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優しさ

作者: 甲乙ひのえ

今朝、僕の手元に一通の封筒が届いた。


在中が書かれておらず、中身が謎の封筒だ。


表には宛先、裏には差出人の氏名が書かれていた。


それは僕の知人で動物が大好きな女性の名前であった。


僕が私的に彼女と会うときはいつも動物のいる場所であったことを覚えている。


あまりに動物に対しての愛情が強いものだから、僕はなぜそんなに動物が好きなのかと彼女

に聞いたことがある。


彼女が言うには「彼らはね。人間とは比べ物にならないほど優しくて、温かいんだよ。」と

のことであった。


確かに動物は人間と比べて毛が多いから温かいのだけれども優しいとはどういうことなのだ

ろう。


彼女は動物を擬人的に見ていたのだろうか。彼女と久しく会わなくなった今でも僕にはわか

らない。


さて、そんな彼女が僕に封筒を寄越すとは何事なのだろうか。


僕は彼女と付き合っていたわけではないし、ましてや急に封筒だけ寄越すような間柄ではな

いはずなのだが。


そういえば、彼女が僕以外の男と話しているのを見たことはなかったな、そう思いながら僕

は封を開ける。


そこには1枚の写真が入っていて、女性と馬が写っている。


この女性が成長した彼女なのだろう。


動物好きが高じて調教師や厩務員にでもなったのかなと思いながら写真を見やると、その上

の方に文字が書いてあることに気がついた。



「私達、結婚しました」



なるほど、彼女が写真を僕に寄越したわけだ。


彼女が感じていた動物の優しさを僕はようやく理解した。

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