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異世界無双ハーレム物語  作者: 時野ゼロ
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第百六話

「一番手っ取り早い方法はやっぱり魔眼を多用する」


 無事にイリアとイジスの怒りを鎮めて、本題の魔眼の制御に移せる事ができた。イリア曰く……魔眼に限らず、スキルや魔法等も多く使用すればいずれかは慣れる。


「レイさんが巨人との戦いで≪ヴァナヘムル≫を使った時から頻繁に問題の走馬灯を見るようになりましたよね?それが魔眼の真髄に近付きの証拠です」

「つまり俺はこれから魔眼で自分自身とイリアにイジス、そして周りの物を見ればいいのか?」

「そうだけど、レイの場合は魔法の構造も見るほうが良い」


 イジスに続き、イリアも補足説明をしてくれた。それにしても、周りの物より魔法の構造を見るのか……俺はてっきり初代魔王の魂を見るのかっと思った。


「レイの魔法の発想……特に二つ以上の魔法とスキルの組み合わせは極めて独創的だった。それに付き加えて、魔法をもっと理解できれば発動速度は勿論、様々な組み合わせと微調整が可能になる」


 様々な組み合わせ……!中々俺の中二心をくすぐる言葉を知っているじゃないか。走馬灯や幻聴の問題を解決するとは違う意味でのモチベーションが上がった。そうと決まれば――


「≪ウナグランデ・テンペスタ≫!」


――この世界に来て、俺が初めて使う魔法……超弩級の嵐を少し離れた無人の草原に放った。


「…………」


 あ、あれ?何かスケールが違わないか?今俺が最初にこの魔法を使った時を思い浮かべているから何となく分かるんだけど……あからさまに前のよりデカくないか?


「それはレイさんが成長した証です」


 少し弾んだ声で答えるイジス。彼女の後ろにいるイリアも無言で頷いた。彼女達の言葉を聞いて、暫く自分のステータスを確認していない事に気付き、自分の掌に向けて魔眼を発動した。



名前:逆崎零

レベル:78

称号:死を超越する者、嫉妬の契約者

スキル:冥獄鬼(ネクロス・)の鎧骨(ガーディアン)嫉妬の大罪(インヴィディア)単色未来鏡モノクロマチック・ヴァナヘムル狂血反転(リベリオン・ブラッド)、看破の魔眼、ディメンション・アクセス、並列思考、縮地、豪脚、豪腕、夜目、気配感知、魔力感知、魔力操作、気配遮断、体術、超回復[+超速再生]、思考加速、武器製造、剣術、弓術、威圧、毒耐性

魔法:強化魔法[+圧縮強化]、風魔法、火魔法、土魔法、雷魔法、重力魔法、振動魔法



 ん~やはりスキルの所が幾つか増えた……≪ヴァナヘムル≫と≪狂血反転(リベリオン・ブラッド)≫は案の定入っているが、他にも変わったスキルも数個あるな……≪見切り≫高速再生が消え、代わりに≪超回復≫の所に≪超速再生≫が加わった。


 スキルって似た効果を持つモノ同士で自動的に統合するのか?そうでもなきゃ消えたスキルの説明が付かない。一応考えられるパターンとして、上位交換のスキルへ変化した可能性もまだ残っているし……


「いや、今はスキルの事より魔法に専念しよう」


 自分に言い聞かせるように、俺は小さく呟いた。


 さて、スキルの問題を一旦置いといて……先ずはイリアが言う魔法の構造から把握するか。俺は自分の掌からさっき放った大嵐へ視線を移った。そのまま数秒間、俺はひたすらに大嵐の中心部分を凝視し続けていた。


「……無数の小さい緑色が帯びた粒子?みたいな物が大嵐に沿って回転している」

「お前が言うリュウシは何なのか知らないけど、それは間違いなく魔力だ」


 イリアによると……この世界で魔力を目視できる人は液体に近い光として認識している。魔力の量によって、見える形も変わるらしい。例えば、大量の魔力だと光の噴流に見えて、少量の魔力は小指の太さ程度の流れにしか見えない。そして『目』が良い人だと光の流れではなく、光の球体という形で認識するみたい。まぁ、俺が見た粒子はまず間違いなく魔力だ。


 今こうして魔力を見ると……異世界とはいえ、基本的な物理法則や物の構造は元の世界とさほど変わらない。しかし、まさかただのエネルギーの魔力が他の物みたいに、原子で構成されているなんて……思いのしなかった。そもそもエネルギーは『物体内部に蓄えられた、仕事をする能力』として知らされており、それを構成する原子は存在しない。が、魔力にそれが確実に存在する。


「普通の人なら魔力そのものに細工することが出来ない。でもお前には新たに習得した≪魔力操作≫がある」


 なるほど、それで魔眼制御の訓練の一環として、俺を魔法の構造を理解しようとしたんだ。確かにこれを知っただけでも魔法を汎用性は高まる。確実に存在する魔力の粒子なら弄られる……そして理論上、弄った魔力で同じ魔法を発動しても何らかの変化が起こる。下手すれば魔法の性質そのものが変えるかもしれない。


「ちょっと試すか。確かイリアが言った魔法の発動条件は十分の魔力と発動したい魔法の概念や効果とのイメージ、だったよな」


 未だに回転し続ける魔力の粒子に意識を向け、平均に大嵐全体を沿って回転する粒子を所々に集めて、嵐の原形を保ちずつ中の風を細くて鋭い刃へ変化するイメージで……実験として、土魔法で適当に生成された三つの石塊を嵐へ投げた。


「おお!」


 結果だけを言うと……三つの石塊共は見事に斬られて、サッカーボールサイズの石が塵と化した。すこし刃に変えた分、嵐本体の密度が下がったきがするけど。まぁ、そこは魔力を補充すれば何とかなる。


「なぁ、イリア。魔力って属性が存在するか?」

「いいや、属性魔法はただ魔力を変換しただけよ」

「……ならこれ試す価値は十分にあるな」

「何をやるのですか?」

「まぁ見てな。成功できる保証はないけど」


 意味有り気にイジスの質問への答えを濁した。一応俺も知らない結果を先に言って、彼女(イジス)の楽しみを減らせるつもりは無い。


 そう言い終えた俺は左手に小さな火の玉を浮かばした。それを魔眼で観察した所、やはり件の粒子が見えた。しかしこれは赤色が帯びた粒子であった。


 ……なるほど、粒子の色によって魔法の属性が変わるのか。これはまた勉強になったな。さて、あの大嵐の風の粒子を火の粒子に変えってっ!


……

…………


「流石に無理か」

「一体何をしたいのですか?」

「いや~、あの嵐って風の粒子で構成されているでしょう?ならそれらを火の粒子に変えれば炎の嵐ができるじゃないかって試したら無理だった。やはり魔力の操作じゃ変質までは出来ないみたい」

「でもやる気が治まれないですよね?」

「ああ、勿論だ!」

「どうだ?魔眼制御の為の酷使に加え、レイのモチベーション上げに繋がるこの一石二鳥の訓練は?」

「最高だ!」


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