チームメンバーと仲良くしよ!
リンは、リレーメンバーで浮いているクーの事について考えていた。
「やっぱり、チームでまとまるためにもクーが積極的に皆に歩み寄った方が良いよね。私が間に入ればきっと仲良くできるよ。クーだって、友達できたら嬉しいよね。」
リンは、リレーメンバーとクーの仲を取り持つために行動を起こす事にする。
次の日の放課後。
クラスの応援合戦の台本を実行委員のリンとクーは作り終えた。
「あとは役ふりやって、練習すればOKだね!」
「そうだね。役ふりはリンにお願いするね。俺が話しても多分うまくいかないから。」
「・・・分かった。時間ないしね。」
リンは、クーがクラスで浮いてる事を自覚している事が分かる。
クーは友達いなくて寂しく無いのかな?
やっぱり友達作りたいよね!
リンはクーの様子から、そう思った。
「クー!練習行こ!」
「・・・そうだね。」
クーの声は暗い。
きっと皆と話したくないのだろう。
そこで、リンは
「皆と話せば、きっと仲良くなれるよ!私が間を取り持つから皆と話して友達になろ?チームメンバーと仲良くしよ!」
とクーに言った。
リンはクーが「そうだね。話してみるよ。」なんて言うと思った。
が、クーの表情は目付きがつり上がり、複雑な表情をしていた。
「・・・」
クーは何か言おうとしたが、言葉が出ない。
リンは、クーの表情を見てあせる。
「大丈夫だよ?皆、良い子だから友達になれるよ?友達は多い方が良いもんね?」
「・・・いよ。」
クーは小さい声で何か言ったがリンは聞こえなかった。
「ごめん。今、何て?」
クーはリンの目を見て言った。
「もう良いよ。構わないで。話しかけても来なくて良いから」
「え?」
リンはクーの様子に驚きを隠せない。
「ま、待って!」
クーはリンに呼ばれたが振り返る事無く、カバンを持つと教室から出ていき、勢い良く教室の戸を閉めて出ていった。
リンは呆然とする。
何で?何がいけなかったの?何であんなに怒ってるの?
リンの頭の中は爆発寸前だった。
が、すぐに我に返り、クーを追いかけたが、リレーの練習しているグランドにもクーは来ておらず、学校内にクーの姿はどこにも無かったのだった。




