ショタ、勇者パーティを追放される。 聖女「勇者が重度のショタコンであることが発覚しました」
酷いものを書いた自覚しかない。
こんな若輩者が書いた取るに足らぬ作品ではありますが楽しんでいただければ何よりです。
今、僕の目の前には二人の仲間がいる。けれど二人はいつもとは様子が違い、どこか怖い雰囲気を漂わせていた。
「えと……コリン、様、イシスさん、何か御用でしょうか……?」
目の前にいるのは僕と同じ勇者パーティの仲間だ。
けれど二人は僕……アレン・ストールという一平民とは立場が違う御方だ。
聖女コリン・マーガレット様はこの国の王女様。
双剣使いのイシスさんは素性を隠しているようだけど日常の所作から何処かの貴族様だと推測できる。
そのお二方に仁王立ちで迫られているため、僕はさっきから緊張が止まらない。
「アレン君……貴方には、このパーティを抜けてもらいます」
「え!? コリン様……そんな、突然すぎる……」
それは唐突な解雇宣言だった。けれど理由については大体予想できる。
僕は平民だから貴族様とは価値観が合わないところもあった。その辺りは勉強して最近追い付いてきているが、それが小癪だったのかもしれない。
その上、僕は実力も無いから戦闘でも足を引っ張ってばかりだ。だから雑務や罠の解除という形で何とか貢献に持っていたけど、貴族様からすれば媚びを売ってる平民に見えたのかもしれない。
以上のことから僕が勇者パーティにいた理由も分からなくて解雇も当然だと思うけど、あまりにも唐突過ぎる。
「勘違いしないでほしいの……貴方はパーティで大事な役割をやってくれていることも知っているわ。まず朝五時に起きて、宿の裏で水を浴びて……エッチな体を……じゃなくて、パーティの健康管理や小まめな気遣いが沢山できるのも知ってるわ……貴方に仕掛けた盗聴器で……」
「と・に・か・く! アレン、君は勇者パーティに必要ないんだよ」
「なにか今……いえ、気のせいですよね。きっと気のせいですよね」
双剣使いのイシスさんから、ストレートな言葉を浴びせられる。
その言葉は深く心に突き刺さる。自分なりに貢献しようと思っていたけれど、それが全て無駄だと言われたからだろう。
だけど、そんなストレートな言葉にも僕は納得していた。
「……そう、ですよね。はい、確かに僕は必要、ありませんでしたよね……」
「そうだ! タイチ様に迷惑が掛かるとようやく気が付いたか」
イシスさんは以前から、勇者様に好意を抱いているらしく、勇者様に優しくされている僕が気に食わないのだろう。
勇者タイチ様。何故か平民である僕を拾ってくれた御方だ。その後も僕の修業に協力してもらっている優しい人だ。
「……分かりました。このことは、勇者様には……?」
「ごめんなさい……アレン君。彼には会わせられないわ」
コリン様が申し訳なさそうな顔をして、僕は胸がキュッと締め付けられた気がした。
理由は分からないけれど彼女の迷惑をかけてはいけない、と思った僕は自分の荷物だけをまとめて宿屋から出ていった。
そして僕は、理由も訳も分からず、勇者パーティを追放された。
「……本当にごめんなさいアレン君。あなたをあの勇者に会わせるわけにはいかないの……!!」
「しょた……こん? コリン、それはどういう意味の言葉なんだ?」
◆◇◆
「どういうことなの!? コリン、アレン君を追放するなんて!!」
アレンを抜いて四人で構成されている勇者パーティの一人、賢者ミーアは怒声を発する。原因は勿論、アレン・ストールの追放を聞かされたからだ。
それを聞いた賢者ミーアは聖女コリンのいる部屋へと向かう。
「落ち着けミーア。貴殿はアレンのこととなるとチト短気が過ぎるぞ?」
聖女コリンは椅子に座りながら、〝紫煙〟を燻らせる。
「アンタに言われたくないわ! アンタはアレン君がいない場所だとキャラ変わりすぎでしょ! とりあえず煙草吸うのやめなさい!」
「ほう? 私から煙草を取り上げたい、と? ステゴロいくか? あ?」
「ひっ、そ、そのままで結構です……」
賢者ミーアは聖女コリンの覇気にビビりながら椅子に座る。若干漏れた。
「それで……ええと、何故追放してしまったのでしょうか? はい」
「……ふん、まあいいだろう。これを見ろ」
「ひぇっ」
コリンはミーアに紙を渡した。その紙には■■■■(玩具)や■■■(玩具)などの卑猥な単語が並べられていた。
「え……? ちょ、これってもしかして……」
「ああ、全部〝後ろの穴用〟の道具だ。そしてこれは――――勇者殿がスラム街にある店で購入したもののリストだ」
「え゛」
勇者タイチが、購入した。
何を? 後ろの穴用の玩具を。
はて、それが意味するのは一体どういうことだろうか――?
「で、でも……! そういう趣向なのかもしれないし……!」
「……リストの一番下を見ろ」
「え……? 一番、下……?」
2メートル近くあるリスト、その一番下の方へとミーアは目をやる。
そしてそこに書かれていた言葉は。
「……………………………………………………………………」
「どうしたのかね? 貴殿は我に〝何故アレン君を追放したか〟を聞きたいのではなかったかね? ほれ、読んでみぃ。追放……いや、獣の手から遠ざけた理由が分かるはずだぞ」
「……………………………………中華娘コスプレセット…………です」
コリンの眉がピクリと反応する。次の瞬間、聖女コリンから魔力が溢れ出す。
周囲が彼女の覇気に当てられる。
――――それこそ至高。
――――それこそ究極。
――――それこそ覇王の証。
全てを破壊する死の輝き。常人ならば精神を焼き切られるほどの覇気。彼女の意に反する全てはこの世界から消されるだろう。
それほどの化け物を前にしてミーアは漏れたをの理解した。
だが過去にも同じことがあったため、事前にオムツを履いていてよかったと思った。
「聞こえんなァ? 貴殿も男であるならハッキリものを申せ、それが無理なら性根から叩きなおさねばならんことになるんだが? ん~?」
「中華娘、コスプレセット女装用です! ってか私、男じゃないし!!」
聖女はポケットから携帯灰皿を取り出して煙草を消す。
そして机に両肘を着けて話を進める。
「そうだ。中華娘コスプレセット女装用だ。しかもこれはアレン君のスリーサイズでオーダーメイドがされていた。これでも分かるだろう?」
「まあ、はい。分かります。…………ん? なんでコリン陛下はアレン君のスリーサイズを……あ、いえ、なんでもないです……」
コリン陛下は何故かアレンのスリーサイズを知っていたがそれは些細な問題だろう。
このイカれ糞女にそんな常識的なツッコミなどしてはいけないのだ。
「まあ、以上の理由からアレン君を追放させてもらった。だが聖王国第二特務部隊の人間を数人アレン君の元に向かわせた。彼のフォローはすぐに終わるだろう」
「事情は……はい。分かりました。でもタイチ様はどうするんですか? あの人、たぶん追い掛けますよ」
ミーアは自分に集中していたヘイトを逸らすため、タイチの話題を上げる。
それは完全に偶然だった。とりあえずヘイトをタイチに押し付けようとしたミーアの浅ましい話題転換だッたのだ。
しかしそれは奇跡的にコリン陛下が最も危惧しているものだったのだ。
「……それに関しては上手く誘導させるしかあるまい。
現状、うちのメンツに勇者様♡の相手をできるものはいない――私を抜いてな。
だが魔王を殺すには勇者様の対魔王属性が必要不可欠なので殺すわけにもいかん……ま、いざとなったら魔王程度、不死専用牢獄に幽閉すればいいんだがな。費用が掛かりすぎるから最終手段だ」
魔王を不死専用牢獄に幽閉させるのを不可能ではない、という辺り流石はコリン陛下である。
そしてそんな彼女の覇気に当てられた被害者は一つだけ質問を投げ掛けていた。
「……ええっと。聞かなかったことにするのは……」
「無論、不可能だ」
――これより始まるのはショタを賭けた戦い。
重度のショタコン勇者タイチは、覇王コリンからアレン君を奪うことは出来るのか!?
――――――――おしり――――――――
アレン:
ショタ。本人も自覚は無いが転生者。
前世では現代日本で16歳の女の子をやっていた。
家族は妹が一人と両親がいた。父親がDV男で幼い頃に母親が家を出る。その時に母親からは「アンタを見ると、吐き気がする」と罵倒される。
最終学歴中学生、15歳からバイトに身を削る日々を送る。
稼いだお金は妹の教科書や給食費に使い、残った分は父親が風〇に行くからと殴って奪っていく。断ると性的暴行を加えられる。
そんな日々を送って一年、疲れ果てたところに危ないお兄さん達にナンパされる。疲れ切った彼女はお兄さんたちの後を着いていってしまう。
車に乗せられ何処かの森の中まで連れてこられ性的暴行を加えられる。
拒もうとしたら薬物を飲まされて、そこから先は記憶が無い。
結論だけ言うならば彼女は腹部に数え切れないほどの根性焼きをされ、薬物摂取により痙攣が止まらなくなり全裸で近くの古井戸に落とされる。
そこから数時間もしない内に凍死。彼女の死体が発見されるまで二週間が掛かった。
勇者タイチ:極度のショタコン。女相手にはE〇。
聖女コリン:隠れショタコン(周囲にはバレている)。何故かアレンのスリーサイズを把握していた。
賢者ミーア:おにショタを至高する女の子。性癖ランクはかなり低いため割と常識人。
双剣使いイシス:勇者が好きな女の子。唯一ぶっ飛んだ性癖を背負っていないが、恋心が暴走してしまうことが多々ある。その時はビンタして黙らせましょう。
王様:登場することが無い男。勇者の血筋を何とか残したいが勇者が極度のショタコンであるため苦労している。最近、連続勤怠時間が100をこえた辺りで勇者をTSさせれば全て解決することに気が付いた天才。座右の銘は『王とは国の歯車である』




