真実の話
始業式から、少し月日がたった
彼女は新しいクラスで打ち解け始めてきた
「なんか、変な気持ち・・・」
柊は胸が苦しい不思議な状態になっていた
それを見た彼女は少し意味ありげな笑みを浮かべ話しかけてきた
「どうかした?体調悪い?」
その言葉を聞くとまた胸がドキッとはねて熱くなった
そのすぐ後我に返ったかのように
「遠藤さん、この後体育でしょ?早く行きなよ」
少し強い口調で言ってしまった
それもそうだ、彼女とは始業式以来全然会話をしていないからだ
聞きたいことはたくさんある、だがクラスの女子が囲っていて会話ができないのである
男子は筆記の授業なので、窓側にいた柊は外を見ていた。すると前の方から別の男子の声が聞こえてきた
「遠藤さんってかわいいよなあ。長い髪、きれいな声、大人しくて、胸も大きい!」
明らかに最後のがメインかのような声量になっていた
それを聞いていた柊の目線も自然と彼女の方へと向いていた
視界に彼女をとらえたときまた胸が苦しくなった
「寝てしまお」
そうして柊は苦しい胸を抑えながら寝てしまった
「て・・・きて・・・」
懐かしい声に昔嗅いだことある匂いがした
「この匂いは…花の…なんの花だっけ…」
「きて・・・起きて・・・起きて柊くん!」
はっと目が覚めた。教室には柊と彼女だけだった
彼女は、頭が働いていない柊に説明するように言った
「柊くんずっと起きないんだもん。もう学校終わっちゃったよ?」
そう聞くと柊はきょとんとした顔で彼女を見ていた
すると彼女はぱっとカーテンを開いた
「ほら、もう夜になるよ?」
今にも太陽は隠れてしまいそうな位置にあった
「やっべ、学校閉まっちゃう」
焦って準備をして出ようとする柊
それを止めるように彼女は腕を掴んできた
「待って、少し話がしたい」
また、胸が苦しくなった全身が熱くなり耳鳴りがしそうなくらい頭がぼーっとした
彼女が心配する声はかろうじて聞こえた
・・・この花の花言葉は・・・




