2. ステータス
ああ、もう朝か。
昨日は寝落ちしてしまってたか。
まぁ、今日から休みだしもう少しだけゴロゴロした
いなー。
「今何時だ?…あれ、充電切れてるし…」
顔洗ってる間に充電しとこ。
それにしても布団から出たくないな。
「…」
…なんか外うるさいな…。
今日祭でもあるのかな。
まぁ、関係ないか。
「あれ、水出ないんだけど…」
そういえば、電気もついてないな。
ブレーカー落ちたのかな?
玄関へ移動し、ブレーカーを確認する。
ブレーカーは落ちてないな、何処かの電線が切れたの
かなー?
最悪だ。
今日は、アニメ・漫画を見るつもりだったのに、携帯
使えないんじゃ話にならない。
とりあえず、ご飯食べながら考えるか。
冷蔵庫に行き、卵とウィンナーを取り出して料理する
ことにした。
幸いにも、ガスは使えたので朝ごはんは何とかなりそ
うだ。
冷蔵庫の電源が入らないので、腐らせない様にいつも
よりも多く食べた、いや詰め込んだ。
お腹いっぱいで動きたくない。
はぁ、それにしても外がうるさくて二度寝は無理そう
だな
停電の工事でもやってんのかなー?そう思いカーテン
を開けた。
「えっ?…何これ」
目に映り込んできたのは、そこら中から立ち昇る煙だ
った。
家からも、車からも立ち昇る煙。
まるで一夜の内に無法都市にでもなったみたいに。
それに混じって聞こえてくる悲鳴と、人間とは思えな
い叫び声。
「ぎゃぁぁぁああ」
あれ?あそこにいるのってまさかゴブリン?
見た目はファンタジー世界にいるゴブリンそのものだ
が、集団で人を襲っている。
近くには何人もの死体があり、原型を留めてるものは
まだいい中には頭が潰れて内臓が飛び出ていたり、手
足を無理やり引きちぎったかの様な有様だ。
「ゔぇぇぇえ…」
無理無理無理、気持ち悪い。
結局、全部吐いてなお体が吐こうとしている。
ようやく治った、いや思い出したら吐きそうになる。
何だったんだあの光景は?偽物には全く見えなかっ
た。
まだ偽物の方がマシかもしれない。
こんな世界でどうやって生きて行こう、ゴブリンに勝
てるのか?他にはモンスターは居ないのか?生存者
は?
勝てないよなー、ゴブリンの死体は落ちてなさそうだ
ったからなー。
「…」
そうだ!ゴブリンはファンタジー世界のモンスター、
もしかしたらあるのかもしれない。
「ステータス」
まぁ、ある訳ないよ…な?
神村 一樹
レベル 1
HP 5/5
MP 6/6
寿命 64
固有スキル 命の等価交換
スキル なし
はは、何だよこれ。




