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異世界無双ハーレム物語  作者: 時野ゼロ
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第二十五話

 翌日、非実体化のイリア達と他愛もない会話を続いている最中に、何やら俺が通った村の入り口辺りが騒がしくなった。俺が泊まって貰えた部屋からそれなりの距離が離れていて、何かを騒いだ原因までは知る術は無かった。


『レイ、軍の者が来たよ』

『軍?』


 っと、思った矢先にイリアが騒ぎの原因であろう事実を口にした。そんな彼女の話を聞きながら俺は窓から声がする方を見詰めたけど、やはり肉眼では何も見えないか。


『その軍の情報は得られそうか?』

『そうね……ん?ねぇ、あれってこの村の村長じゃない?』

『ローランさん?どこに――って、え?』


 イリアに言われ、彼女が念話で指差す場所に視線を向けたら、そこには物凄い形相で走っているローランさんの姿があった。


『追った方がいいのかな?』

『レイが追いたいなら別にいいじゃない?』

『そうですね。何があっても私達が居ますから、レイさんはレイさんがやりたい事をやればいいのです』

『そうか……ありがとう』


 彼女らの承諾も貰ったことだし、俺は宿屋を後にした。騒ぎの元と思われる、村の入り口まで駆けたローランさんの背中姿を追っている。その老体とは思えない程の速さは俺でも思わず「速っ!?」っと、驚きの叫びを漏らす程の物であった。


「何故貴様がここに居る!?」


 問題の人混みの向こうからローランさんの怒鳴り声が聞こえた。『この村の人口ってこんなに高かった?』って疑問を抱きながら、俺は人混みを掻き分けてローランさんの所まで進めた。やがてローランさんと会話している人物の声が聞き取れる場所まで近づけた。


「私はこの村が心配だけです」

「この村は貴様を歓迎しておらん!とっとと消え失せろ!」

「まぁまぁ、ローランさん。ちょっと落ち着いて」

「放せ!旅人のお主には関係ない事じゃ!」


 今でも目の前の男性を殴り掛かる程激怒するローランさんの肩を掴み、何とか彼の衝動を抑えようとした。怪しさ満載な俺でも親切に接するローランさんが、これ程感情を昂ぶらせる男とは一体何の因縁が有るのだろう?流石にこの場面でその答えを得られる気がしない。なので、俺はローランさんを押さえながら問題の男を観察した。


 俺が彼を観察しているように、鋼色の全身鎧を纏った、茶髪碧眼を持つその男性もまた、静かに俺の事を見詰めている。きっとネクトフィリスと戦わなかったら間違いなくその双眸から放たれた圧力に圧倒される。だがイリア曰く、なぜか彼は俺の事を相当警戒しているらしい。なら会話による情報の引き出しは無理だな。


 となると、ここは頭痛覚悟で魔眼を使う方がいいな……


「……っ」


 魔眼から得られた情報で脳の処理が追い付かれず、情報量とかけた負担の分、頭痛が激しくなるから極力使用時間を抑える。それでも生じた僅かな痛みをポーカーフェースで何とか誤魔化すしかない。が、その代償に見合う情報を得られた。



名前:ジェラール

レベル:120

称号:リミットブレーカー、帝國の右腕、リルハート帝國第二騎士団団長

スキル:自我超越、限界突破(リミット・ブレック)、絶対忠誠、見切り[+先読み +看破の瞳]、戦鬼の怒号(ワー・クライ)、豪腕、大剣術、剣術、格闘術、調教、指揮、威圧、物理耐性

魔法:強化魔法、土魔法



『この人、人間?』

『まぁレイが驚くのも無理はない、あれはこの時代では稀に見れる強者だ。だが悔やむ必要はない。レイなら容易にその境地に到達できる』


 ねぇ、イリア?貴方は俺をどんな人だと思っているの?超人かな?それとも人間すら思ってないのか?どう考えてもレベル50の俺が120に到達するのは絶対容易ではない。それこそ神や神話に出てくる怪物とかを殲滅しない限り無理じゃないか?


『…………』


 ちょっと、そこで黙るな。お前が言いだした事だぞ!お前のことだ、俺が考えを読める筈だ!


『そんなことより、先ずは目の前の男が先決よ』

『……はぁ、分かった』


 クソォ……話題を逸らされた。彼女の言うことも一理あるから言い返せる言葉がないのは悔しい。


「もう良い。そこの君、村長を放しなさい」

「再度攻撃したら知らんぞ?」

「構わん」


 特に拒否する理由もないし、ここは素直に男、ことジェラールの言う通りにローランさんを放した。てっきり彼に向かって拳を振ると思いきや、意外と自分の衝動を抑えたようで、暴言も吐かずにただジェラールを睨んだ。まっ、攻撃したらしたで、俺に責任は無いと明言したから別にどうでもいいけどなぁ……


「兎に角……!村長の言葉に従い、我々はこの村に足を踏まない。代わりに、村の外で臨時拠点を作る。それで文句ないな」

「……チッ。好きにしろ!」


 おっと……?どうやら目の前の男、もしくは彼が仕えている帝國とやらはこの村の村長であるローランさんと何らかの契約を結んでいるようだ。彼らの会話から察するに、不可侵条約みたいなものなのかな?


「ところで……君、見ない顔だなあ。旅人か?」

「まっ、そんな感じだ」


 ここは「えっ、俺のこと?」ってボケをするつもりだが、流石にこの雰囲気でやるものじゃないな。そんなことより、今ジェラールは確かに俺のことを見たい顔と確信をもっている。つまり彼、もしくは彼らはある程度この村の住民の情報を握っている。


『イリア、監視を可能にする魔法は?』

『無いわ。少なくとも私達がここに来てからは』


 なるほど……これで魔法による遠距離の監視の可能性が減ったな。とすると、わざわざここまで人員を派遣するまでの価値はあるのか?もしそうだったらそれに触れた俺の始末もあり得るか……掌に魔力を集めて、ジェラールの出方を伺った。


「すまない。見苦しいところを見せた……」

「へ?……ああ、別に気にしていない」

「ならよかった。では我々はここから去るから、君はゆっくり休めていい。この村に危害を加えるつもりはない」

「…………」


 あまりにも予想外の発言で間抜けな声を零した挙句、思考も一瞬フリーズした。未だ状況が呑み込めなく、ただ唖然として彼が連れた軍の者が村から去る後ろ姿を見送った。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] う~ん・・・・辛口になっちゃうのですが 作者は日本人じゃないのか、それとも極端に年齢が低いのか・・と考えてしまう程日本語がおかしいです。 多少の誤字ぐらいなら、物語を思いつくまま書い…
[一言] よくわからん話だな
2019/11/17 10:20 退会済み
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