表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹と異世界転移 ~引きこもりだった俺が妹を護るために大陸を統一するまで~  作者: おとしんくるす


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/323

89 新しい仲間達と森への移住

 妹の誕生日の翌日、新たに増えたエルフさん達について基本的な情報を調べ終えた。


 人数は、農場からの100人も加えて1278人。

 うち388人は今も病室に入院中だが、命に別状はないとの事。

 ただ、精神的な問題からしばらく療養が必要な人は多数いるそうだ。それは仕方がない。


 その中で森出身のエルフさんは、農場から採取五人に、布加工と木材加工が一人ずつ。

 リステラさんが買い集めてくれた人達の中に、採取九人と、布加工が三人、木材加工が二人、革加工・石加工・土加工が一人ずつの、合計17人だった。

 あとの1254人は、牧場出身のエルフさん。


 土加工というのは初めて見るスキルだったが、特定の場所で採れる粘土や砂を使って、焼き物やガラスを作る人らしい。

 鉱山周辺では粘土や砂が採れないらしいので、将来的に森に移住してもらう第一候補だ。


 薬ビンが自給できれば薬の出荷が効率的になるし、本来金属を使わないエルフさん達は、煮炊きなどを焼き物を使ってやるのだそうだ。

 焼き物と言っても土器ではなく、元の世界のセラミックに近いものらしい。

 薄くて軽く、丈夫だそうだ。


 そういえば以前、なんでエルフは金属を使わないのかとリンネに訊いてみたら、黙って鉱山の一角に案内された事があった。


 そこは廃鉱石と残渣ざんさの捨て場。山肌一面を灰色の泥が埋め尽くし、カチカチに乾いてコンクリートのような固さになり、草も生えていない。

 そして精錬のための燃料として、大量に木が切られて荒れた山……。


 それを悲しそうな目をして眺めるリンネを見ただけで、もう言葉での説明なんて必要なかった。

 森と一緒に、自然と一緒に生きるエルフ達にとって、金属の採掘は自分達の生活基盤そのものを危うくする暴挙なのだろう。


 でも人間の生活には金属が必要だし。もし将来、この世界でも文明が発達して電気でも発明されたら、それこそ大量の金属。さらには化石燃料も必要とされるだろう。

 豊かな現代文明を体験している俺としては、それが悪い事だとは思わない。実際この世界は色々不便な事が多すぎる。


 ……だけどその世界に、エルフさん達の住む場所はあるのだろうか?

 元の世界でもアマゾンやアフリカの奥地に行けば、近代文明と無縁の暮らしをしている人達がいた。

 あんな感じで、共に生きる共生きょうせいでなくとも、共に存在する共存きょうぞんくらいならできるのだろうか?

 そんな事を考えながら、しばらく思い悩んだ事を思い出す。


 ……まぁそれはともかく、今は目の前の事だ。

 土加工の指導者ができた事で、エルフさん達が一般に使う技術は全て揃ったらしく、牧場出身のエルフさん達全員が師匠を見つけて弟子入りする事ができた。

 鉱山の金採掘量はゼロになるけど、気にしない。


 移住計画は一部変更となり、まずは採取ができる森出身のエルフさん一人と、木材加工ができるエルフさん二人で先行して、土加工に使う粘土や砂が採れる場所の近くに村を作ってもらう。


 ある程度建物や設備が完成した所で、採取エルフさん三人と土加工エルフさん一人に、土加工見習いのエルフさん全員。137人をつけて移住してもらい、生産と教育を試みてもらう。


 一人で137人を指導するのは大変そうなので、当分は指導にかかりっきりになるだろう。

 薬師さんが新しい調合器具が欲しいと目を輝かせていたので、それだけは先に作ってもらうかもしれないけどね。


 あとは当初の予定通り、鉱山の近くとリンネの故郷の村に二組を派遣する。

 木材加工ができるエルフさんが足りないので、土加工村の建物がある程度完成したら、一人に帰ってきてもらう予定だ。

 他の森出身のエルフさん達は、当面鉱山で牧場出身エルフさんの教育や、人数が増えた分、食糧を買うためのお金を稼ぐべく製品作りをやってもらう。


 とはいえ、布はまだエルフさん全員に新しい服が行き渡っていない状態だし、石加工の人には移住組が使う道具を作り溜めしてもらわないといけないから、あまり多くは作れない。

 牧場出身エルフさん達の技術向上が待ち望まれる。


 移住組は準備が整い次第出発してもらう事にして、森に残っているかもしれない無事なエルフの村探索は、希望者を募って早速出発してもらった。


 エルフさん達は元々森に住んでいたんだから、森への移住じゃなくて帰還のような気もしたが、数的に大部分を占める牧場出身のエルフさん達は森に住んだ事がないので、移住と言う事にした。


 第一弾は三ヶ所。上手くいくといいなぁ。


 移住先との連絡については、採取エルフさん三人で見回り隊を編成して定期的に巡回してもらい、移住先で異常がないかや、必要物資の輸送などをしてもらう。


 リンネに言わせると森にはなんでもあるらしいが、唯一塩の調達だけは難しいそうなので、主にそれを運んでもらう事になると思う。あとは薬とかかな?

 一応動物の骨から塩を採る方法はあるらしいが、手間のわりに収量が少なく、効率が悪いのだそうだ。



 そんな感じで計画が順調に進んでいた時、一つの大きな情報が飛び込んできた。


 リステラさんが集めてくれた中の、森出身エルフさんの一人。布加工ができる人がリンネ達と同じ村の出身だったのだが、なんとその人が、リンネの妹の消息を知っているというのである……。




大陸暦420年3月25日

現時点での大陸統一進捗度 1.2%(リンネの故郷の村を拠点化・現在無人)(パークレン鉱山所有・エルフ5255人)(パークレン子爵領・住民0人)

資産 所持金 35億2450万

配下 リンネ(エルフの弓士) ライナ(B級冒険者) レナ(エルフの織物職人) セレス(エルフの木工職人) リステラ(雇われ店長) ルクレア(エルフの薬師) ニナ(鉱山前市場商店主)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ