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賢い人

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

恋愛です。R15です。

苦手な方はご注意下さい。


でもね、こういう人、皆好きだと思うんですよ。

だからタイプとは違うと思うんですよ。

『好きなタイプは?』と言う質問は恋バナでは鉄板だ。というか、そこが始まらなければ恋バナが始まらないとも言える。しかし私にとって物凄く答え難い質問であった。

好きなタイプなんかない。刹那的に関係を共にして、全てを忘れさせてくれれば何でも良い。そこに顏とか、性格とか、心底どうでも良い。あるのは刹那の熱のみ。

だから何時も、当たり障りのない適当な答えを述べて、騙し騙し話を進めている。


今日も記憶の全てを焼き焦がした後、彼と障りのない話を交わす。

「好きなタイプは?」

幾度となく刹那の関係を続けた、彼からの問であった。爛れた関係を続けていると、ただ抱き締め合って満足する様な関係に憧れるのかも知れない。だが生憎、関係を持ち過ぎたが故に、夢を見させてあげる事は出来ない。

「そんなものないよ。貴方もそうだろうけど」

我らながら冷めた返答である。だがしかし、彼はさも可笑しそうに笑っている。

「本当に? ふふふ……。本当に?」

彼は僅かに切れ長の目を開くと、やや固めの声でこう答えた。

「貴方はとても賢い人だ。後腐れのない人間を選び、夜を共にする。私を選んでくれたのも、幾度となく夜を共にしても直ぐに関係が切れると踏んだからだろう」

「それは遊び人なら誰でもそうじゃない? 貴方もそうであるように」

そう言うと、彼はまたさも可笑しそうに笑った。笑うだけ笑って、手を伸ばし、するすると私の頬を撫でる。

「貴方は賢い人が好き。学歴の話じゃないよ。盤上を俯瞰的に見て、的確な判断が下せる人が好き。そう……貴方の様な……ね」

全く同じ返答をしかけて口を噤む。それはきっと野暮だから、言わないでおこう。さっきだって夢を見させてあげられ無かったのだから。だから代わりにそのお喋りな口を塞ぐ。私らしくない、ただ押し付けるだけの、無垢な口付けを施す。

「賢い人だ……本当に」

それからも、この爛れた関係は続けられた。これが恋だと気付くまで、随分と時間がかかった。

皆様、きっと賢い人が好きだと思うんですよ。

学歴の話じゃないですよ。

状況を俯瞰的に見て、的確な判断が下せる人の事を指してます。

ある意味、気遣いが出来る。という言葉と似ている気がします。


互いが互いに荒んだ恋愛ばっかりしてます。

だから少しだけ初な恋愛もどきをしてるんです。

破廉恥って、怒って欲しいんです。互いに。


彼の唇は塞がれてしまいましたが、続きはこうですよ。

『本当は誰よりも無垢な恋愛がしたいんじゃない?』

でもなんもしねぇ口付けこそが答えです。


それを覆すことの出来ない行動で示したことが、『賢い人』という言葉に繋がったんです。

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