すれ違い?
図書館を出たクー。
「如月のやつ、騒ぎやがって。図書館追い出されちゃったよ。はぁー。全く困ったやつだな。さて、やる事ないし、公園でも行くか。」
クーは、桜花公園に歩いて移動する。
桜花公園に着くと、クーはベンチに座ってぼーっとしていた。
「こんにちわ。この前はありがとう。」
クーがあいさつしてきた人の方を見上げると、金髪ロングヘアーの女性が 犬を連れて立っていた。
いつぞやの飼い主だ。
「・・・こんにちわ。」
「ここに1人って事は、この前の可愛い彼女と待ち合わせ?」
「ち、ち、違いますよ。しかも、彼女じゃないし。」
クーは顔を赤くしながら答える。
「そっか。でも、好きなんでしょ?」
「え?い、いや。」
「顔に出過ぎ。見れば分かるよ。」
「・・・」
「フフフ、青春だね!若いって良いね。」
「い、いや。でも、あなたも若いじゃないですか。」
「まぁ、そうだね。おばあちゃんでは無いね。」
「・・・」
「大切に思ってるんでしょ?でもね。悩むなら行動しなきゃ。大切にしてるからって、何もしないの違うかな。好き好きアピールしないと。気付かない事もあるから。二人きりで何か話す事から始めたら?」
「そういうもんですか。」
「そういうもんだよ。別にドカドカ行けって言ってる訳じゃないからさ。」
「・・・考えてみます。」
クーは思う。
リンの事は好きだ。
だけど、陰キャな俺がリンに好きなんて言えない。
釣り合う訳ないから。
と。
女性が連れている犬がクーに寄ってくる。
クーは、無意識に頭を撫でる。
「犬好きなんだね。あ!女の子も雰囲気、犬っぽい!犬好きに悪い人はいないよね!」
女性が
笑顔で言う。
リンが犬だったらと考える。
家に帰ってくると、玄関でしっぽをブンブン振りながら、笑顔で「お帰り!」と言うリン。
あー、マジ女神。
クーが想像すると、女性は
「変な事考えたでしょ?顔にでてるよ。君、面白いね?、君は犬ってより、猫かな?」
「え、そうですかね。あと、変な事、考えてません。」
「はいはい。君、名前は?私は柴崎すみれっていうんだ。桜花大学の大学2年生だよ。
「影山蔵人です。」
「倉ちゃんね。また話しましょ?君、面白いから飽きないし。」
「犬触らせてくれるなら、俺も嬉しいです。」
「じゃ、また。」
女性はベンチを離れて行った。
「リンにアピールか。・・・難しいな。」
クーが呟いた。
少し離れていたところの木の影からクーの姿を見つめる女の子が一人。
リンだった。
「皆と別れて、クーを探して見つけたのは良いけど。あれ、この前の犬の飼い主さんだ。何か良い雰囲気だったなぁ。クーは大人な女性が好きなのかな?でも、何か嫌だなぁ。」
リンは1人モヤモヤする。
リンは、クーに話かけず、公園を出ていった。




