

しかし、昨日までのような混乱はない。


代わりに──

“静かな緊張”が漂っていた。


「和田殿は鎌倉につくと決めた」

「ならば、次に揺れるのは……」

「三浦か……?」


義時が前に出た。


「皆。

 京の密使が鎌倉に入った。

 狙いは……

 “鎌倉を割ること”だ」


御家人たちがざわつく。


「では……

 和田殿の次は……?」


私は前に出た。


「三浦よ」


空気が止まった。


「三浦は、

 “義時を支える”と決めたばかり。

 だからこそ──

 京はそこを揺らす」


義村が息を呑んだ。


「政子様……

 では、三浦が裏切ると……?」


「いいえ。

 “三浦を裏切らせるために”

 京は動くのよ」


御家人たちの表情が変わった。


義時は深く頭を下げた。


「皆……

 三浦を支えてほしい。

 鎌倉は、

 “仲間を守ることでしか”

 強くなれない」


(義時……

 あなたの声が、

 ようやく“鎌倉の柱”になり始めた)



──その頃、三浦の屋敷。


三浦義村は、

密使の言葉を聞いていた。


「義村殿。

 院はこう仰せです。

 “北条は鎌倉を滅ぼす”と」


義村の目が揺れた。


「……それは……

 本当なのか」


密使は静かに微笑んだ。


「信じるかどうかは、

 あなた次第です」


義村は拳を握った。


(義村……

 あなたは“揺れやすい”。

 だからこそ京はあなたを狙った)


密使は続けた。


「和田が鎌倉についた今、

 次に動くべきは……

 あなたです」


義村は息を呑んだ。


「……私は……

 どうすれば……」


密使は囁いた。


「“北条から距離を置く”だけでよいのです」


義村の心が揺れた。


(鎌倉は……

 また一つ、揺れ始めた)



──夜。


政子は灯火の揺れを見つめていた。


和田家が鎌倉についた。

だが──

京はすぐに“次の柱”を揺らしに来た。


筆を取る。


「……三浦。

 あなたが揺れれば、

 鎌倉は崩れる」


筆を置いた。


静かに、

しかし確かに──

鎌倉の空気は、

“戦の前触れ”を帯び始めていた。


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