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妹と異世界転移 ~引きこもりだった俺が妹を護るために大陸を統一するまで~  作者: おとしんくるす


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177 魔王の能力

「魔獣生成」


 なるべくそっと発声した俺の前に、鑑定を使った時のような半透明の板が現れる。

 板にはズラリと、たくさんの魔獣の名前が書かれていた。

 スライムやゴブリンからドラゴンまで、数えてみたら200種類もある。


 ……だが全ての文字が暗転していて、小さく『素材がありません』の文字が表示されていた。

 素材ねぇ……。


 とりあえず近くに生えていた葉っぱをちぎってみると、『ピコン』と音がして、『デビルプラント』をはじめとしたいくつかの魔獣が選択可能になった。名前からすると植物系の魔獣だろう。


 葉っぱ一枚でいいとは実にお手軽だけど、よく見ると植物系っぽい名前でも暗転したままの魔獣もいる。

 素材が不足なのか俺の魔力が不足なのか。説明書は妹が燃やしてしまったのでわからないが、基本的な仕組みはわかった気がする。



 ……とりあえず実験的に呼び出す魔獣は、万一に備えて弱いのがいいだろう。

 リストの一番上にある『スライム』が狙い目な気がする。


 なんとなくスライムの素材っぽい物という事で、地面の下に眠っているスルクトさんにもう一度手を合わせてから、水を求めて移動する。



 ……案の定、おけんだ水に手を入れながら魔獣生成を発動すると、スライムが生成可能になった。


「香織。ためしにスライム生成してみるから、一応警戒しておいて」


「うん。気をつけてね、お兄ちゃん……」


 妹が心配そうに見守る中、半透明の板からスライムを選択してみると、突然桶の水が強く光りだし、視界が利かなくなる……。


 そして光が消えた時、俺の前には半透明でゼリー状の塊が出現していた。

 おお! なんか凄いな。



「スライム君、俺の事わかる? 言葉は……しゃべれな ぐへっ!」


 テンション高めでコミュニケーションをとろうとした時、あろう事かスライムは俺に向かって体当たりしてきた。

 大きさはスイカくらいで固くもないので、ダメージはさほどでもないが、勢いは強くてはじき飛ばされて転んでしまう。


 これ、明らかに友好的な感じじゃないよね?


「お兄ちゃん!」


 妹の声が響くと、スライムはそれに反応したように形を変え、妹の方へとジャンプする。


「ちょ、待て待て! ストップストップ!」


 そう叫んでみても、スライムは全くいう事を聞かずに香織へ飛び掛っていく。

 アカン、これアホモンスターだ。



 ――結局スライムは香織の光属性魔法によって消滅させられ、あとに残ったのは生成に使った水が残した地面のみだけだった。


「お兄ちゃん、大丈夫!?」


「う、うん。大した事ないよ」


 駆け寄ってきた妹に手を貸してもらって立ち上がるが、えらい目にあった。


 勇者である事に反応して妹を襲うとかならまだ分からなくもないけど、思いっきり俺を襲ってきたぞ。

 これはなんなんだろう? 俺の魔王レベルが1だからなのか、それともスライムが近くにいる人を手当たり次第に襲う、知能のない魔獣なのだろうか?


 確かめる方法は、賢そうな魔獣を生成してみる事だ。


 またいきなり襲われたらたまらないので、一覧から賢くて弱そうな魔獣を探す。


 ……『フェアリー』、これかな?


 なんとなく妖精とかそんなイメージだ。

 魔法とか使ってきそうで怖いが、とりあえず知能は高そうな気がする。


 しかし、フェアリーの素材か……なんだろう、チョウチョとかトンボとか?


 だが12月も近い鉱山にチョウチョなんて飛んでいないし、一応花の可能性も考えて倉庫にある乾燥させたフランの花に触れてみたが、反応しなかった。


 う~ん…………あ!

 一つ思いついて部屋に戻り、机の引き出しから丁寧に折り畳まれた布を取り出す。

 包まれているのは緑色の髪の毛。いつか体の一部だけでも故郷の大密林に返してあげようと取っておいた、スルクトさんの髪の毛だ。


 ……しばらくそれを眺めて思いを巡らせたあと、一部を指先で摘まんでみると、フェアリーの項目が点灯した。


 スルクトさんには申し訳ないけど少し提供してもらい。フェアリーの生成を試してみる。


「香織。フェアリーっていうの生成してみるから、警戒しといてね」


「うん、任せといて!」


 妹の返事は頼もしいが、たしか魔獣を倒すと勇者のレベルが上がり、レベルが上がると精神を勇者の本能に支配されていくのだ。

 できればこれ以上上げさせたくない。



 上手くいくようにと祈りつつ、俺は魔獣生成を発動するのだった……。




大陸暦425年11月27日

現時点での大陸統一進捗度 36.2%(パークレン鉱山所有・旧マーカム王国領並びに旧イドラ帝国領の大森林地帯を領有・旧サイダル王国領の大湿地帯を領有・大陸の西半分を支配するパークレン王国に強い影響力・旧サイダル王国領東部に孤児こじ用の土地を確保)


解放されたエルフの総数 77万5140人

内訳 鉱山に13万9562人 大森林のエルフの村4592ヶ所に53万1897人 リステラ商会で保護中の沼エルフ10万3681人(一部は順次大湿地帯に移住中) 保護した孤児2万1053人


資産 所持金 211億6209万


配下

リンネ(エルフの弓士)

ライナ(B級冒険者)

レナ(エルフの織物職人)

セレス(エルフの木工職人)

リステラ(雇われ商会長)

ルクレア(エルフの薬師)

ニナ(パークレン鉱山運営長)

エイナ(パークレン王国国王)

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