31 牧場 ※
ちょっと酷めの話があります。そういうの苦手な方はパスしてください。
エルフ達が現代世界の家畜と同じような扱いを受けていると認識していただければ、物語の進行上問題ありません。
ライナさんのキヨウの実を買取ってもらいにギルドに寄ったら、エリスさんに別室に連れ込まれて、こないだのフランの花の代金の残り、1998万2800アストルを渡された。
手形と交換で多数の硬貨を受け取り、その中から10万アストルを食材代として妹に持ってもらう事にする。
以前の金貨は脅えて受け取らなかったが、今回の銀貨は受け取ってくれた。買い物が自分でできるくらいには、この世界に馴染んできたと思っていいのだろうか?
お金を受け取ったついでに一ついい事を思いついて、もらったお金の中から金貨一枚を取り出してエリスさんの前に置く。
「エリスさん。お願いがあるのですが、これで郊外にある牧場を見学させてもらえるよう、口を利いてもらえませんかね?」
「それは可能ですが……これはギルドへの協力金としても多すぎるのでは?」
たしか、街壁の外で暮らしている人達の年収が100万アストルくらいなんだっけ? 金貨一枚はそれと同じ値段だ。
「構いません、多ければエリスさんの取り分にしてください。これからもなにかお願いをする事があるかもしれませんから」
エリスさんはじっと俺を見ると、『わかりました、紹介状は30万アストルが相場です。残りは私の責任でお預かりしておきましょう』と言って、その場で紹介状を書いてくれた。意外と真面目なんだな、昼間はよく居眠りしてるけど。
ともあれ、俺達三人は紹介状を手に、街壁をぐるりと回って西側へ向かう。俺達が最初に転移されたのは北東側だったので、初めて行く場所だ。
王都の北東側は草原だったが、南東~南西側は細い川に沿って畑が広がっていて、その先に高い木の塀が見えてくる。街だと言われても疑わないくらいの大きさだ。
入り口には三人の見張りがいたが、冒険者ギルドからの紹介状を見せると一人がそれを持って走っていき、もう一人が丁寧な対応で中へ案内してくれる。
通された部屋にいたのはここの牧場長だという、ナザブと名乗る中年の男性だった。
「冒険者ギルドからの紹介状を拝見しました。なんでも当牧場を見学なさりたいとか」
細身で神経質そうなナザブさんが、立ち上がって握手を求めてくる。この反応を見るに、エリスさんだいぶ持ち上げて書いてくれたようだ。なら俺もどこぞの紳士ぶって、上品な対応を心がける。
「はい、急なお願いで申し訳ありません」
「いえいえ、構いませんとも。冒険者ギルドとは取引も多いですからね。それで、どちらをご覧になりたいのですか?」
「できれば全般に。多少時間がかかっても構いませんので」
そう言いながら金貨をテーブルに置くと、ナザブさんの目の色が変わる。この世界、賄賂とか権威とかがとても有効で、ある意味やりやすい。
「もちろん構いませんとも。私が詳しくご案内いたしましょう」
金貨をポケットにしまったナザブさんが、満面の笑みを浮かべて歩き出す。
……さて、これからなにを見る事になるのか。妹は今回もついていくと言って譲らなかったけど、トラウマにならないといいなぁ……。
ナザブさんの案内で、俺達は牧場の中を歩いていく。
道すがら、簡単な説明をしてくれた。
「当牧場はエルフを約一万匹、牛を3000匹と豚を8000匹ほど飼育しています。国内では最大規模ですね」
「牧場は他にもあるのですか?」
「ええ、他の国の事は存じませんが、国内にはここをあわせて三ヶ所あります。家畜の数だけなら遊牧民が飼っている羊や農家で飼われている鶏の方が多いですが、規模では負けませんよ」
ナザブさんは自慢気に、さらに詳細を話してくれる。
「ここからは一日当たりエルフを10匹前後とミルクを3000リットル、牛を数匹とミルクを8000リットル、豚肉を10匹分ほど出荷しています」
……なんか今、すごく気になる文脈があった気がする。
「エルフのミルクも商品になるのですか?」
「ああ、裕福な方ならご存じないかもしれませんね。牛の物より低級ですが、半値ほどと安いので需要があるのですよ。エルフからは一日に一リットルほどのミルクが搾れますので、半量を子エルフのエサにして、残りを出荷に回します」
低級なんだ。俺の感覚だとむしろ妙なプレミアがついて高値で取引されそうだが、この世界でのエルフの扱いはホント悪いからな……。
少しもやもやした気持ちで歩いていると、いよいよ牧場の飼育スペースへと足を踏み入れる事になる。
「ここは牛舎です。当牧場ではエルフを調教し、家畜の世話を家畜にやらせる体制を確立していますので、少人数で高い生産性をあげています」
ナザブさんの言うとおり、牛舎ではボロボロの服を着たエルフ達が牛の世話をしており、手作業でミルクを搾っていた。
全員が裸足だが、出会った時のリンネのように極端に痩せた子は見当たらない。俺から見れば十分スレンダーだが、身軽に木の枝を飛び回ったりするエルフは元々そういうものらしい。
最近はお腹一杯食べて幸せそうなリンネが、痩せ衰えた姿から細身のスラリとした体つきくらいにまで戻ってきたが、そこで止まってしまったのを妹がズルイと言っていた。
それはともかく、体つきは細身なのだが、結構な割合でお腹だけがポコリと膨らんだ子が散見される。大きさは様々だが、あれは……繁殖させていてミルクも搾っているそうだから、つまりそういう事なんだろうな……。
だがなにより俺をゾッとさせたのは、働いているエルフ達の目が、まるで感情が抜け落ちたかのように虚ろな事だった。
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ。作業はエルフだけでやっているのですか? 人間の監督者などは?」
立ち止まってボーっとしていた俺を不審に思ったのだろう、ナザブさんの声に、慌てて取り繕った質問をする。
「当牧場内で働いている人間は30名ほどです。成エルフだけでも一人で200匹ほどを管理している計算になりますから、細かい監督などは行っておりません」
「それでちゃんと仕事になるのですか?」
「ちゃんと調教を施していますからね。一応一日の終わりに見回りをして、仕事をちゃんとこなせていなかったら罰を与えます。エルフは多少知恵がありますから、それで十分仕事をこなしますよ」
「罰とはどのような事を? 食……エサを与えないとかですか?」
「いえ、エサを抜くとミルクの量に影響しますから。基本は裸にして吊るし、見せしめもかねて他のエルフの前で背中やお尻を鞭で打ちます。首輪のネジを巻かない方法もありますが、半窒息状態だとそれはそれで作業に影響しますからね」
さも当然のようにさらっと言う。元の世界でも牛や馬を労働力として使う時は鞭で打っていたし、奴隷制度があった時代には似たような事が行われていたとも聞く。
だがそれを実際に目の前で言われると、胃が焼かれるような不快感が湧き上がってきた。
不快感に耐えて見学を続け、豚舎、堆肥の製造所、井戸などを見て回る。
井戸は家畜の飲み水のほか、三日に一度の割合でエルフに洗濯と水浴びをさせているそうだ。商品管理の一環としてだそうだけど……。
「ここは家畜のエサを作っている所です」
案内された粗末な小屋では、薄暗い中で大きな鍋がいくつも煮えており、大勢のエルフ達がナタのようなものを手にして木の実を割っていた。
あれは見覚えがある、キヨウの実だ。
「当牧場ではエルフと牛と豚を飼っていますが、主食はいずれもキヨウの実です。冒険者ギルドにはいつも仕入れでお世話になっている品ですね。ああして実を割って中の果肉を取り出し、軽く茹でてエサにします。殻は商業ギルドへ持っていくと買い取ってくれるので、実質エサ代はタダのようなものですね」
運搬役のエルフが次々と運んでくるキヨウの実が、小屋の中に山と積み上げられている。あの中にライナさんが集めていた物もあるのだろうか? 年中実をつけるので周年常設買取をしていると、エリスさんが言っていたのを思い出す。
キヨウの実の果肉は一見すると栗みたいで、大きい実の中にぎっしり詰まっていて歩留まりは良さそうだが、色は灰色であまり食欲をそそらなかった。
「……あれは人間も食べられるのですか?」
「キヨウの実ですか? 固い上に渋くて、とても食べられたものじゃないですよ。飢饉の時には砕いてから水に晒して食べたなんて話も聞きますけどね。あくまで動物のエサです。当牧場ではあれを主食に、牛には干草と麦わらを混ぜて、エルフと豚には街で出る残飯を混ぜて与えています」
「残飯ですか?」
「はい。野菜や果物の皮や芯、ヘタなどと、卵の殻。油をとるビイズ豆や果実酒を作る果実の搾りカス。麦酒の発酵カスなどですね」
元の世界でも、豚の飼料に残飯が使われる事は多かった。それを考えると家畜のエサとしては普通のような気もするけど……。
俺は、黙々と実を割って中身を取り出す作業をしているエルフ達を見る。
俺からすると、見目麗しい外見をした美少女揃いのエルフ達。彼女達が残飯をエサに働かされているかと思うと、なんだかとてもいたたまれない気持ちになってくる。
豚なら良くてなぜエルフはダメなのかと問われると答えに窮するが、人の価値観に占める見た目の割合は大きいのだ。
いや、ペットの犬なんかは見た目がかわいいけど、首輪をつけて飼う事に違和感はない。やはり人間に似ているからと、言葉が通じるというのが大きいのだろうか。
そんな事を考えている間にも見学は進み、石造りの建物が見えてくる。
「あれは豚の処理場です。エルフと牛は使役用途として生きたまま出荷しますが、豚はここで肉や加工品にしてから出荷します。少し刺激が強いですが……」
ナザブさんはそう言って、チラリと妹を見る。妹はここに来てからずっと、青白い顔をして無言だった。
「ええと……ここはいいです。次の場所へ」
「はい、ではこちらへ」
そしていよいよ、俺達はエルフが飼われている区画へと足を踏み入れる事になる。
「ここでは今年産まれたエルフを飼育しています。ご存知かもしれませんが幼少期のエルフは成長が早いので、成エルフになるまでおよそ一年といった所ですね。それまでの間に簡単な日常会話と、数を500まで数えられるように教育をさせます。これはエルフ同士でやらせますが、調教の方は主に人間が行います。毎日のネジ巻きと共に、ここで一番手間がかかる作業ですね」
「調教とはどのようにするのですか?」
「まだミルクを搾るようになる前ですから、エサを抜くのが有効ですね。二・三日絶食させた所で命令を与え、それをこなせたらエサを与えます。人間の命令をきけばエサがもらえると覚え込ませる訳ですね。それを何度も繰り返して、ミスをしたり反抗的な態度をとった時には鞭や棒で殴ります。そうして人間に対する忠誠心と恐怖心を植えつけると、従順な奴隷の出来上がりという訳です」
それは動物に対する調教でも性質が悪い類のものだ。
だが今日大勢見てきたエルフ達。脅えたように人間と目を合わせようとせず、従順に働くあの姿を思い出すと、効果は高いのだろう。
建物は全部で12棟あり、一ヶ月単位で生まれたエルフをまとめて飼育・管理しているのだそうだ。
最初は今月産まれたエルフを収容している建物で、広い部屋に50人ほどの赤ん坊が寝かされていた。あ、やっぱりエルフは産まれたててでもちょっと耳長いんだね。
大勢の赤ん坊の間を、何人もの大人のエルフ達が忙しそうに動き回って世話をしている。建物には同じような部屋がいくつもあるらしい。
「……母親が世話をするのではないのですか?」
「いえ、実の親に任せると効率が悪いですからね。親子は引き離して、この時期だと子エルフ10匹当たり成エルフ1匹の割合で面倒を見させます」
この世界ホント、酷い話が普通に出てくるな。
「このような感じで三ヶ月間、人間でいう三歳相当まで育て、四ヶ月目からは簡単な作業をさせつつ、先にお話したような教育と調教をしていきます」
案内された別の建物では、幼稚園児くらいの小さなエルフ達が、その体に不釣合いな大きさの首輪をつけられて、卵の殻を砕いて細かくする作業をやらされていた。
「こんな小さな頃から首輪をつけるのですか?」
「はい。エルフは丈夫ですが、それでも幼い内はポツポツ落ちますからね。首輪をつけてもらうのもタダではないので、三ヶ月までは一まとめにして育て、四ヶ月目以降は首輪をつけて個別に管理します。ここにいる間は、首輪につけたタグの番号で個体を識別します」
そういえば、競りで見たエルフ達はみんな名前が番号だった。
まだ少女と呼ぶにも幼い、幼女と呼ばれるような外見なのに、もう一生外される事のない首輪をつけられた子供のエルフ達。遊びたい盛りだろうに、黙々と単純作業をこなす目からは、すでに輝きが失われていた。
ちなみにこの作業は一番最初にやらされるもので、もう少し成長すると籠作りや縄作り、服の修繕などをやらせるそうだ。
エルフ達が着ている服は、街の人間達が着古した物らしい。そういえば男物を着ているエルフも多くいた。
と、そこに棒を持った人間が見回りにやって来る。
子供のエルフ達は顔を上げる事もなく作業を続けるが、はっきりと脅えている様子が見て取れた。
「あんな小さな子を棒で殴るのですか?」
「はい。調教は幼い頃からやった方が効果が高いですからね。もちろん、商品価値を損なわないように加減はしますよ。腕が使えなくなったりしたら、廃棄処分にしないといけなくなってしまいますから」
「…………」
子供が殴られる所など見たくないので、ナザブさんを促して別の場所を案内してもらう。子供達を見捨てるようで心が痛んだが、ここであの子達を買い上げた所で、また新しく産まれた子供達が同じ目に合わされるだけだ。変えるなら元からでないと……。
「次は……ああ、ここはエルフの繁殖室ですね」
「……え?」
考え事をしていて、その言葉の意味を理解するが一瞬遅れてしまった。
ナザブさんは無遠慮に部屋のドアを開ける。
「ちょ!」
「作業は午前中に終わっているので、今は空ですね。牛や豚は放っておいても時期がくれば勝手に繁殖しますが、エルフはそうではないので、この部屋に集めて監視の下むりやり交尾をさせます」
幸か不幸か部屋の中には誰もおらず、床一面に敷き詰められた干草があるだけだった。心なしか、ちょっと淫靡な香りがする。
「獣臭くて感じのいい場所ではないので、次に行きましょうか」
ナザブさんは無感情にそう言うと、次の部屋へ向かう。
「ここは出産室のような所です。普段は牧場の作業をさせていますが、出産が近くなるとここへ移して子供を産ませます。種付けを一日十数匹のペースでやっているので、産まれるのも大体同じ数ですね」
覗いた部屋の中にはお腹の大きなエルフが何十人もいて、苦しそうなうめき声を上げている子もいる。ここでも何人かのエルフ達が忙しそうに働いていた。
「あううぅぅぅ! う、産まれ……る……」
ちょうどまさに出産が始まりそうになったので、慌てて目を逸らせて部屋を出る。十代にしか見えない子の出産シーンとか、さすがに刺激が強すぎる。妹にも見せられない。
「まぁ、あまり見ていて気持ちのいいものでもありませんね」
ナザブさんは俺の行動をどう解釈したのか、苦笑しながら次の建物を案内してくれた。
「ここは成長したエルフを飼っている場所です。今は作業に出ているので空ですが」
案内された建物は、一見して倉庫のような場所だった。
窓がなく薄暗い建物の中、通路の両側に一段50センチくらいの棚が三段作ってある。
本当に倉庫と間違えたのではないかと首を傾げたが、次の瞬間元の世界のとある記憶と重なって、背筋がゾクリとした。
これ、画像で見たユダヤ人の強制収容所とおんなじだ。
人間を最大限効率よく収容しようとすると、必然的にこういう形になるのだろうか?
暗さに目が慣れてくると、奥行きのある棚に無数の毛布が置かれているのが目に入る。その数からすると、一メートル当たり2~3人が折り重なるように寝ているらしい。一番下の段、床の上も使われているらしく、毛布が置いてあった。
「夜はここで眠らせ、朝になったらミルクを0.5リットル搾らせ、エサを与えて作業に出します。夜帰ってきたらまたミルクを同量搾らせてエサを与え、仕事をきちんとこなせていれば、そのまま眠らせます」
まさに家畜そのものの生活だ。もちろん休日や娯楽なんてないのだろう。
昼なのに薄暗い陰鬱なこの空間が先までずっと続いていて、同じ建物が何棟もある。それは想像しただけで薄ら寒くなる光景だった。
「さて、これで大体見て回ったと思いますが……他になにかご希望などはございますか?」
「病院などはないのですか?」
「ありませんね。多少の怪我や病気は現場で対処しますし、大きな怪我をしたり、伝染病に感染した家畜は処分しますから」
「……そうですか。他に見たい所はありませんが、一つ質問を。ここにいるエルフ達は全てこの牧場で生まれた個体ですか? 元は野生のエルフだった個体もいます?」
「昔は野生種の個体もいましたが、今は全て繁殖個体ですね。野生種はなまじ外の世界を知っている分、少々扱いが面倒ですからね」
「なるほど……いや、今日はどうもありがとうございました。とても興味深かったです」
「いえ、こちらこそお役に立てたのならなによりです。またなにかありましたら、いつでもお越しくださいませ」
最初に渡した金貨一枚が相当効いているようで、ナザブさんは牧場の入口まで送ってくれ、笑顔で握手をして牧場を後にした。吐き気がする。
だが、とにかく現状の確認はできた。欲を言えば仲間候補も見つけたかったが、今は情報だけで満足すべきだろう。
「お兄ちゃん……」
ずっと押し黙って、青い顔をしながら後をついてきていた妹が、縋りつくように腕に抱きついてくる。その手は小刻みに震えていた。
「ごめん、キツかったよな……」
「うん……でも見れてよかったとも思うよ。お兄ちゃん、あの人達助けてあげられる?」
ライナさんに聞こえないようにか、耳元で囁くように言う。ライナさんはと見ると、凛々しい顔の形の良い眉を寄せ、なにかを考えるように歩いている。
「そうだな……リンネとの約束もあるし、どこまでできるかはわからないけど、やれるだけはやってみるよ」
正直に言って自信はない。あそこだけでも一万人いるというエルフを助けるなんて、完全に俺の手に余る案件だ。
それに、『元の世界の家畜と同じような扱いだったではないか。なぜ牛や豚は良くてエルフはダメなんだ』という、ややこしい問題にも答えを出せていない。
だが、俺の手を抱いたままの妹が嬉しそうに『うん、お兄ちゃんなら絶対できるよ!』と言ってくれるのが、俺にとっての全ての答えだ。
香織が望んでいるのなら、俺は全力でそれを実現するべく努力をしよう。それが俺にとっての罪滅ぼしであり、俺を見捨てなかった妹への恩返しでもあるのだ。
帰りの道すがら、俺は頭の中で考えを巡らせる。
目標達成の為には、資金・拠点・仲間・武力・知識・人脈。全てが足りない。だが、やらなくてはいけないのだ。それも、妹の安全を絶対に確保しながらだ。
冬の冷たい風が吹きつける中、腕から伝わってくる温かい妹の体温が、俺に勇気と活力とを与えてくれた……。
大陸暦418年12月7日
現時点での大陸統一進捗度 0.001%(リンネの故郷の村を拠点化)
資産 所持金 3308万3200アストル(+1788万2800)
配下 リンネ:エルフの弓士 ライナ:冒険者




