カードに願うは
十二月三十一日午後十二時間近。
全プレイヤーはまた花園に集まってきていた。そこに集まるようにとの指示は出ていないが、自然と集まったのだった。
《女王アリス》、《眠りネズミ》、《帽子屋》の姿もあった。マイキャラは年をとらないため、そのままだ。
視界の白ウサギが一枚のカードを取り出した。
「《ありす》様、《ジャック》様、優勝おめでとうございます。こちらをどうぞ」
白ウサギが差し出したカードは『ジョーカー』だった。
「ジョーカー?」
「はい。ご存知の通り、ジョーカーはどのカードにもなれる性質を持っています。これをどのように使うかはお二人の自由なのです」
「よかったな、これで真姫は助かるぞ」
「うん……」
美姫はカードを眺めた。
どう使えばいいか分からないというのではない。持っているだけで自然と使い方は分かる。
妹を助けたい。
でもそれだけではいけない気がした。
優勝できたのはあたし一人の力じゃない。みんなの協力があったから。なのに自分のためだけに使うのは間違ってないか?
「どうした?」
「いいのよ、美姫」
《アリス》が言った。
「あなたの正直な願いを言いなさい」
正直な願い。
美姫はジョーカーを握りしめた。
「さ、カウントダウンが始まるわ」
エリカが顎をしゃくった。
空は現在時刻に合わせて夜空になっており、そこに巨大な時計が浮かんでいた。
「10,9,9,8,7」
カウントダウンが始まる。
「6,5,4,3,2,1」
美姫は大きく息を吸い込んで叫んだ。
「『ワンダーランド』をだれもが楽しめる世界に!」
☆
次の瞬間、全てのものが消え失せた。
いや、《ありす》と《ジャック》、エリカ、白ウサギは残っていた。
白ウサギの頭上には巨大な時計がある。
そして《アリス》も立っていた。
それ以外は何もなく、全てが真っ白だった。
「ここは……?」
《ありす》《ジャック》《アリス》がハモった。
―――あれ?
《アリス》の声音に美姫はなにか違和感を覚えた。
なんだろう? なにかがおかしい……。
違う点と言えば、胸元だ。《女王アリス》は胸元に美姫がエリカにあげたようなリボンをしている。それがない。
しかも彼女はあたしたちを知らない人間みたいに見てる。そして手には一枚のカードを持っていた。
同じジョーカーのカード。
「母さん?」
美姫は不思議増にたずねた。すると《アリス》は目を丸くした。
「か、母さん? あなただれ?」
「えっ?!」
エリカが静かに進み出た。
「無理よ、美姫。彼女はあなたを知らないわ。そこにいる優姫はあなたたちにとっては二十年くらい前―――女王になった直後の優姫だから」
「エリカ?」
エリカは自分の首輪に手をやった。パチンと時計を外す。
すると不思議なことが怒った。
猫から人の姿に変わったのだ。
そしてそれは《女王アリス》そのものだった。
「《アリス》!?」
「母さん!?」
「私!?」
大貴、美姫、優姫の順に叫ぶ。
エリカは穏やかに微笑んでいた。
「そう。私は《アリス》。気づかなかった? エリカはアリスのアナグラムよ。優姫、あなたにとってはほんの少し先の未来の姿ってとこね。時間的にはあなたと大差ないわ」
「どういうこと?」
ここで初めて白ウサギが口を開いた。
「ここは時のはざまです。仮想空間、現実世界、電脳世界、あらゆる世界が溶け合った場所。ジョーカーのカードを十二月三十一日二十四時に起動した時のみ来れる空間なのです」
「仮想空間でもない?」
「ええ。全てが混じりあった場所。だからこそ過去の自分とも会うことができる」
「過去の……? じゃあエリカは……」
「あなたの母親の昔の姿ってとこね。優姫、あなたはこれから未来へ行くの。この美姫、あなたの――未来の娘のところへね。この子はある理由で『ワンダーランド』を楽しめなくなってしまっていた。これはあなたの願い、『ワンダーランド』をすべての人が楽しめるようにしたい、に反してる。だからこの子を助け、未来の『ワンダーランド』を救ってほしいの」
「わ、私が? この子が私の娘?! だって、斗真と私の間には……!」
子供は生まれていない。
「そうよ。和哉との間の子供だもの」
慌てる優姫にエリカ―――《アリス》は落ち着いて続けた。
「もう一人の娘、真姫も病に侵されてるわ。けど、美姫が《女王》になれば助けられる」
美姫はいきおいこんで、
「そう、それだよ! 母―――じゃなかった、《アリス》。どうやって?」
「時を超えればいいのですよ」
白ウサギがあっさり答えた。
「そんなことできるの?」
「事実できているではないですか。《アリス》がエリカとしてあなたの傍に来たことが証拠です。あなたも未来へ行けばいいのです。直す薬が開発された未来の世界へ」
「本当に?」
「ええ。なんといってもここは不思議の国ですから」
―――そうか、そういうことだったのか。
美姫と大貴はやっと腑に落ちた。
エリカの知識が過去のものだった理由。美姫の母が「久しぶり」と言ったわけ。
母もなぜ美姫が女王になれば真姫が助かると確信を持っていたのか。
すべて優姫にとっては過去経験したことだったからだ。
《アリス》は外した時計を優姫に渡した。
「これを持って行って。斗真が昔、仮想空間を作る研究をしてた時にできた副産物よ。周囲の人間の脳波に干渉し、着けている者の姿をまったく別物に見せられる。チェシャ猫のふりするといいわ」
「斗真の……?」
《アリス》はくるりと美姫を振り返り、
「美姫、手紙のカードは持ってるわよね?」
唐突に言われたので、美姫はうろたえた。
「え? あ、ああ、持ってるけど」
《エンプレス》が破り捨てた後、拾っておいた。《アリス》はカードを受け取ると、虚空へ投げた。
それはふっと消えてしまった。
「ちょっと?!」
「いいのよ。これであれは過去の私のもとへ届く。斗真が死に、ぬけがらになった私のところへね。―――私が女王杯に出tなおは、女王になれば願いの叶うカードが手に入ると斗真に聞いていたからよ。女王杯は斗真が独断で始めたステージ。私達は知らないことばかりだった。詳しくきく前に斗真は死んでしまい、そのカードがどんなものかは分からなくなった。……女王になって手に入れれば、もしかしたら斗真を生き返らせることができるかもしれない。そう思った」
「……死んだ人を生き返らせるなんて、いくらなんでも無理でしょう?」
美姫の問いに《アリス》はうなずいた。
「そう。不可能よ。あの手紙は密かに残していた、彼の遺言だった。手紙の中で斗真は『死者を生き返らせることはできない、自分を復活させようとしても、しょせんはホログラムの幻だ』と言っていた」
プログラミングすれば、仮想空間の中に時定斗真を出現させることはできる。しかしそれは本物ではない。
「他にも色々書いてあったけど―――斗真はさよならと言っていた。あの手紙のおかげで私はやっと別れを告げることができ、前に進めるようになった。だから私が女王になった時望んだのは、斗真を生き返らせることじゃなかった」
《アリス》はちら、と優姫を見た。優姫はジョーカーのカードを握りしめた。
大貴が挙手して、
「ちょっと待って。斗真さんが残したってことは、手紙のカードは前からあったんだろ? どうしてあなたのところに直接出てこなかったんだ? はるか未来の美姫を経由する必要はない」
一時須王メシアに奪われており、廃棄される危険もあったのだ。
「そうね……きっと斗真には分かってたんじゃないかしら。全部。カードが破損してたから、あれは一度しか起動できなかった。もう二度と見ることはできなかったのよ。消えてしまったもの。でもだからこそよかったの。私は完全に斗真とさよならできた。そして和哉と再婚し、あなたたちに会えたんだから」
《アリス》は自分の娘を抱きしめた。
「ありがとう、美姫。あなたに会えてよかった」
「……母さん……」
「大貴君もありがとう。あなたたちのおかげで、私も―――『ワンダーランド』も救われた」
《アリス》はそっと離れると、過去の自分の背を押した。
「さ、行って。後のことは未来の私が教えてくれるわ」
優姫の姿はフッと消えた。
「―――さて、私も元の時間へ帰らなきゃ。《眠りネズミ》も《帽子屋》も待ってるからね」
《アリス》は自分のジョーカーのカードを出し、最後に手を振った。
「じゃあ、またね! 遠くない未来に会おうね!」
「母さん!」
「《アリス》!」
《アリス》も消えてしまった。
場には美姫と大貴、白ウサギだけが残った。
「では、お二人とも行ってらっしゃいませ」
白ウサギがお辞儀した。
「カードに願えば、未来へ飛んでいけますよ」
「未来……」
「どうされました?」
「未来で真姫の薬が手に入るなら、斗真さんの薬も手に入れられないの?」
白ウサギはおや、といったふうに首をかしげた。
「そうすると彼は生きられるわけですから、あなたは生まれないことになりますよ」
「それでもだよ。母さんがそこまで愛した人を助けられるなら」
「いや、無理だろ。お前が薬を手に入れてきて斗真さんが生きられると、お前は生まれなくなる。するとだれが薬を持ってくるんだ? タイムパラドクスってやつだよ」
大貴が冷静に分析した。
白ウサギも首を振った。
「タイムパラドクスもありますし、そうでなくとも彼を生き永らえさせることはできないのですよ。時定斗真がジョーカーのカードを作り出したのは、死ぬずっと前のことでした。実際に自分が使って未来へ飛び、治療薬を探したのですがどんな未来に行っても治療法はなかったのです」
「そんな……」
美姫は絶句した。
「科学が発達すれば治る病気もありますが、人間の力では治せない病気もあります。残念ながら彼が生きられる未来はありませんでした。でも代わりに見えた未来もありました。再婚し、子供を産み、幸せになって老いて死ぬ優姫の未来を」
白ウサギは微笑んだ。
「それを見て、満足したのです。たとえ自分は死んでも、愛した人が幸せになり、人生を全うできるならそれでいいと。……そのために彼は残された時間の全てをあてました。手紙のカードを密かに残し、女王杯を作った。最愛の人と大事な親友たちのために、全てを残したのです」
「そっか……」
「彼はそれで幸せだったのです。手紙の最後でも言っていました。『ありがとう。僕は幸せだった。大切な君たちに会えたから』と」
死をウサギは手を振った。
「さあ、行きなさい」
美姫と大貴はその空間からはじき出された。
☆
落ちていく。
ゆっくりゆっくりと。
まるで『不思議の国のアリス』が飛び込んだ穴のように。
二人は底に降り立った。
「ここは……」
本社ビルの屋上に似ていた。
「三十年後の未来へようこそ、お姉ちゃん」
声の方を見れば、ひとりの女性が立っている。真姫のおもかげがあった。
「……まさか真姫?!」
「そ。若い頃のお姉ちゃん見るのは久しぶりだわー。ま、仮想空間内じゃ今もその姿だけど」
どうやら本当に時間を超えたらしい。
「三十年後……って、あんた四十代?」
美姫は天を仰いだ。
「うわー、おばさんになってる」
「あのね。言っとくけどお姉ちゃんのほうが年上だからね。あたしよりおばさんよ」
「分かってるよ。冗談だって。ところで、元気でそんな年になってるってことは―――病気は治ったの?」
「うん。この薬のおかげでね」
真姫は美姫に薬袋を渡した。
「持ってってちょうだい。朝昼夜一日三回、食後に一錠ずつ飲めばいいだけだから。一か月たてば感知するよ。その薬で私は助かって、将来研究者になる。自分がかかってた病気の研究をするんだ。そして、過去の自分を治すために、今お姉ちゃんに渡してる―――ってわけ」
「奇妙な話だな」
大貴が端的にコメントした。
「……ああ、そういうことだったのね」
「あ、ついでにもう一つ教えておいたげる。今のお姉ちゃんは大貴と結婚して子どももいるよ」
美姫と大貴は文字通り固まった。
「あ。凍った。おーい、二人とも、解凍してくださーい」
「ちょちょちょい待ち! 今最後になんつった?!」
「よ」
「違う」
「る」
「そうじゃなくて! 文章一つリピートしろっつってんの!」
真姫はケラケラ笑った。
「分かってて言ってるんだって。いやー、ほんとはこれ、お姉ちゃん自身に教えてやってくれって言われたんだわ」
「本人が来て言えばいいんじゃね?」
「本人が本人に言うとビミョーな雰囲気になるからだってさ。なんでも昔、お母さんが過去の自分に言ってそうだったからって」
ああ、あのことか。
「それにお姉ちゃん鈍いから、第三者がズバッと言ってやらないと」
「鈍いってどういう意味よ」
「昔っから大貴がお姉ちゃん好きだったのに、全然気づいてなかったじゃない」
大貴はいたたまれず叫んだ。
「真姫! お前バラすなよ!」
美姫はなんだか申し訳ない気分になった。
「……えーと……妹がごめん。私もごめん? その……そうなの、大貴?」
大貴は頭をかきむしって、ヤケクソ気味に言った。
「あー、そうだよ! 俺は美姫が好きだ。悪いか?!」
「いや、悪くないけど……」
真姫は姉の肩に手を置いた。
「お姉ちゃん、ちゃんと答えてあげないとかわいそうだよ。ていうかさ、好きでないとあんなに一緒にいないでしょ? 偽造カードプレイヤーに狙われた時も必死で守ってたじゃない」
「う……」
美姫はつまった。
ちょっと考えれば分かったはずだった。
「や、だって、あたしの勘違いだったら恥ずかしいじゃ……」
だから無意識に考えないようにしてたのに。
「はーい、勘違いじゃなくて現実でーす。私含め周りがどんだけ生暖かい目で見てたと思ってんの」
「真姫、やめろ、死にたくなる……」
なんか大貴に大ダメージいってる。
「あ、ごめん。意気地なしでなかなかお姉ちゃんに告白できなかった大貴をあてこすってるわけじゃないよ?」
「あてこすってるだろ、お前。傷口に塩ぬりたくってんじゃないか」
「さっさとくっついちゃえばいいのにってずっと思ってたから。周りもとっくに公認だったのに。父さんなんか挨拶はいつ来るのかとか、母さんとおばさんは結婚式はどんなふうになるのかしらとか言ってた」
「だからやめろ……」
大貴が胃を押さえてる。美姫の顔も真っ赤だ。
「てわけでお姉ちゃん、はい、回答は?」
「えっ? 今すぐじゃないと駄目?」
「当たり前。この期に及んで生殺しとか、さすがに気の毒。そうでなきゃ薬返してもらうよ」
美姫は慌てた。
「ちょ、それは困る! 分かった、ちゃんと言うから!」
冷静に考えれば、美姫が薬を持ち帰らなければ真姫は助からないので、渡さないはずはないのだ。そこに気づかないあたり、美姫も大貴も相当混乱していたのだろう。
美姫は赤面しながらも大貴のほうを向いて、
「えーっと……まず思ったのは、今回の件でやっぱり大貴は頼りになるなぁって。あたしが結構独断で動いても合わせてついてきてくれるし、危ない時は必ず助けてくれるし」
「つまり?」
真姫がせかす。
「だから、つまり、あたしも大貴が好きだって言ってんの!」
パチパチパチ~と真姫は拍手した。
「一件落着~。あー、やっと言った」
「真姫! あんた、おもしろがってない!?」
「別に? これは私的には恩返しのつもりだよ」
大貴は完全に停止していた。美姫と真姫二人で目の前で手を振る。
「起きてる……?」
「おーい、お義兄ちゃん。起きてますかー」
「ちょ、義兄とか言うんじゃないわよ!」
「だってそうじゃん」
大貴が現状を把握するまでしばらくかかったらしい。
やっと脳が理解に追いついてきて、やおら美姫を抱き上げた。
「ぎゃああああああ!」
美姫が女子らしからぬ絶叫をあげる。
「お姉ちゃん、仮にも女子ならそういう悲鳴はないんじゃない? せめてキャーにしなよ」
「だっ、だから、なにすんのよ!」
下ろせえええ!
大貴は満面の笑みだ。
「美姫、好きだよ」
「う……」
真剣に言われれば、美姫は怒れない。
「で、でも下ろしてよ。人が見てるし」
「見てるったって、妹だろ」
「だから恥ずかしいんでしょうが!」
「はーい、ごちそうさまー。よーし、写メとっとこう」
「撮るなあああああ!」
「お二人とも、式はいつですかー」
「あたしら今何歳だと思ってんの?!」
「あ、そうか。じゃ、結婚できる年齢になったらさっさと籍入れれば? 母さんみたく」
「そうするか」
こらああああ?!
「真面目な話、大貴、そうすればお姉ちゃん逃げらんないから」
「なるほど。さすが妹、姉の性格よく分かってるな」
「そうそう。恥ずかしさのあまり逃げまくると思うから、逃げ道全部塞いどかないと」
「なにろくでもない入れ知恵してんのよ! それでも妹かっ!」
「妹だからこそ、姉が幸せになるの手伝ってあげようと思ってんじゃん」
そういえばこの子は見かけによらず腹黒いんだったよ!
真姫はふいに真面目な顔つきになった。
「お姉ちゃんが女王になった時、願ったのは全ての人が『ワンダーランド』を楽しめるように。これは私も助け、みんなのことも考えた、二つを同時に叶えられるものだった。感謝してるんだよ。だから私も二人には幸せになってもらいたい」
「真姫……」
真姫はにっこり笑って、一歩下がった。
「じゃ、後はよろしくね。過去の私に一つだけ伝言お願い。2044年の自分の誕生日十時ごろ、『ワンダーランド』本社ビル屋上に薬を持って行くようにって。それが今だから」
「……分かった。必ず伝えておく」
美姫はジョーカーのカードを出し、元の時代に戻るよう願った。
「じゃあね!」
手を振る真姫の姿はすぐ見えなくなった。
☆
「ゼロ―――!」
夜空に派手な花火が打ち上げられた。
その音で美姫と大貴は我に返った。
慌てて辺りを見回すと、仮想空間に戻ってきていた。
「2018年、おめでとうございます」
白ウサギが言った。
あれは、夢?
美姫は両手を見た。
左手にはジョーカーのカード。右手には薬を持っている。
なくなっていたのはエリカの姿と手紙のカードだった。
「……夢じゃなかったみたいだね」
「だな」
《女王アリス》が二人の肩をたたいた。
「さ、二人とも。優勝記念のショーだけど、どうする?」
《ありす》と《ジャック》はお互いの顔を見た。
無言で会話し、うなずく。
「あたしたちの優勝は自分たちの力だけじゃない」
「みんなが協力して偽造カードプレイヤーに立ち向かってくれたから、『ワンダーランド』に平和が戻った。だから、俺たちだけがショーをやるのはおかしいよな」
《ありす》はくるりと白ウサギを振り返った。
「曲をかけられる? 曲はもちろん主題歌」
「ここでですか?」
「そう、ここで。みんな一緒に歌おうぜ」
白ウサギは納得して音楽をかけた。
「さあ、みんな行くよ!」
《ありす》と《ジャック》は歌い出した。
《アリス》も《眠りネズミ》も《帽子屋》も続く。そして全プレイヤーが唱和した。
ワンダーランド そこは不思議の国
みんなが楽しめるところ 幸せになれる場所
カードを使ってショーをしよう
コーデも歌もステージもアイテムだってだれでも作れる
あなたもどなたも参加できる 投稿して目指せカード化
だれもが等しくチャンス
だって
ここはワンダーランド
だれもが楽しめる場所
みんなで作ろう 不思議の国を
たとえ夢覚めても 笑ってられる
そんな自分になれたらいい
歩いていこう 幸せな未来へ