表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹と異世界転移 ~引きこもりだった俺が妹を護るために大陸を統一するまで~  作者: おとしんくるす


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/323

73 貴族の政争

 ……エイナさんの口から語られたユミルさん周りの事情は、とんでもなく面倒そうなものだった。


 まぁそれでも、150億アストルの報酬なら釣られて引き受けたと思う。

 でも報酬額未定の段階で詳細を聞かされていたら断っていた気がするので、これはエイナさんの作戦勝ちたとほめる所なんだろうな。


 乗りかかった船と言うか、巻き込まれつつある渦潮なので、もうちょっと詳細な情報をたずねてみる。


「ユミルさんのネグロステ伯爵家は、第二王子を推しているの?」


「いえ、あの家は中立でした。中央での政争よりも、自領の経営に力を入れてきた家ですから。ですが今は、強力な反バルナ公爵家派になったでしょうね」


 親第二王子派ではなく、反第三王子の後ろ盾派という辺り闇が深い。利益で動いていない分、絶対に譲らなさそうだ。


「貴族家の勢力図的にはどんな感じなのですか?」


「少し前までは、第三王子を推すバルナ公爵派が5、第二王子派が2、中立3という所でしたが、今は中立だったネグロステ伯爵家と、ユミル様に求婚したお方のレインク侯爵家。ならびに両家と繋がりの深い家が動いたので、第三王子派5に、第二王子派3、中立2といった所でしょう。

 ですが第三王子派がバルナ公爵を中心によくまとまっているのに対して、第二王子派は、純粋にアレス王子の派閥・バルナ公爵家の勢力拡大をこころよく思っていない程度の反バルナ派・今回加わったネグロステ伯爵家などの強硬な反バルナ派とバラバラで、盟主も決まっていない状況です」


 どうでもいいけど、エイナさんホント詳しいな。貴女一応元貴族家なだけの平民ですよね? いや頼もしいからいいんだけどさ。


「……なんか話を聞く限り、ネグロステ伯爵家には申し訳ないけど、第三王子で決まりな気がするんですけど?」


 これはひょっとしたら、この先五年の年20億アストルは危ないかもしれない。


「ふつうに考えればそうでしょうね。もし今度こそユミル様が殺されてしまい、レインク侯爵家とバルナ公爵家の婚姻が成立する事にでもなったら、もう決まりでしょう」


「ユミル様に告白した相手……誰でしたっけ? とにかくその人、二回も好きな人を害されて、その相手と結婚なんてするものですかね?」


「サナン・レインク様ですね。貴族の結婚は夫と妻ではなく、家と家とがするものですから、当人の意思など関係なく婚姻こんいんは成立するでしょう。夫婦生活がどうなるかは知りませんけれどね」


 うわぁ……貴族も楽じゃないんだな。エイナさんがパークレン家再興にあまり積極的じゃないのも理解できる。もしライナさんにこの手の縁談がきたら、この子なにやらかすかわからないぞ。


「そうだ、国民の支持はどうなんです? どっちの王子が人気あるんですか?」


「……洋一様はたまに妙な事をお訊ねになりますね。民衆の支持で言えば、第二王子のアレス様でしょう。取り立てて優秀ではありませんが、第三王子のイーレス様の評判がよろしくないですから。粗暴で短気、街に繰り出して気に入った女を見つけると王城へ連れ去り、むりやり関係を持って、飽きたら捨ててしまうような方ですので」


 ああそうか、専制だから国民の意見とか関係ないのか……でも今の話を聞いて、俺は断然第二王子派になった。もし香織が街で買い物をしている所を気に入られて連れ去られたりしたら、俺もなにするかわからないぞ。エイナさんの事言えないな……。


 それはともかく、バルナ公爵家としてはこれからもユミルさんを害そうとしてくる可能性が高い訳だ。彼等にしてみれば、娘がレインク侯爵家の長男に惚れたのはまさに渡りに船だったのだろう。中立派の中でも大きな勢力であるレインク侯爵家を取り込めば、ほぼ勝ち確定なんだから。


 だが結果は逆に、取り込むどころか敵に回してしまった。だがこのまま黙ってはいないだろう。長女さんはかなりアレな性格みたいだしね。


 でもそうなったらなったで、ネグロステ伯爵家も黙ってはいない。そこに反バルナ公爵家派や親第二王子派が絡んできたら……もう泥沼の争いになる未来しか見えないな。


 争いを嫌って絶望を耐えていたユミルさんはどう思っているのだろう? 王都に帰ってきたという事は、覚悟を決めたんだろうか? 侯爵家の長男さんと両想いだったみたいだしなぁ……。


 ともあれ、俺はできれば関わり合いになりたくない。

 エイナさんから『これからしばらく王都は荒れるでしょう。場合によっては内戦になるかもしれませんから、鉱山に帰っているのをお勧めします』と言われたので、そうする事にしよう。


 明日リステラ商会と冒険者ギルドへ行ったらなるべく早く帰れるよう、ライナさんに予定をしておいてもらおう……。




大陸暦419年11月20日

現時点での大陸統一進捗度 0.11%(リンネの故郷の村を拠点化・現在無人)(パークレン鉱山所有・エルフ3977人)(リステラ農場所有・エルフ100人)

資産 所持金 41億2847万

配下 リンネ(エルフの弓士) ライナ(冒険者) レナ(エルフの織物職人) セレス(エルフの木工職人) リステラ(雇われ店長) ルクレア(エルフの薬師) ニナ(鉱山前市場商店主)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ