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異世界無双ハーレム物語  作者: 時野ゼロ
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第五十話

「ん、ん~……もう朝か?」


 瞼を開け、欠伸をしながら体を起こした。昨夜までは鉛みたいに重かった体なのに、今となってはその重みどころか、ディメンション・ウォーカーとの戦いに負った傷や疲労も綺麗さっぱり無くなった。


「おはよう、マスター」

「ああ、レヴィもおはよ~」


 多分昨夜でケーヌ達の言葉に甘えて、先に馬車内で寝た俺は未だレヴィを握っていた。レヴィを他人が居る所で声を出すなって注意したけど……まぁ、今は誰も居ないから良っか。ん~イリアとイジスはまだ寝ているのか?あれ程の戦いの後だもの、しょうがないか。


「とは言っても、あの二人が起きるまでは外に出たくないなぁ……起こそうともしたくないし。暇だなぁ~」

「それなら、新たに会得したスキルを確認しないか?」

「そう言えば昨日は確認せずに寝たな……そうしようか」


 レヴィの提案を受け、俺は自身に≪看破の魔眼≫を使用した。……妙だ。以前は結構集中しないとロクに発動できないというのに。今はただ単に「自身のステータスを確認したい」っと思っただけで発動しちゃった。これもレヴィと契約した恩恵なのか?



名前:逆崎零

レベル:73

称号:死を超越する者、嫉妬の契約者

スキル:冥獄鬼(ネクロス・)の鎧骨(ガーディアン)嫉妬の大罪(インヴィディア)、看破の魔眼、ディメンション・アクセス、見切り[+先読み]、並列思考、縮地、豪脚、豪腕、夜目、気配感知、魔力感知、気配遮断、体術、高速再生、思考加速、超回復、武器製造、剣術、弓術、威圧

魔法:強化魔法[+圧縮強化]、風魔法、火魔法、土魔法、雷魔法、重力魔法、振動魔法



 ……あのダンジョンのモンスターはこんなに強かったのか?俺の記憶が正しければ、あのダンジョンで戦った時って、ディメンション・ウォーカーとモンスターハウスだけだよね?例え俺は何等かの形か運でディメンション・ウォーカーのスキルの幾つを手に入れたとしても、十三個のスキルの持っている筈は無い、よね?


「別に驚く事でもないよ?あそこは私を封印する為の場所。その封印を解かない為、侵入者を防ぐ為の罠やモンスターのレベルは勿論普通のより高い。マスターが強すぎて、それに気付いていないだけ」

「マジかよ――」

「おはよう、レイ君!もう起きたか?」


 俺がレヴィと話している途中に馬車の取り付けた扉替わりの布が何者かに開かれた。そのお陰で外から眩しい日差しが馬車の中を照らされた。逆光でその者の顔が見えないけど、その声と口調からさすると、多分はケーヌだろう。それにしてもこいつ、まさか俺とレヴィの会話を聞いたのか!?


「あ、ああ。今起きたばかりだ」

「そっか。うん?何でそんなに驚いてるんだ?」

「い、いや。ちょっと悪夢を見て……」

「オークマジシャンと戦ったんだ多少の悪夢は仕方ないさ。ほら、朝食は準備したよ」

「分かった。直ぐに行く」

「なるべく早くにね。折角の朝食が冷めない内に」


 それを言い残したケーヌは馬車から去った。突然に現れたケーヌのせいで心臓が飛び出そうと思ったぜ!あいつの様子からすると、レヴィの存在に気付いていないみたいだ。ケーヌが去った後は思わず安堵の息を吐いた。


「今のは危なかったな」

「何だイリア、もう起きたか?」

「そりゃ、レイの心拍数が飛び上がったから、安心に眠れないさ」

「ごめん……」

「まぁまぁ、私達もそろそろ起きる時間帯ですし。レイさんが気にせる事ではないですよ」

「…待てよ。俺の心拍数の上昇で起きたって言ったよね?まさかお前らは寝ている最中でも俺の容体を観察しているのか?」

「観察なんて人聞き悪い。これもレイを守るためだ。考えてみよう、もし私達が寝ている時に何者かレイを襲ったのなら。それに応じて、レイと一緒に凌ぐのが私の役名の一つじゃないか?」

「……」

「あの~早く出ないと、さっきの人が怪しむんじゃ……」

「そうだった!早くいかないとっ」


 レヴィの言葉でケーヌの事を思い出して、慌てて馬車から飛び降りた。勿論、イリアとイジスは実体化を解除した。


『もう!レイさんは物忘れし過ぎませんか?』

『しょうがないだろう!お前らと一緒に過ごせる時間の方が、おっさん達との朝食よりも幸せだろうが!』

『と、兎に角!怪しめない内に急ごう』


 とは言ったものの、ケーヌに食事処の場所を聞き忘れた。まっ、拠点の中心に居る馬車からはそう遠くない筈。ケーヌ達を探している最中に鼻腔をくすぐる匂いが伝わって来る。その匂いに辿って、俺はとある大岩の裏側に何等かの肉を焼いるケーヌ達を見つけた。


「おーい!こっちだよ~新人君!」

「ああ。おはようございます、アマンダさん。それに皆さんも」


 こうして、俺と調査隊の皆との朝食が始めた。好奇心で現在焼いている肉の正体を聞いたら、料理担当の隊員から驚きの答えを得た。何とこの肉はここら辺に住んでいるデザートウルフって言う名の狼らしい。どうやら昨晩、俺達が寝た後に帰還した調査隊が遺跡調査の最中にその群れに出くわしたらしい。それらを仕留めたお陰でわざわざ食料調達しなくて済む。


 それからケーヌからの話だと、他の調査隊はまだこれと言った情報は得られなかった。つまり、昨日で一番この遺跡の真理に辿り着いたのは俺達だけだった。当然俺も調査隊に昨日、ケーヌとアマンダに話した偽の真実を伝えた。何せこの遺跡は広いから、昨日一日だけでカバー出来る範囲じゃない。よって、俺達はもう暫くこの遺跡を調査する羽目になった。因みに、俺の話と聞いた調査隊は皆、その部屋から避けるようっとケーヌからの指示が下された。まぁ、実際この遺跡が大罪悪魔を封印する為のダンジョンで、それを昨日で攻略した事を知っているのは俺だけ。これ以上探しても目星い何か見つからない。でもそれを話せるわけもいかないし……どうやら、今回の遺跡調査はまだまだ続きそうだね~





 一方その頃、神教国ラスミスの教会内部にて……


 一人の神父らしき人物が何かの石像を崇めていた。その者の後ろの扉から一人の男が血相を変えて、その神父に居る場所へ駆けつけた。


「ほ、報告しますっ!」

「何故かネ?そんなに慌てて」

「はっ!先ほど受けました神託によりますと、嫉妬の大罪悪魔が解き放たれました!」

「何だと!?それは本当かネ!?」

「巫女様がそうおっしゃっています!多分間違いありません!」

「遂に来たのか……想像よりも早かったネ!大至急、巫女様と他の大司教を礼拝堂の奥に集めろ!」

「畏まりました!」


 男は神父の命令を全うするべく、部屋から去っていた。残された神父は深刻そうな顔で呟いた……


「この時が来たのかネ。魔王復活の時が」


次からは第三章がスタートします!

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