91話 ユナイトライズ
光の大剣を構えるヒロム、そのヒロムの一撃を受けたペインは倒れてしまうも何とか立ち上がると禍々しい魔力を纏いながらヒロムを見ながら闇の剣を構える。
「オレを潰す?
随分と大口を叩くようになったな……姫神ヒロム。
1人では何も出来ない、他から力を借りなければ何も出来ないオマエがオレを殺せると思ってるのか?」
「関係ねぇよ、そんなのは。
オマエを倒す、それでオマエの企みを止めれるならオレに迷いはない」
「……そうか。なら、それを証明してみろ」
ヒロムの言葉を疑うかのような言葉を口にしたペイン。そのペインは左目を妖しく光らせると闇と禍々しい魔力を身に纏っていき、闇と禍々しい魔力を纏うとペインは闇の剣を構えて走り出す。
走り出したペイン、そのペインの動きに対応しようとヒロムは構えようとしたがペインはヒロムが構える前に距離を詰めると闇の剣で一撃を放つ。
ヒロムはペインの攻撃に対して光の大剣を用いた攻撃で対処するとそのままペインに反撃しようとするがペインは新たに闇の剣を1本装備して二刀流となるとヒロムの光の大剣を破壊しようと猛攻を仕掛けてくる。
ヒロムは何とか光の大剣を駆使してペインの猛攻を凌ぎ、1度ペインから距離を取るように数歩下がると光を強く纏う。
「猛る獣の力、拳に宿れ!!
ユナイトライズ、《ライジング》!!」
光の大剣を消すとヒロムは琥珀色の稲妻を纏い、琥珀色の稲妻を纏ったヒロムに精霊・マリアの姿が一瞬重なるように纏われるとヒロムの拳は炎のように揺らぐ光を強く纏う。
拳に光を纏うとヒロムは地を蹴って強く走り出し、ペインは闇の剣を構えると迎え撃とうとするがヒロムは闇の剣を拳で殴り返すとその力で粉砕して破壊してしまう。
武器を壊されたペインが次の手を投じようとするとヒロムは力を右手に集めるとその右手でペインに拳撃を叩き込む。
「ライジング・ブレイブブレイク!!」
拳を叩き込むと拳に纏われる光は獅子のようなオーラとなってペインに襲いかかってダメージを与え、攻撃を受けたペインは吹き飛ばされ負傷してしまう。
が、ペインはダメージを受けても倒れない。
それどころかペインが左目を妖しく光らせるとヒロムが与えたダメージが闇に包まれると消失してしまう。
「ダメージを消した……!?」
「オマエにオレは倒せない。それを証明してやるよ」
ペインは闇を強く纏うとヒロムに向けて無数のビームを放って彼を追い詰めようとするが、ヒロムは拳に纏わせる光を消すと構え直す。
「ユナイトライズ、《マグニフィセント》!!」
ヒロムが叫ぶと光の刀が現れ、ヒロムは光の刀を構えると紫色の稲妻を纏わせながら次々に迫り来るビームを斬り防ぎながらペインとの距離を詰め、ペインに迫るとヒロムは光の刀が纏う紫色の稲妻に大蛇のような形にしてそれを合わせた斬撃を食らわせる。
「マグニフィセント・バーストスラッシュ!!」
ヒロムの放った一撃を受けたペインはその上に大蛇の形となった紫色の稲妻に襲われて倒されてしまうが、倒れたペインは闇を纏いながら浮遊するように起き上がると今の一撃を受けたことにより生じたダメージを消してしまう。
ダメージを与えてもすぐにそれを無効にするかのように消される。その異常な光景にヒロムはペインが何かしらの術や能力を用いて行っていることはすぐに見抜いたが、その力が何なのか分からずにいた。だから、ヒロムは試すしか無かった。
「ユナイトライズ!!
《リベリオン》、《ファントム》、《ブレイジング》!!」
ヒロムが叫ぶと精霊・フラム、セラ、テミスの3人の姿が順番に重なるように纏われるとヒロムは薄紫色の稲妻、桃色の稲妻、赤色の稲妻を纏うと3色の稲妻を纏いし光の龍を出現させてペインに向けて飛ばさせる。
「ブレイジングリベリオン・ファントムドラグブラスト!!」
光の龍は雄叫びを上げながらペインに迫ると纏う3色の稲妻をも自らと同じ龍に変えて襲いかかり、4体の龍となった攻撃を受けたペインはさすがに大ダメージを受けるはず……だったが、ペインは光の龍と稲妻の龍に襲われながらも立っており、纏われる闇がペインの傷を消していく、
「……どうなってやがる」
(手応えはある。それにヤツにダメージを与えた実感もある。なのにヤツは倒れず、それどころか受けたはずのダメージを無かったことにしている。一体何を……?)
「不思議に思うか?」
ペインの身に何が起きているのか、それが気になるヒロムが分析しようとしているとペインは彼の考えを見抜くかのように話していく。
「何故オレに攻撃を命中させてダメージを与えてもオレが倒れないのか?何故オレに与えたはずのダメージが当たり前のように消えるのか?オマエはそれが気になってるんだろ?」
「……種明かしか?」
「そう警戒するなよ、姫神ヒロム。
オマエがオレを絶望させてくれたからオレはこの力を得られたんだ」
「絶望?オマエを?
何言ってやがる?」
「その《ユナイト・クロス》、《レディアント》の真の姿とやらを目にしたオレはオマエを相手に絶望の念を抱いた。わずかでも抱いたその絶望の念はオレの中の力を刺激し、刺激されたその瞬間にオレの力を覚醒に導いた」
「覚醒?何を……」
「《輪廻》、オレの内包するこの力がオレをオマエに勝たせようとする。希望を抱くオマエを屈服させて絶望に導けと……オレのこの力がオマエを拒絶するべく力を与えてくれている!!」
己の力が高まっていることを強く語るペインは右手に闇を強く纏わせるとその力を高めながら禍々しい魔力と同化させてヒロムに向けて放ち、ペインの放つ力を迎え撃とうとヒロムは白銀の稲妻を光とともに放ってペインの力にぶつける。
闇と光、それらがぶつかると強い力が生じて2人は吹き飛ばされそうになるも耐えながら相手を倒そうと力を高めていく。が、ヒロムの力を上回ろうとするかのようにペインの禍々しい魔力が強くなると闇を強くさせて白銀の稲妻と光を徐々に押していく。
「くっ……!!」
「希望など簡単に朽ちる!!オマエがどれだけ強く信じても絶望の前では無力!!オマエがどれだけ精霊の力を借りても無意味だ!!」
「いいや……オマエは間違ってる……!!」
「まだ絶望を否定するか?
オマエのその借りものの力では……」
「違ぇよ。
オレのこの力は……借りてるものじゃない!!
オレが希望を守り希望となるために手を取り合うことで生まれる力だ!!」
ペインの力に白銀の稲妻と光が押される中、ヒロムの両手のグローブは14人の精霊の持つ稲妻と同じ14色の光を発し、光が発するとヒロムの姿にフレイたち14人の精霊の姿が重なるように次々に纏われていく。
全ての精霊の姿が重なるように纏われたその時、ヒロムの体は眩い輝きを放ち、ヒロムが放つ白銀の稲妻と光は14色の光と14色の稲妻を纏いながらペインの攻撃を押し返していく。
「何!?」
「ユナイトライズ……オールソウル!!
受けてみやがれ、これが……希望の光、オレたちが信じる力だ!!」
ヒロムの言葉に反応するようにヒロムの一撃はさらに力を増してペインの攻撃を完全に押し返して闇諸共ペインに襲いかかる。
「バカな……このオレが……」
「はぁぁぁぁ!!
終わりだ、ペイン!!」




