表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したから平和に生きたい  作者: rab
平和な暮らし
3/23

異世界転生

引き続き何話か投稿します。

ノエル・イーストウッド

Lv.1

生命:20/20

魔素:40/40

持久力:5

筋力:7

耐久力:6

魔力:35


固有スキル:【鶏と卵】

コモンスキル:なし




……………?


ステータス画面みたいなものが出てきた。

というかステータス画面だった。


俺のフルネームとレベルと能力、スキル?らしき記述がある。教えてくれって祈ったけど、まさかデータ化されて出てくるとは思わなかった…


少し驚いてニワトリの頬を握り潰してしまった。ごめんよ…しかし驚いたお陰で先程よりは大分落ち着いた。


まだ少し胸に残った不安をよそに、とりあえず観察してみる。

青い板の大きさは縦横それぞれ30cm程で、厚さはほぼ無い。少し透けているため、薄い青の向こうからこちらを覗くニワトリが見える。


板に触れようとすると、手がすり抜けてしまった。すり抜けたまま手を横に動かすが、何の感触も無くスっと通り抜けた。ステータス画面には何の変化もない。


スライドしたら何か出てくるかな、とか思ったけど…これ以上の記述は無さそうだ。

作りとしては結構簡素なんだな。


次は内容を見てみようかな。気になる所が…


「ほら、今日の朝は野菜のスープとパンだ。冷めないうちに食べるんだぞ」


カタッ、とニワトリの隣に、湯気の立ったスープと、少し黒いパンが乗った皿が置かれた。


ビックリした、朝食なんて完全に意識の外だった。前世では結構なゲーム好きだったからか、ありがちなステータス画面にちょっと夢中になりかけていた。朝食後にまた詳しく見よう。


と、ステータス画面がそのまま出ていた事に気がついた。はっと父さんの顔を見る。


「どうした?」


…見えていないのかな?

ニワトリを手に持ち、恐る恐る父さんに差し出す。


「…ああ、そのぬいぐるみか。隣の椅子に座らせておいてもいいぞ。母さんはまだ起きてこないだろうしな」

「…うん」


父さんはまたキッチンの方へ向かっていった。ステータス画面には触れられなかった。どうやら見えていないようだ。

…それとも気にしてないだけだろうか?


言われた通り、ニワトリを隣の椅子に置こうとして気がついた。このステータス画面はどうやって閉じるんだろう…


そもそもどうやって開いたんだっけ?

もし、念じたことで開いたのであれば、さっきと逆のことを祈れば閉じるかもしれない。


流石に開きっぱなしなのも気になるので閉じたい。ニワトリを持ちながら、閉じろ、と祈った。

ステータス画面はあっさりと消えた。

念じるだけで開閉出来るんだな…覚えておこう。


ニワトリを隣の椅子に乗せ、手を合わせる。

「いただきます」


暖かいスープを少し飲み、パンを頬張りながらまた考え始める。


食べながら先程までの情報を整理する。

唐突に現れたステータス画面のお陰で、もしや?と思い当たる事があった。


「…」


唐突に蘇った記憶。


自分が死ぬ場面。


ステータス画面。


これはもしかして、異世界転生なのでは?


前世の記憶があるだけなら、ただ転生しただけの可能性も考えられたが、ステータス画面が出るのは大分現実離れしている。

明らかに転生前の世界とは違う。


転生前の世界にもそういう概念はあったし、知っていた。しかし実際に転生し、当事者となると色々と考え方が違ってくる。


もし本当に異世界なら、身の振る舞い方を考えなければならないだろうな…

前世の記憶を持っていることが、この世界でどのような扱いなのか分からない。


もしかしたら迫害されるかもしれない。

俺だけでなく、両親やまだ産まれて間もない妹にも被害が広がるかもしれない…

この世界を知るまでは、知っても安全だと分かるまでは、誰にも言わない方が良いだろう。


それに、先程見たステータス画面にも、見慣れない言葉があった。

知っている言葉でも意味が違うという事もあるかもしれない。


…まだ分からないことが多すぎる。

この世界を知るところから始めよう。


そう結論づけたところで、丁度朝食を食べ終わった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ