ビーチバレー
青い空、青い海。
白い砂浜には、バレーボールのコートがあった。
クー達はチーム分けをする事に。
「裏表で決めよ!」
リンが言った。
「「うらーおもて!」」
リンが表、クーが裏、カレンが裏、アンナが裏、有紗が表。
「あ!カップル崩壊だねー」
とアンナ。
「別れたみたいな言い方やめて!」
と膨れるリン、苦笑いなクー。
「あらあらー恋人同士でも勝負に手を抜いちゃダメだからねー」
と有紗。
「影山、本気でやれよ。」
と何かクールなカレン。
「審判は、おじちゃんにやってもらうからー」
と有紗が言うと、
「え!?店、良いの!?」
思わずツッコムクー。
「ツッコミできるだねー何かイメージ違うよねー」
とニタニタ笑うアンナ。
その笑顔、何かムカつく。
とクーは思う。
「おじさんってバレー分かるの?」
とリンが有紗に聞くと、
「昔からビーチバレー教えてたし、今も現役よー問題ないねー」
「「へー」」
皆が口を揃える。
「さて、チーム分け終わったなら早速やるぞ。三人の方は交代でやれな。」
おじさんがニコッとしながら言うと、各チームで別れる。
「さぁ、並んで。あいさつするぞ。」
クー達はネットを挟み、有紗、リンとカレン、クー、アンナが向かい合う。
「「お願いしまーす!」」
「サーブはじゃんけんな。」
有紗とカレンが前に出る。
「「じゃんけんぽん!」」
有紗がパー、カレンがグー。
「じゃ、こっちサーブねー」
有紗がボールを持って下がる。
「最初は、私とアンナね。さぁ、レシーブ気合い入れて!」
「はいはーい。」
カレンとアンナが腰を落とす。
「さて。リンちゃんやるよー」
「はい!」
皆、気合いが入っている。
何だかんだで、勝負には勝ちたいのが人である。
「始め!」
おじさんが言う。
有紗が高いトスをあげ、走り出す。
ジャンプサーブだ。
ドォン
低い弾道のボールは、カレンとアンナの間に突き刺さる。
「はやっ!」
「ちょっとお姉ちゃん、手加減してよー」
カレンとアンナは、ちょっと引いている。
「いかなる時も本気でやる。これがスポーツマンだよー」
有紗がニッコリ笑う。
「影山ー、交代ー。」
「はいはい。」
アンナとクーが交代して、クーがコートに入る。
「影山!リンがいるからって手抜くなよ!」
カレンがマジ顔で言う。
「わ、分かってるよ。」
クーが慌てて答える。
「サーブ、有紗な。」
「はいはーい」
有紗は返事をしながら、ボールを人差し指で回している。
バスケでやるやつだ。
何か強者の風格出てね?
とクーは感じた。
「さぁ、一点返すよ!」
カレンがマジモードになっている。
「了解。」
クーは短く返事をし、集中する。
「さて、行くよー」
有紗が高くトスを上げると同時に走りだし、ジャンピングサーブを打つ。
ドォン
低い弾道でコートに突き刺さる瞬間。
クーが左手を伸ばしてスライディングレシーブ。
クーの手にボールが当たるが、そのまま後方に飛んでいく。
「おっしー」
アンナが叫ぶ。
「ごめん。」
とクーが言うと、
「ドンマイ。ドンマイ。」
カレンがクーに言う。
「よく触ったねー」
有紗が笑顔で言う。
その時だった。
クーの背筋が凍る。
理由は、リンが見つめる目。
顔は笑顔だが、目が笑ってない。
何、他の女の子とキャッキャッしてんの?
あなたの愛する彼女は私でしょ?
と心の中で思っている。絶対。
そして、試合は続くが、クーの体は凍ったように動かず、有紗、リンペアの圧勝で幕を閉じた。
「影山、運動不足でしょ。動き悪すぎ。」
「ダメだなぁー。それじゃ、リンはやれんぞー」
とアンナとカレン。
「・・・」
お前らに何が分かるんじゃ!
あの氷の眼差しは、全ての時が止まるわ!
でも、良い!
だって、俺、リンが好きだから!
とクーは心の中で叫ぶのだった。




