ショートコント 高額バイト ④〜不動産編〜
【ショートコント】高額バイト④〜不動産編〜
登場人物:
A: 面接官
B: バイト志望者(山本)
場面:
面接室。対面で座っている二人。
(山本、面接官の前に座っている)
B: えーっと、山本です。なんか変わった募集だったので気になって。
A: はい、山本さん。早速ですが、不動産に興味はありますか?
B: いや…全然。アパートに住んでるぐらいで…。
A: あー、アパート暮らし。それなら話が早いです。分かりやすく言うと、このプロジェクトは**『夢のアパートオーナー』**をみんなで目指すんです。
B: 夢のアパートオーナー…ですか?
A: そう!あなたは、その夢をみんなに広める**『ドリーム・シェアラー』**になるのです。。一つだけ持っててもダメ。たくさん持ってなきゃ収入が安定しないよね。だから、たくさんのアパートをみんなで持ってみんなで大家さんになりましょう。
B: はあ…。
A: そのために必要なのが、みんなからの「夢の共有代」。そう、投資してってことを周知するの。そうすれば、毎月、お金を分配しますよ、って。なんと、年利10%! 10年で元取れちゃうのよ!
B: …すごいですね。
A: で、ミソはここよ。Aさんから100万もらうでしょ?そのうちの10万をAさんに毎月渡せばいいの。そうすると、Aさんは「毎月10万も入ってくる!すごい!」って思う。でも、それだけだとすぐ終わっちゃうから、また募集。今度はBさんからもらって、10万渡して…というのを続けるのよ。
B: …あの、そのたくさんのアパートは、どこにあるんですか?
A: え?アパートがどこかって?
B: いや、その…存在を…。
A: 存在? そんなのどうでもいいじゃない!もらったお金をどんどん分配金で回すんだから。いずれは、会社にお金が貯まったら建てるだわね。
B: …帰りまーす!
A: ちょっと待った!帰り際に悪いんだけど、今日、君が面接に来ることを、もう一人に電話しといたから。あの人も連れてきてくれたら、君には月10万払うから!今日面接に来たってことにすれば!
B: …いえ、結構です。僕、お金出します。
A: え?
B: 100万、出します!僕が最初の投資家になります!これで僕が**一番上の『ドリーム・シェアラー』**になれますよね?
A: (ニヤリと笑う)
B: さあ、始めましょう!まずは僕のアパートの住人に電話していいですか?
A: (満足げに)ああ、君はもう立派な**『ドリーム・シェアラー』**だ。
(暗転)
ナレーション: 「彼らは、まだ見ぬ『夢のアパート』を、今日も探し求めている…」