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風が吹くと恋きたる

作者: 政川 翠

歌を歌っていた彼女は誰かを待ち続けていた

僕はあの日恋をした。あの風に僕の心は動かされたのだ。


今日から二学期が始まった。僕は高校2年生でなんと今日が誕生日だ。名前は中野こうじ、いままで高校で恋をしたのは2回程度あるが全て振られている。顔は普通で少しスポーツができるぐらいだ。それとアニメオタクである。「もう恋をするのはアニメだけの世界にしよう」そう思っていると何処からか聞いたことのある綺麗な歌声が聞こえてくる。


少しの興味本位で行ってみるとそこには川に続く路地裏があった。自然とそこに足を踏み入れた。しばらく歩くと川が見えてきた。上を見ると木でできた橋がかかって少し薄暗い、そんなことを思っていると目の前に現れたのは同じ学校の制服だ、しかし少し古い気がする、、、彼女を見たらすぐわかる、ものすごく綺麗だ。まるでAIで作成したかのような顔立ちとクッキリとわかる体のライン。「素晴らしい!!」と叫びたい心を落ち着かせて、話しかけてみようと思っていると女の子が「久しぶりだね中野こうじ君」僕は困惑していた。なぜ名前を知っているのか、彼女の顔は大人びていてその太陽の様な笑顔の奥には、、、


僕は「久しぶり?誰ですか?」と聞くと、彼女は「昔助けていただいた咲子と言います」僕は全く覚えがなかった。こんな美人な子なら覚えているはずだから、「あなたが来てくれることを信じてたよ。私はあなたのおかげで心から救われたの、これで私は、、、」と彼女が言うと先程まで薄暗かった川に爽やかな風と共に太陽の日光が照らされる、眩しすぎて思わず目をつぶった、目を開けるとそこには彼女の姿がなかった。

すると自然と涙が溢れて来た。今思い出した、僕が小学生の時にこの川の前で今と同じ彼女がいたんだ、彼女は悲しい顔で歌っていた、「お姉ちゃん!綺麗な歌声だね!」そういうと彼女は微笑んだ。それから毎日この川に通うようになっていたんだ。一緒に歌も歌ったんだ、そしてある時彼女が僕に近寄って「また会いたい!」その時の笑顔は今までで最高の笑顔だった。そして僕は彼女に恋をしたんだ。それから今日まで彼女に会うことはなかった。何故忘れていたのだろうか、あの子は何処に行ったのだろうか、僕は優しい風が吹く中でこう思った。また会いたい、、、

彼女の正体は昔川で亡くなった女子高校生だ。彼女は歌手を目指していたらしいが死んだので歌を聞いてくれる人が居ないまま、、、中野こうじはそんな彼女の1人目のファンでお礼を言いたかったんだろう、こうじ君が同じ歳になった日に

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