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異世界無双ハーレム物語  作者: 時野ゼロ
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第七十七話

メリークリスマス!!!

約束通り、これが私が皆さんへのクリスマスプレゼントです~


(因みに、第七十六話はもすでに投稿したので。まで読んでいない方はぜひ、先に第七十六話を読んでください)


「……ッ!?」

「ん?どうかした?」


 俺が≪冥獄鬼(ネクロス・)の鎧骨(ガーディアン)≫を発動した瞬間、セツが物凄く俺の事を警戒しているみたいに睨んでいる。まるで俺の動きの一つも見逃さないかのようだ。もしかして俺、何か嫌な事を言ったか?


 自分の発言を思い返せても思い当たるモノが無かった。ここは素直に訊こうと考えた時、俺はセツの視線とある場所に集中している事に気付いた。


「ああ、これの事が気になるか?……気にするな、こういうスキルだから」


 そう。セツの視線は俺の両腕に集まっている。どうやらセツは俺の両腕が骨の鎧で纏っていて、そこから更に鎌が生えている所に目を疑っているらしい。まぁ、このスキル自体がネクトフィリスさんから貰った物で、多分相当レアな代物と思う。


 一々説明するのも面倒だから適当に誤魔化した。でも何とか納得したセツは警戒心を緩んだ。それでも彼女の両腕に握っていた二本の短刀を仕舞う素振りを見せなかった。


「では、これからはレイとセツの模擬戦を始める。双方、準備は良いか?」

「……はいっ」

「俺は何時でも良いぞ」


 お互いから少しの距離を置き、各々の得物を構えた俺とセツ。そんな俺達から少し離れた場所からイリアの声が聞こえてくる。イリアのその一言で場の雰囲気が一瞬にして剣呑な空気に変わった。因みにレヴィとイジスも今回参戦する気が全くない。


 ……と言う事は俺とセツのワンオンワン。俺はまだセツの戦う姿を見た事が無い。故に彼女がどんな戦術で攻めるか全く見当が付かない。唯一知っているのはセツが使用する武器は十中八九、両手で握っていた二本の短刀。あとは多分買ってあげた十本ぐらいの投擲用のナイフ。これだけの情報だけだと、スピード重視の白兵戦と考える。でも、油断が出来ないのも事実。


「一応これはセツの特訓の一環にもなるから、レイには出来るだけ魔法重視の戦うが望ましい。それでよろしいか?」

「……分かった」


 やはりそう簡単に行かないか。まぁ、イリア達の事だからそんな単純の模擬戦に成る筈も無い。こういった縛りは想定内だ。


「それと、レイの魔法の威力を制限する。此間みたいな大規模の環境破壊は避けたい、危うくセツを殺したら元も子もないしね」

「…………」

「では、始めっ!」

「――ッ!」

「ちょっ!?」


 俺がイリアの事に深く反省している際、いつの間にか模擬戦開始の合図が切られた。スタートの合図が切られた次の瞬間、セツが二本の短刀を構えながら凄まじいスピードで俺の方に接近した!


 やばいっと悟った俺は咄嗟に右腕を上げて、振り下ろすの一本の短剣をガードした。しかしセツの攻撃はその一振りで終わらなかった。振り下ろした短剣の一本はガードされたことを想定の内と言わんばかりに、セツは着地した瞬間に再度加速して、もう一本の短剣を俺の腰辺りで薙ぎ払えた!


 幸い、俺は初手の攻撃で≪思考加速≫と≪並列思考≫を発動させた。だからセツのこの攻撃の軌道は丸見えだ。辛うじて短剣のリーチの外へ跳んて、今度は俺が左腕の鎌を全力で振り上げた!


 俺がセツの攻撃を見える様に、俺の攻撃も彼女に見透かされてた。セツは片足を大地に踏み締め、薙ぎ払えのモーションを強制的に終わらせた。そして、その足を使って華麗にバックステップをこなした。流石は獣人族の動体視力と身体能力だ。だが……


「甘い!」


 その言葉を叫んだ瞬間、俺は風魔法を左腕の鎌に纏わせた。こうする事で俺のリーチが使った魔力分伸びる。身の危険を本能的に悟ったセツは短剣を前に出し、俺の攻撃を防いだ。しかし不安定な態勢に居するセツは風魔法で纏った鎌の勢いを完全に殺せなかった。そのせいで、深刻のダメージは無いものの、余った勢いで空中に飛ばされた。


 なるほど。獣人族の血が彼女の魔力への認識が幾分阻害されたが、本能で身の危険を感じ取ったか。確かに魔法を使え熟せたらとんでもない戦力になるな……


 本来はセツに魔力を認識できる為の特訓だ、本能的に危険を察知できるであらば……もう得意分野の白兵戦で戦う必要が無い!そうと決まれば――


「≪嵐の疾矢フレッシア・ディ・テンペスタ≫!」


――俺は十二本の嵐の矢を作り出し、宙に飛ばされたセツを目掛けて放った!さぁ、目に見えない複数の攻撃をどう防ぐ?


 一応撃たれても即死しない程度まで威力を落としたが、その矢は一本一本無防備を喰らった時は掠り傷や骨折だけじゃ済ませない程の威力を秘めている。


「なっ!?」


 しかし、セツが取った行動は流石に俺も想定外だった。まさか空中で隠し持っていら投擲用のナイフを三本を取り出して、そのまま俺の方に投擲した。だけど彼女の目的は俺を傷つくっという単純な物じゃなかった事を直ぐに悟った。


 彼女に投げられた三本の剣の内、二本が風の矢を掠った。それだけで二本の剣が無数の小さな破片に砕けた。砕かれた剣の破片は高度に圧縮された嵐の矢に吸い込まれ、矢の表面を覆った。そして彼女がその表面を蹴った!


「――ッ!」


 当然、高速で動く金属の破片を踏むこと自体はその足にダメージを負う事は必然だ。それども、嵐の矢を真っ正面から受けたダメージに比べると些細な事に過ぎない。本来は肉眼で見えない嵐の矢を金属の破片で可視化させ、それを踏み台として空中での方向転換を可能にした。本来の落下地点から移動した事で見事に飛び散る破片が掠った幾つかの掠り傷で一命を取り留めた。


 それでもセツの攻撃は緩めなかった。未だ落下中と言うのに、彼女が再度投擲用のナイフを取り出し、投擲した。今度は真っ直ぐ俺の目や首辺りを目掛けた投擲だ。先の投擲とは桁違いの速度と精密さだ。しかも、もし俺がそれらをガードしようと動いた際に一瞬視界が塞がれるように投げた。その隙を見逃すセツじゃない、彼女なら確実に高速な追撃を放つであろう。その他にも俺の退路を断つために少し遠くに投げた。こうなると、俺には特定された場所に逃げるしかない。


『仕方ない。その誘い、乗ってやるよ!』


 心の中でそう叫びつつ、俺はセツに投げた剣達を避けた。いつの間にか着地したセツは自分が思い描いた所まで移動した俺を視認した瞬間、地面を蹴って加速した!俺もセツの妨害するべく、次の魔法を放った。


「≪火の銃弾プロリエッティ・ティ・フォーコ≫」


 嵐の矢と同様、今回は火の銃弾を作り放った。次々に放たれた炎の銃弾がセツを狙った。そもそもこの魔法の威力はそう高くないから、狙う場所は決まっていた。例えば現時点では頭や胸辺りの急所、または移動を妨害する足元の地面か彼女の足を狙撃する。セツもまた、炎の銃弾を左右のステップで躱した。そして彼女が銃弾を躱すに専念しているせいで、いつの間にか元々俺が経っていた所に足を踏んだ。それを見た俺は思わず口元がニヤけた。


「ッ!?」


 何故なら、俺が投げられた剣を避ける直前、その地面に≪振動魔法≫をあらかじめ仕込めてた。まんまとその場所に足を踏み入れたセツは糸が切られた人形みたいに転んだ。セツが転んだ事を確認した俺は彼女の方まで歩いた。持っているのは良いものの、どういう風に使えるかいまいち分からない魔法だけど……まさか振動で相手のバランス感を奪うことが出来るとは。これは良い情報を手に入れた。


 俺が近付いたところを見たセツは立ち上がろうとしたが、未だ彼女のバランス感覚が完全に戻っていない。重度な車酔いか船酔いみたいな感じで、彼女の両足がガクガクで解ろくに立てなかった。


「そこまでっ!」


皆さんに良きクリスマスと新しい一年をっ!

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