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ワンダーランド
身内に障害者がいます。障害が原因で精神を病んでしまいました。年だし、ゲームには興味がないようですが、もし当時障害者でも楽しめるゲームが存在したら気晴らしになったかな…と思ったのがこの話を考えた理由です。
ピ――――――ッ……。
心電図の波形が直線になり、心停止したことを示した。
ベッドには一人の青年が安らかに眠っている。
まだ二十そこそこの若い男性。いくつものコードがつながれた姿が痛々しい。
辛い闘病、延命治療だったが、彼の死に顔は不思議と穏やかなものだった。
彼の手を握っていた女性が一人。
同じくらいの年頃。最期まで彼の手を握り続けていた。
涙がぽたっと落ちる。
「―――約束するわ」
彼女は涙をふいた。
「必ず守ってみせる。あなたの作った『ワンダーランド』を」