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異世界無双ハーレム物語  作者: 時野ゼロ
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第百九十四話

 レヴィを除いた皆を起こして、軽めの朝食を済ませてからイリアに目的の川まで案内させてもらった。イリアとイジスの存在をクレナイに明かしていないため、何の道標や地図などを使わずに行動するのは流石に怪しまれる。大蛇との戦いでフェルの存在を彼女に知られているので、一応「フェルの記憶を辿って」という言い訳が通じると思うが、それは最終手段として取っておこう。当の本人が眠っている為どこまで信用できるかが分からない現状で不必要な賭けは避けたい。


 ともあれ、道中に大して怪しまれることなく、他愛もない会話をしている内に目的の川辺まで辿り着いた。途中で何回か血の臭いで釣られて襲い掛かってきたハイエナみたいな四足歩行の獣の群れやゴブリンなどの小型モンスターと遭遇したけど、大して苦戦もせずに撃退できたし獣の肉もいくつか回収できた。因みに血抜きと獣の皮や肉を剥ぎ取る時に何とも言えない表情を浮かべながらこっちを見詰めるクレナイは無視した。


「いつの間にか海の近くまで来たか……」

「いかがなさいますか」


 風に乗って嗅いでくる潮の臭い……ってことは、イリアが言う川は入り江の事か。う~ん、一応水源ではあるから付着した血液を洗い落とせるけど……見晴らしが良すぎるな……


「仕方ない、水の流れを変えないぐらいの小部屋を造るか」


 そうする為には出番がほぼ無い土魔法を使う必要がある。一応戦闘外で練習に数回か使ったぐらいで、あんまり使い慣れていないし、精度の低い。如何せん土魔法は性質上、俺の戦闘スタイルに噛み合わなかった。


 まず土魔法は高い物理防御力と攻撃力が特徴の魔法だ。でもその反面、魔法の発動から慣性するまでには僅かながらのタイムラグがある。


 それに対し、俺の主な戦闘スタイルは冥獄鬼(ネクロス・)の鎧骨(ガーディアン)と風魔法を組み合わせた近・中距離の高速戦闘。そこに火魔法と雷魔法を組み合わせて火力を底上げしたり、重力魔法で戦闘の補助や敵への妨害を入れ込むことで戦術の幅を広げた。


 そして俺が思い浮かべる土魔法の使い道は三つ。その中で分かり易い使い道は足場の生成と広範囲の地形変更。でも足場なら風魔法で十分代用できるし、地形変更に至ってはそれを使い機会が無かった。唯一使える場面だと巨人戦の時なけど、流石に他の冒険者が大勢いる場所で使うと被害が尋常じゃ無い数になる。最後の三つ目は疑似レールガンの弾を生成する事で超遠距離からの狙撃を実現する。でも疑似レールガンの加速に耐えられる程の強度を持つ弾を作るのは難しいし面倒くさい。以上が、土魔法を使っていない理由だ。


『イリア、小屋の座標や構造などを頼んでいいか?』

『構わないが、レイの土魔法の精度の方が心配だ』

『う~ん。簡易的な更衣室兼服を干せる場所さえ有れば十分だから、多分問題無い』

『そう?なら先ずは――』


 そこからイリアが念話を通して見せた小屋の設計図を基に、土魔法で四角い露天の小屋。岩でできたその小屋には一切の装飾が無く、その内部には着換えの服を置く簡易な棚と洗った服を干す棒状の出っ張りとその横に身体を洗うスペースが有るだけ。因みにこの小屋の両面の壁には入り江の水が通れる穴もある。まぁ、見た目はちょっとアレなんだけど、意外と愛着が湧くな……


「クレナイ、セツ。先に使っていいぞ。俺は周囲に警戒するから」

「へ?い、いいえ!レイ殿がお先に――」

「いいや、俺にはまだやり残した事が有るから。それが終わったら入るつもりだ」

「……覗き?」

「のっ……!?」

「違う!魔法やスキル関連の物だ!」

「そう……行こう」

「え、ちょ――セツ殿!?」


 何か言いたいクレナイだが、いつの間にかレヴィを背負ったセツに引っ張られて小屋の中に消えた。


「さて、始めるか」


 念話でセツに感謝しつつ、俺も次の作業に移った。まぁ、作業と言ってもただ魔眼で自分のステータスを確認するだけだ。もしそこに新しいスキルか魔法が増えたらそれらを試す、無かったらその時点で終わり。


『久しぶりに魔眼でステータスを見るな』

『そうですね~最近レイさんは戦闘の中でしか使っていません。ひょっとして、レイさんはステータスを確認するのが楽しみにしています?』

『ああ、それなりにな。本命は新しい使えるようになったスキルや魔法をどの様に使うか、既存のモノとどんな風に組わせるかを考える方だけど』

『ふふふ、何だか魔法が関わると新たな玩具を得た子供みたいです』

『子供か……』

『ええ、とっても可愛らしいですよ』

『かっ!?……それはそれで悪くないかも』

『えっ……』


 ちょっと、イジス!そこは何とか返事してくれ。頼むから!その、まるで俺の言葉で引いたみたいなリアクションは止めて!普通にショックなんだけど!


『それはそうと……レイ、お前は本当に彼女らを覗かないのか?』

『しないって!』

『そう?レイも年頃の男性だから、こう言う物に興味が無いのは不健康だと思うよ?彼女らもそれなりに魅力的だし。もしかしてイン――』

『ストーーップ!それ以上はダメ!あと違うから!それに……興味が無いと言ったら嘘になる。でもレヴィがその状態じゃあ彼女の治療以外の事は考えられない』

『……優しいな』

『っ!……その理由はお前らも筈だ』

『『…………』』

『は~い!しんみりした話はお終い!ステータスを確認するじゃなかったのですか?』

『ああ、そうだった』


 では早速……≪看破の魔眼≫を発動させて、自分の掌を見詰めた。


名前:逆崎零

レベル:84

称号:死を超越する者、嫉妬の契約者、怠惰の契約者、英雄殺し

スキル:冥獄鬼(ネクロス・)の鎧骨(ガーディアン)嫉妬の大罪(インヴィディア)単色未来鏡モノクロマチック・ヴァナヘムル狂血反転(リベリオン・ブラッド)、看破の魔眼、ディメンション・アクセス、幽冥の扉、並列思考、縮地、豪脚、豪腕、夜目、気配感知、魔力感知、魔力操作、気配遮断、体術、超回復[+超速再生]、思考加速、武器製造、防具製造、剣術、弓術、威圧、毒耐性

魔法:強化魔法[+圧縮強化]、風魔法、火魔法、土魔法、雷魔法、重力魔法、振動魔法、死霊魔法



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