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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
守護武闘編
99/1085

99話 争奪戦、開始


 翌日

 

 ヒロムの屋敷へとカズキと葉王が訪れ、カズキはヒロムと改めて話がしたいとしてリビングに向かい葉王はナギトと真助には既に話している決闘についての情報をガイたちに明かしていく。

 

 葉王が来る前にヒロムたちから話を聞いていたガイたちは理解するまで時間を必要としなかった。その代わりと言うべきか……ガイたちのやる気は葉王の話を聞く直前と比べてかなり増してるように見えた。

 

「……結局全員が決闘の場に行けるけど戦いの権利を得るのはたったの2人、それをとりあえってことだろ?」

 

「争奪戦か。面白いな」

 

「運が良ければオレらも《センチネル・ガーディアン》に負けない名前もらえたりしてね」

 

「名前なんざどうでもいい。オレたちの強さを示してヒロムの《センチネル・ガーディアン》の座を狙うバカどもを黙らせるいい機会だ」

 

 ガイ、シオン、イクト、ソラはそれぞれが個々で異なる方向性のやる気を見せ、言葉にしないもののノアルもやる気になっている。

 

 当然ながら事前にヒロムと話を聞いていた真助はすでにやる気であり、全員のやる気を確認した葉王はやる気になるガイたちに決闘で戦いの場に出るための彼らが取り合うことになる決闘参加の2席の枠への選定方法を話していく。

 

「今回の決闘において重要なのは姫神ヒロムの力はその辺の能力者じャ代用なんてできないことを示して大淵麿肥子に思い知らせることとォ、《フラグメントスクール》を抜けて姫神ヒロムの弟子となッた《天獄》の新入りの風乃ナギトの実力が《フラグメントスクール》の先鋭如きでは及ばないと知らせて《フラグメントスクール》は所詮能力の扱いを学ぶ場でしかないとハッキリさせることォ。それらを行うためにも大淵が如何なる状況下で決闘のルールを確定しても対応できるようにする必要があるゥ。個人戦となるなら個人の力を主張出来るものォ、バトルロイヤル形式ならば姫神ヒロムと風乃ナギトのアシストをしつつも個人の力を発揮出来るものを選定するつもりだァ」

 

「要するにただ強いだけじゃ無意味ってことか?」

 

「その通りだ相馬ソラァ。

今回のメインはあくまで《センチネル・ガーディアン》の姫神ヒロムの存在の必要性を示すことォ。別にオマエらが目立ッてもオレは何も文句はねェが大淵がそこを気に入らずに不当だと言いがかりをつけてきた場合が面倒だからその方針にしたァ」

 

「質問、いいよね?」

 

 葉王の話に対して何か質問があるらしくイクトは手を挙げ、手を挙げたイクトに質問を許可するように葉王は頷く。葉王が頷くとイクトは彼の説明の中のある部分に対しての疑問を解決すべく彼に尋ねた。


「大将とナギトは絶対として、ここにいるメンバーからメインメンバーとして2人選ばれて残る3人は一条カズキが選んだ3人なのはよく分かった。けど、その3人が誰なのか分からないとアンタが選定基準を教えてくれたとしても誰か分からなかったら当日に連携取るとか不可能じゃないの?」

 

「……誰が選ばれたか教えろッて話なら答えはノーだァ。

教えないィ、オレの口からオマエらには何も言えないッてのが答えだァ」 

 

「どうして?」

 

「カズキに対しては既にオレの側で選ぶ2人の選定基準は話してあるゥ。それを受けた上でカズキの方も姫神ヒロムと風乃ナギトのアシストと個人での活躍が両立出来る能力者3人を選定しているゥ。つまりィ、オマエらがそれを知らなくても向こうが選定基準を遵守して選んだ3人なんだから問題はないッてことだァ」

 

「顔合わせも当日だけなの?」

 

「それは向こうの3人次第だなァ。カズキにどう言われるかはさておきオマエらを決闘の上で仲間と認めるのなら顔を出すくらいはするかもしれないしなァ」

 

 イクトの質問に対する回答として葉王はこと細かく理由を交えて話し、葉王のその説明に納得したのかイクトは静かに頷くとそれ以上は何か言おうとはしなかった。代わりにガイが葉王に対して発言をした。

 

「葉王、オマエがオレたちに課してる課題を仮に誰かがまずクリアしたとしたらそいつは優先的に選ばれるのか?」

 

「それはないなァ。今回の決闘は《世界王府》と戦うことを想定はしているはずだがァ、今回の判断基準はあくまで《センチネル・ガーディアン》の姫神ヒロムの存在意義を示すことだからそこにスポットを当てるとなるとオマエらが次の段階の強さに達したとしてもそこを基準とする理由にはならねェなァ」

 

「あくまで今回は個人の力の発揮とヒロムとナギトのアシストをこなせるかってところなんだな」

 

「そういうことだなァ。ただしィ、オマエらが次の段階の強さに達するのはこちらとしては嬉しい限りだァ。今回の決闘のことはすでに《世界王府》も把握してるはずゥ、となれば決闘に注目が集まる中でヤツらが動きを見せた場合に次の段階の強さに達したオマエらが姫神ヒロムとともに《世界王府》の幹部共を追い詰めればそれはそれでオマエらの存在意義の証明になるからこちらとしては有難い限りだァ」

 

「……難しい話だな」

(あくまで今回の決闘は《センチネル・ガーディアン》としてのヒロムの立場の必要性に不満を持つ大淵麿肥子にその必要性を証明すること。その上で《フラグメントスクール》の今の育成とヒロムに育てられているナギトの力を示して《フラグメントスクール》の現状を理解させ、さらにオレたちアシスト組の5人がヒロムたちをフォローしつつ個の力を示すことも両立させるのが目的……。どっちかに偏るのはよくないし、かといって両立すればいいって話でもない)

 

「葉王としてはこれはあくまで今後のオレたちの成長も兼ねてるつもりなのか?」

 

「物は言いようだなァ雨月ガイィ。

どういう結果になろうとオマエらが今回のことをどう認識してどう動くかはオマエらの勝手だァ。オレはただあの中年太りの大淵麿肥子を黙らせるだけの結果を残せればそれでいい」

 

「それがたとえ自分が指導指揮して能力者育成を目的にしてきた《フラグメントスクール》の生徒をオレたちが倒してもか?」

 

 勘違いするなァ、とガイの言葉に対して葉王は冷たく返すと続けて《フラグメントスクール》の能力者たちについての素直な意見をガイたちに明かしていく。

 

「オレが《フラグメントスクール》を指揮してるのは別にオマエらみたいな能力者を生み出したいからじャねェ。《フラグメントスクール》で頭角を現しエリート意識が高まったヤツらが社会に出て己の信じた強さが《フラグメントスクール》という籠の中でしか機能しない飾りでしかないと痛感させて現実を理解させるための初期段階を与えるための場だァ。《フラグメントスクール》を能力者を鍛えるためだと思うなよォ?あんなところに集まって上に立てば優れてると勘違いするようなバカどもは《世界王府》に殺されて終わる無駄駒に過ぎないんだァ」

 

「そこまで思い入れはないってことか」

 

「人間少し力を手に入れれば調子に乗る生き物だァ。《フラグメントスクール》に来るヤツも今在学してるヤツらもだしょ強くなれば図に乗ッて他人を見下すゥ。そんなヤツらが世間に出て偉そうにしてると思うと腹立たしいだろォ?真に強くなる方法とは何かァ、それを真に理解していないヤツらなんざ潰されて当然だからなァ」

 

「なら……」

 

 徹底的にやれェ、と葉王はガイたちに言うと続けて決闘当日に彼らがやるべき事の1つとしての目的を彼らに課す。

 

「誰が選ばれるかはこの際無視してオマエらは情け容赦なくヤツらを潰せェ。《フラグメントスクール》は大人に都合よく利用される場所でなければ強さをどう学ぶかという場所でありィ、そこにいる間は無力だと思い知らせてやれェ」

 

「手段は問わないか?」

 

「徹底的にやれとしか言わねェ、オマエらの全てでヤツらを否定してやれェ」

 

 葉王の言葉にガイたちは自分たちが決闘当日にヒロムやナギトとともに戦う席を獲得しようと意気込むと同時に葉王の指示である《フラグメントスクール》への徹底的な攻撃という1つの目的を前にして彼らは覚悟を決める。自分たちの力を示した上で《フラグメントスクール》の能力者が如何に自分たちに劣り実力が不足してるかを分からせる、そのためにもガイたちは決闘の場に立とうとする。葉王の思惑が何であれガイたちはヒロムのためにやるしかないと決める他なかった……

 

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