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パルモの本性

 わたしは今度はクーディリアを伴い、再びパルモの薬屋を訪れることにした。


 決心はしていても、またあの笑顔をみたら気持ちが鈍るかもしれないから、クーディリアにもナイフを持たせて一緒に来てもらったのだ。


 薬屋のドアを開けると、やっぱり客でごった返していた。


 一番売れているのは、あのふるまってくれたハーブティーのようだ。


「いらっしゃいませ。昨晩はいい夢が見られましたか」


 まるでわたしがミアと再び出会える夢を見たことを確信しているかのような笑顔でパルモが顔を出した。


 が。


 その笑顔が一瞬で凍り付いた。


「今日はずいぶんご機嫌斜めでいらっしゃるようですね。また奥でお茶でもいかがです?」


「営業中じゃないんですか?」


「それどころじゃない用事のようです。リンカさん。店番は店員に任せますから、奥へどうぞ」


 わたしは促されるまま、またパルモの店の奥の扉へ入って行った。


 クーディリアを含めた三人になると、テーブルへの着席を勧められるが、


「パラライズ!」


 パァン!


 以前クーディリアに放った麻痺の魔法をパルモの足に放つと、魔法が強い衝撃とともに掻き消えた。


「どうやら今日は私を殺しに来たようですね。理由を聞いても?」


「あなたが転生者だからよ。転生者は皆殺しにする」


「私はあなたに殺されるほど何か悪いことをしましたか?」


「なにかしたから殺す、って考えが甘かったのよ。あなたはそれを思い出させてくれた」


「昨日から私に対する不可思議な殺気をお持ちのようでしたから、それを和らげるようあのハーブティーを飲んでいただいたのですけど、逆効果だったみたいですね」


「あなた、人の心が読めるの?」


「私は精神系の魔法に特化した転生者です。あなたのように戦闘は得意としません」


「いいことを聞いたわ。転生者にも色々いるのね」


「常に患者さんの悩みを聞いて、それぞれの症状に合った薬を処方しています。どちらかと言わなくとも善行をなしている転生者だと思いますが」


 パルモは話をしながらもこちらへの警戒を解かない。


「わたしの心も筒抜けって訳ね。そしたらわたしが転生者を殺したい理由も解ると思うのだけど」


「世の中には誰かに復讐したい人が山ほどいます。ですが、復讐を果たしたところで何が残るのでしょう? 虚しさだけではありませんか?」


 わたしもルイシーナさんから同じことを言われた。だけど、それだとこの世界で普通に暮らしている人が困るのだ。


「親友にもう一度会いたいのでしたら、夢の中でいくらでも会えますよ。そちらのエルフの子もそうです。夢でいいじゃないですか」


(そうやって、この店に金を落とし続けてくれるのですから)


 わたしはパルモが精神系特化の魔法使いだと聞いた時、もしかしたら自分にも同じことができるのではないかと思って試してみた。


(わかった! こいつの目的は自分が見たい夢を見せられる薬を売り続けることでこの店を繁盛させることなんだ)


「悪いけど、あなたを殺す理由がきちんとできたわ」


 わたしはパルモをキッと睨みつける。


(麻薬、ハーブ、習慣性、精神治療……)


 色んな言葉が頭の中に流れ込んでくる。どうやらわたしは戦闘特化の魔法使いだから完璧にパルモの心を読むことはできないようだ。


「お姉さま、やっぱりこの人は敵なんですね?」


 ずっと黙っていたクーディリアが口を開く。


「そうよ、ただ力を振りかざすだけの転生者より、ある意味ずっと質が悪い転生者だわ。ここで殺さないと」


「どうあっても私を殺したいようですね。でしたら私も身を守らせていただきましょう」


 そうパルモが言うと奥の扉のさらに奥の扉から屈強な男たちが何人も入ってくる。


「【命令】何があっても、その二人を殺すこと」


 目に光が灯っていなかった男たちがパルモの言葉にサッと目の色を変えた。


「こういうときのために人形を用意しておいて助かったわ。さあ、転生者殺しさん、罪もないただの人間相手にどこまで抗えるかしら?」


 ごついプレートアーマーを着込んだ男たちが一斉に襲い掛かってくる!


 まずい!


 こいつらは転生者じゃないただの人間だ。しかもパルモに操られているだけの。


「しかも、いろいろな薬を飲ませて強化済みよ。さて、どうしますかお客様ァ!」


 パルモの顔がゲスなものに変わる。ついに本性を現したか。

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