日焼けしないの?
クーはパラソルやシートを設置し、クーラーボックスを置く。
「水暖かいよ!」
「本当だ!」
「ほれほれ、これでもくらえー」
「やったなぁ、このこのー」
リン達四人は海に入ると、海水をかけあいながら、キャッキャッしていた。
「リン、楽しんでるな。」
クーは苦笑いしながら、シートに座る。
あーぁ、リンとの初海なのにな
クーは少し残念そうだ。
だけど、リンが笑って楽しんでるのが大事だよな
そういえば、彼女とはいえ、こうやって他人の事を考えたの、いつぶりだろ?
中学の俺、今、考えれば壁作って、人の事気にした事無かったなぁ。
あの頃の俺、最低だったなぁ。
と思いにふける。
というか、マンガとかだと日焼け止め塗って!みたいなのあるのになぁ。
そこで女の子の体に触るちょいエロ展開あるのに。
俺もリンの体に触りたいなぁ。
日焼けしたいのかな。
日焼けさしたリン。
うん、めっちゃ可愛い。
水着の跡が白いのがまた良い。
クーは完全にエロ思春期男子になって、妄想する。
「ねぇ!ねぇ!クー!ねぇ!ボーッとしてどうしたの?何かスケベな顔してるよ?」
気づくと目の前に女神リンが降臨していた。
クーは急に声をかけられて、あたふたする。
「え?別に日焼け止め、ってそうじゃなくて、えっと、海きれいだなぁっと、」
「日焼け止め?水着に着替える時に塗ったよ?皆で塗りあいっこしたんだ。」
「あ、そ、そっか。皆の日焼けが心配で、」
クーは慌てて返すが、表情が少し暗くなる。
だよね!
やっぱ、そんなラッキーエロないよね!
現実は厳しい!
クーは心の中で叫ぶ。
「何?塗りたかった?もうエッチ。」
リンかいたずらっ子のような笑顔で言う。
「い、いや、だってさ。でも、日焼けしたリンだって、お、俺、好きだよ!」
「え!?あ、あ、そっか。」
リンとクーは、顔を真っ赤にしてうつ向く。
「おーい。バカップル。甘い!甘すぎる!見てるこっちが恥ずかしいわー」
「全くだね!」
アンナとカレンが苦笑いしながら見ていた。
「さぁ、皆、遊ぶよービーチバレーやろー」
有紗が声をかける。
皆が返事をすると、有紗がボールを持っている。
そのボールは、ビニールの柔らかいやつじゃない。
バレーボール。
がちなやつ。
「あれ?ボールって、」
「ビーチバレーなめんなぁー負けたらかき氷奢りねー」
有紗は満面の笑み。
が、目は本気だ。
「あ、お姉ちゃん、バレーガチ勢だったー」
アンナが苦笑いしていた。
こうしてガチのビーチバレーが開催することになった。




