ファッションショーみたい?
野卯インターを降りて、下道に入り、10分くらい走ると、見えてきたのは、「白浜屋」という海の家。
「ここだよー」
とアンナが言った。
車を駐車し、荷物を持って海の家に行く。
まだ、朝早いからか、お客さんはリン達の他にはいない。
海の家に行くと、日焼けした50代のおじさんとおばさんがいた。
「おじちゃん!おばちゃん!久しぶり!」
アンナがおじさんとおばさんに話しかける。
「おぉ、アンナ!大きくなったな。有紗も大人っぽくなったな。」
とおじさんが言い、
「ご苦労さん。疲れただろ?早く荷物置きな。」
とおばさんが言う。
有紗は、おじさんの目線からアンナのお姉さんだろう。
そういえば、名前聞いてなかったな。
車の中じゃ、皆、「お姉さん」って読んでたし。
「さぁ、荷物置いたら、水着に着替えて海入ろ!」
とカレンが言うと、
「賛成ー」
とアンナがテンション高めに答えた。
「あっちに更衣室あるね!皆、行くよ!」
リンもはしゃぎながら言う。
リン達とクーはそれぞれ更衣室に入った。
クーの着替えはすぐに終わる。
だって、服脱いで、水着履くだけだから。
クーは、この前買った黒いラッシュガードとハーフパンツ型の水着を着ていた。
クーは、先に更衣室を出ると、この後、登場する女性陣を待つ。
アンナとカレン、アンナのお姉さんはどんな水着かな?
皆、ビキニかな?
と、リン以外の女性陣の水着を想像してさしまう。
彼女いるのに、男はバカだ。
だが、これも男の性だろう。
リンの水着は、この前見たけど、気合い入れて見なきゃ!
じゃないと、俺は女神の降臨に耐えれない。
と、クーはリンの水着姿を想像して顔を真っ赤にしていた。
バシバシ
クーは自分の頬を両手で叩いて気合いを入れる。
「・・・さぁ、気合い入れろ。一言目は、可愛いね。だ。大丈夫。平常心。平常心。」
クーは、どこかの修行僧みたいだった。
何か背中に不動明王が見える気がする。
ガチャ
女性更衣室の扉が開く。
そして、そこはファッションショー会場に変わる。
ノリノリのBGMが流れる。
最初に出てきたのは、カレン。
青いビキニの上下に白のラッシュガード。
水着には、ハイビスカス柄のワンポイントが入る。
うっすらシックスパックでシュっとしたスタイル、まさにクールビューティ。
とても似合っている。
次にアンナ。
黄色のビキニ上下でフリル付き、白いラッシュガードを着ている。。
白いストライプが入ってる。
アンナの雰囲気もあって、小悪魔系で可愛い。
これも似合ってる。
次にアンナの姉の有紗さん。
赤いビキニに黒いバラがデザインされ、大人っぽい雰囲気。
黒いラッシュガードが相まって更に大人っぽい。
妖艶な感じで、惚れたら火傷しそう。
当然似合ってる。
そして、待ってました俺の彼女のリン。
うん。
とっても良い!
店で見たけど、今日は髪も後ろでお団子にしていて、雰囲気が全然違う。
胸はフリルで隠れているため、色っぽさを抑え、ショートパンツ型の水着も程よく足を隠していて、さっきのセクシーさは無いが、色合いといい、とても良い。
店では、リンの魅力が少し抑えられたと思うけど、やっぱ破壊力抜群。
これ、漫画みたいに鼻血出るんじゃね?
この世に女神がいるなら、リンの事だろう。
クーが何も言わず、唖然としていると、
「ちょっと、彼氏くん?言うことないの?」
と有紗。
クーは、我に返って、慌てて
「ご馳走さま、、、皆、似合ってます。」
「ご馳走さまって言っちゃってじゃん!」
カレンが突っ込む。
「・・・エッチ。」
リンが赤い顔で呟くと、クーに何か刺さる。
俺、失敗したー!
「何か影山のイメージ違うーけっこうしゃべるし、ちょっとバカ、嫌、大分バカー?」
「確かに。クラスじゃ話さないから陰キャなイメージだけど、体育祭の時とか、休みの日の雰囲気違うよね。」
とアンナとカレン。
「クーはね。優しいんだよ。普段は、周りに興味無さそうだけど、自分が決めた事は一所懸命やるし。かといって、自分の事考えも押し付けて来ない。だけど、親しい人の事は応援したい。だけど、寡黙。何か難しい性格だね!」
とリン。
「そんな事無い。普通だし。」
クーは何だか恥ずかしそうだ。
「さて、遊ぶよ!」
と有紗がニッコリしながら言うと、
「「おーーー!」」
とアンナ、カレン、リンが叫ぶ。
「お、おぅ」
クーも。
クーはパラソルとシート、クーラーボックスを持ち、リン達は手ぶらで砂浜へ向かう。
今日は、本当に良い天気だ。




