自分補強計画
自分計画シリーズ第3弾です
俺は自分が弱かった。
自分が無いとは言わないが酷く脆く醜い自分だった。
自分が弱かったから俺も弱くなっていた。
まぁ当たり前と言えば当たり前だよな。
俺は俗に言う豆腐メンタルだった。
ちょっとした事で傷つき悩み苦しんだ。
でも耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐えて耐え抜いた。
けどそれにも限界が近づいてきた。
いつか耐える事ができなくなってしまった自分が壊れてしまうか
怖かった。
それは自殺を考えるくらい怖かった。
でも俺には自殺する勇気すらなかった。
その辺りから俺はもう1人の俺を作りだした。
その俺は俺とは正反対の存在だった。
しっかりとした強く真っ直ぐな自分をもっていた。
俺はもう1人の俺をニセモノと呼ぶことにした。
ニセモノと呼ぶことでホンモノである俺とハッキリとした区切りを付けたかった。
でもニセモノはホンモノよりも価値のあるニセモノだった。
俺は怖くなった。
もしホンモノの俺をニセモノのアイツが乗っ取ろうとしたら自分の弱い俺は抵抗も出来ず乗っ取られるだろう。
だから俺はある計画をたてた。
その計画を自分補強計画と名付けた。
自分を強くして対抗しようという意味だ。
でもニセモノは俺に言う。
“無駄だよ、そんなこと”
そう言われて余計に自分を強くしようと思った。
まず俺は自信をつけようと思った。
俺はまず実績を残そうとした。
中学生である俺が1番実績を残しやすいのは部活だ。
バレー部だった俺はひたすら練習した。
1年生から他の部員と違いいつも本気で練習してきた俺は1年の後半にはレギュラー入りをはたした。
レギュラーに入れた俺は少し自分が強くなったと思った。
レギュラーと言うことは部に必要とされていると言うこと。
俺に存在意義があるということ。
それは俺にとって素晴らしい事だった。
初めての大会の日。
俺はミスを連発した。
チームに迷惑をかけ、そしてベンチにさげられた。
俺はかなりのダメージを負った。
少し自分を強く出来たとうかれていたから尚更ダメージは大きかった。
ニセモノは俺に甘く囁く。
“変わってあげてもいいよ。”
この言葉は俺には恐怖の塊でしかなかった。
このニセモノはタチが悪い。
あえて俺に選択肢を与えて俺の反応をみてたのしんでいる。
ゲスな野郎だ。
俺は今度は肩書きを得ようとした。
生徒会だ。
これは足掻きみたいなものだ。
結果は見えていてもその結果が嫌だからと足掻く。
そんな感じだ。
俺はそんな無駄な事をして更に自分を削らして言った。
そして俺はニセモノに頼んだ。
変わってくれ、と。
ニセモノは
“失望したよ。...いいよ。変わってあげるよ。これからは僕がホンモノだ。”
そう言い終えると俺の視界が一瞬で変わった。
何もない真っ白な空間に。
あるのは最新機種のテレビとマイクだけ。
どうやらテレビはニセモノ...……いや今はホンモノか。
ホンモノの見たことや聞いたことを共有出来るみたいだ。
そしてマイクはホンモノに話しかけれるみたいだ。
ハハハ、これでもう耐える必要は無いのか。
何なんだろうね。
自分で望んだ結果なのにこの-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------虚しさは。