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蛇のひげ短編集

しだれ柳(300文字小説)

作者: 蛇のひげ

遠い遠い昔。

人の子が、この地に移り住むよりも、ずっと昔。


そんな頃から、そのしだれ柳はこの地にそびえ立っておりました。


後にこの地に移り住み、町を建てた人々は、その姿を見て言ったそうです。 


「彼女はこの町のお母さんだ」


悩み苦しんでいる時は、まるで友のようにそれに寄り添い、人の子が、胸を躍らせながら彼女の元を訪ねた時は、風に吹かれながら共に踊る。


それが、この町のお母さんでした。


きっと彼女からすれば、この地に生きる全ての生き物は、我が子同然で可愛かったのでしょう。





けれど、今ではもうそんな〝お母さん〟の姿を見ることはできません。


今はただ、過ぎ去っていった年月の重みを感じさせる大きな切り株が、残るのみです。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 詩的で心地よい文章でした。 一本の柳を「母」として擬人化し、大切にできるのが人間のすばらしい心だと改めて思いました。 そして、「母」として慕ったものですら、切り倒せてしまうのが、人間の悲…
2017/01/09 16:47 退会済み
管理
[良い点] 童話、おとぎ話を思わせるような優しい語り口調。 柳の“母”というイメージと、よく合っていたと思います! [気になる点] これはもしや・・・200文字におさめようとしておさめきれなかったパタ…
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