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何なんだ

「クー!練習行こ!」


リンが言った言葉にクーはため息をつきそうになるのを我慢する。


あぁ、また、聞こえるように悪口言われるんだろうな。


あいつらは、俺を見下してくるあの態度が嫌なんだよな。


別に普通に練習してるから良いじゃん。


クラスでも静かにしてるし、リンとも必要以上に仲良くして・・・るな。


仲良くしてるわ。


焼きもちなんかな。


まぁ、体育祭が終わるまで我慢だな。


友達拒否の俺にも普通に接してくれるリンに迷惑をかけるわけにはいかないよな。


クーは中学時代に友達不振になった時から自分に向けられる悪意に敏感だ。


クー自身にも原因はあっただろう。


が、励ましてきた友達も、関係が悪くなれば、陰口を吐き、自分を見下してきた経験からクーは人を信じられなくなった。


だが、リンは違った。


近くにいても、悪意を感じない。


居心地が良いのだ。


だから、リンに迷惑をかけたくない。


「・・・そうだね。」


クーはリンに言う。


「皆と話せば、きっと仲良くなれるよ!私が間を取り持つから皆と話して友達になろ?チームメンバーと仲良くしよ!」


リンが何気に言った言葉がクーに突き刺さる。


え?どういう事だ?


俺は、目の前で悪口を言うあいつらと友達にならなきゃいけないのか?


リンが間を取り持つって何?


頼んでないし、やめて欲しい。


リンは善意何だろうが、迷惑だ。


あんな奴らと仲良くなろうなんて嫌だ。


リンは、俺があいつらと友達になりたいと思ってるのか?


ちゃんと、断らないと。


何て言おう。


「・・・」


自分の気持ちがリンに伝わらない。


思わず、表情が硬くなるのを感じた。


「大丈夫だよ?皆、良い子だから友達になれるよ?友達は多い方が良いもんね?」


何が大丈夫なんだよ!


あいつらが良い子?


ふざけんな!


自分達が明るくコミュニケーションをとれるからって、俺みたいな奴を見下す奴らだぞ!


陽キャなら良いのか?


んな訳無いだろ!


友達が多い方が良い?


その友達に裏切られた俺はどうなる!


結局、リンもあっち側なんだ。


もう良い。


「・・・いよ。」


「ごめん。今、何て?」


クーの感情が爆発する。


「もう良いよ。構わないで。話しかけても来なくて良いから」


もうリンとの関係も終わりだ。


何かを期待した俺が馬鹿だったんだ。


クーは教室を出ていく。


感情が爆発していたからか、戸を閉める力が強く、大きな音が響く。


学校を出て、公園を1人歩く。


何なんだ!


別に友達がいないからいけないのか?


そんなに友達多いやつが偉いのか?


リンまで俺を裏切って!


何なんだ!


何なんだよ!


クーの怒りは止まない。


だが、リンの表情を思い出す。


不安でいっぱいの顔。


どこかで似た表情を見たことがある。


想い出すのは、中学時代。


励ましてくれていた友達と関係が疎遠になった事で陰口を言われて、それを聞いてしまった時の鏡に写った自分の顔だ。


人間不振に陥った時のあの顔だ。


クーは足を止める。


そうだ。


リンはあいつらの肩を持ってる訳じゃない。


あいつらの割るから俺を守ってくれただろ!


こんな俺と優しく接してくれてるだろ!


何で気付かなかった!


リンは俺のために・・・


「何なんだ!俺!」


クーの目から涙が溢れる。


この涙は、リンを傷つけた悔し涙か、それとも不甲斐ない自分に対する哀れみなのか。


クーの心はぐちゃぐちゃになっていく。


言った言葉は戻せない。


「リン。ごめん。・・・」


クーはそう呟くと、帰路についたのだった。


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