『幕間の外伝 初夜の事後』
事件解決から翌日、リーシャやリヴ、アルセラの三人とスイレンの女子四人がサンドリアスの中で人気の喫茶店で女子トークに花を咲かせていた。
その内容は、
「昨晩、ラセンに抱かれました・・・。」
顔を赤くしコーヒーをすするスイレンに他の三人が眼を丸くしていた。
「えぇ~⁉それ本当ですかスイレンさん⁉」
「嘘でしょ⁉それでどうだったの⁉初めての行為は⁉」
「リヴ、もう少しオブラートに包め・・・。」
興奮するリーシャとリヴを落ち着いた大人のアルセラがなだめる。
「タクマの事件もひと段落して落ち着いたからと言ってその夜に迫って来てな。私自身も疲れてたこともあって承諾してしまった。」
「んで結果、ハッスルしちゃったってことね♪」
「リヴ、顔・・・。」
リヴの顔はアルセラが引くほどもの凄いにやけ面だった。
「それにしてもラセンさんも大胆ですね。一応この国は神聖な国という事で名が通ってるのにその地で致すとは。」
「神聖な国だからこそ生れてくる子にご利益とかあるんじゃないかしら?」
「なるほど、一理ある。」
「いや、アイツは何も考えずに私を襲っただけだと思うが。なんせその時のアイツはまさに鬼だったぞ・・・。」
その時を思い出したのか再び顔を赤くして頭を抱えた。
「まあ何はともあれ、おめでとう。」
「いやまだ身ごもってない・・・。」
アルセラ達にいじられながらも祝福してくれた三人だった。
「ところで・・・。」
「はい?」
「君達の方はどうなんだ?私達よりも君達の方がタクマと一緒にいるだろ。旅の途中でそういう事はしないのか?」
「「はぇ⁉」」
リーシャとリヴは突然の質問にタジタジとなる。
「私は彼を恋愛対象とは見ていないからそういう事はないな。どっちかと言うと親友同士の関係だ。この二人は別だと思うが。」
アルセラが横目でリーシャとリヴを見る。
「いや、確かにアルセラさんよりかは好意を抱いてると思いますが、流石にそこまでは・・・。」
「私はいつでも大歓迎かな♡常に人間の姿で過ごしてるし、いつ襲われてもいいように準備万端よ!」
「君は清々しいな、リヴ・・・。」
そんな傍ら、リーシャだけは顔を赤く俯いて人差し指をちょんちょんしていた。
スイレンがアルセラに小声で話しかける。
「リヴはともかく、リーシャも確定でいいんだよな?あの様子だと。」
「私もそう思ってるがそういう経験がない故かこの話題になるといつもあんな感じになる。まぁ言うて彼女はまだ十二歳の少女だし、歳相応とも言えるだろう。」
忘れてるかもしれないがリーシャは転生者であり中身は二十代の大人である。
「ところで、彼女たちの好意をタクマ本人は気付いてるのか?」
「多分気付いてると思うけど、アイツ本人も大分ニブチンな部分が多いから何とも言えないな。」
「お互いに奥手だな・・・。はぁ、無理強いするわけじゃないが、前途多難だな。彼女らもタクマも。」
その頃、屋敷でタクマがデカいくしゃみをしたのは言うまでもない。




