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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
異痛命動編
89/1085

89話 ユナイト・クロス


 「見せてやるよペイン、これが絶望から大切なものを守ると決めたオレの覚悟!!

いくぞ《レディアント》!!オレと力を合わせてくれ!!」

 

 ヒロムが叫ぶと白銀のブレスレットは眩い光とともにヒロムを白銀の稲妻と光の竜巻で包み込んでいく。

 

 何が起きようとしているか分からぬペインとクローザーが戸惑っていると輝きは強さを増し、そして光の竜巻はヒロムが纏っていた14人の精霊の力たる霊装の稲妻と同じ14色の稲妻を発生させていく。

 

「バカな……何故オマエが霊装の意志と語れた!?

選ばれた領域に達しなければ出会うこともない存在に何故……オマエが認められた!?」

 

『ペイン、ヤツは何を……』

 

「分からなくてもいいさペイン。

オマエはこれからオレの掴む希望への光を目にして倒されるんだからな!!」

 

 光の竜巻が力を増す中、14色の稲妻と白銀の稲妻が1つになると強力な力となりて竜巻の中心部へと消えていき、強力な力となった稲妻が消えると竜巻を裂くようにしてヒロムが輝きを纏いながら現れる。

 

 現れたヒロム、その姿はこれまで見た事のない新たな装いとなっていた。両手には白銀のグローブ、両足には白銀のブーツ、そして白銀のマフラーを身に纏いし姿となっていた。両手の白銀のグローブの甲の中央に青のクリスタルが施され、そのクリスタルの周囲にはヒロムの拳を守るかのように装甲アーマーが施されている。ブーツには赤のクリスタルが施され、こちらもヒロムの足を守るかのように装甲のアーマーが施されていた。

 

 新たな装いとなったヒロム、その装いを前にしてペインは動揺を隠せなかった。

 

「何故だ……!?そんな姿はオレは知らない!!

オレが壊してきた他の世界の姫神ヒロムもそんな姿はしていなかった!!《レディアント・アームズ》、それを壊されれば何も出来ないオマエが……そんな力を得るなどありえない!!」

 

「間違えんなよペイン。オレは別に力を得てなんかいない」


「何?」

 

「これは力じゃない。オレが……姫神ヒロムが《レディアント》を手にしてから1度も理解できなかったものを理解したからこそ具現できた霊装だ」

 

「理解?そんなもの……ふざけたことを言うな!!

クローザー、ヤツを始末して全てを絶望させろ!!」

 

 御意、と声を荒らげるペインの指示に従うようにクローザーは返事をすると闇を纏いながら素早い動きで走り出し、ヒロムに迫るとクローザーはヒロムの頭を殴り潰そうと右手で攻撃を放とうとする。が、ヒロムは落ち着いた様子で自分の頭を潰そうとするクローザーの右手に対して左手をそれに添えるように動かすとクローザーの攻撃そのものを逸らさせ、さらにクローザーの動く先を自分から少し逸らさせるように押してやるとそのまま吹き飛ばしてしまう。

 

 ただ手を添え、軽く押す。その動作しかヒロムはしていないのにクローザーは吹き飛ばされた。それが信じられないクローザーは立ち上がると闇を強く纏いながらヒロムに接近して連続で攻撃を放ってヒロムを追い詰めようとするが、ヒロムは落ち着いた状態を崩すことなくクローザーが連続で放つ攻撃を全て無駄のない最適かつ余裕がある動きで避けていき、クローザーの全ての攻撃を避けるとヒロムは軽くクローザーを殴って怯ませる。

 

「バカな……!?」

 

「悪いなクローザー、今のオレには届かない」

 

「我に対して余裕を見せるか……?

その余裕、それを絶望に染めてやる!!」

 

 クローザーは剣を構えるとヒロムを殺そうと何度も斬りかかる……が、ヒロムはクローザーの放つ攻撃を全て無駄のない動きで避けていき、クローザーの攻撃を避けるヒロムはさらなる攻撃をはなとうとクローザーが剣を振り下ろそうとした瞬間に敵の武器を掴み止めるとそのまま粉砕して破壊してしまう。

 

 剣を破壊されたクローザーが驚愕しているとヒロムは右手に力を入れてクローザーを殴り、殴られたクローザーは吹き飛ばされはしなかったものの全身に強い衝撃が走ったのか突然全身を負傷して血を流してしまう。

 

「あ、ありえない……!!

我は……我は……!!」

 

「どうしたクローザー、オレを相手にして絶望しかけてるのか?」

 

「……図に乗るなよ、人気!!」

 

 ヒロムの言葉を否定するかのようにクローザーは闇を強く纏うとそれをヒロムに向けてレーザーにして撃ち放ってヒロムを葬ろうと……するが、ヒロムは迫り来る闇のレーザーを前にして右手を軽く振って振り払うように消し去ってしまう。

 

 闇のレーザーを消し去るとヒロムは右手に白銀の稲妻を強く纏わせるとクローザーに向けて構え、構えた右手に左手を当てると右手から白銀の稲妻をビームにして放つ。

 

 ヒロムが白銀のビームを放つとクローザーは体中のクリスタルのようなものを発光させながら両手で受け止め、受け止めた白銀のビームを体内に取り込もうとする。

 

「血迷ったか人間!!

我を前にして吸収されることを恐れぬとは……」

 

「やれるならやってみろ」

 

 吸収しようとするクローザーの言葉を覆すかのようにヒロムは左手に白銀の稲妻を纏わせると右手から放たれるビームの威力を倍増させ、さらにヒロムが全身に白銀の稲妻を纏うとビームはさらに力を倍増させて力を高め、吸収しようとするクローザーの手を押し返すとそのまま襲いかかってクローザーの体中のクリスタルのようなものを破壊してしまう。

 

 明らかにダメージを成立させたヒロムの攻撃、それを受けたクローザーは何が起きたかなど理解したくないのか雄叫びのような声を出すと闇を強く纏いながらヒロムを攻撃しようと動こうとするが、ヒロムは音も立てることなくクローザーに迫ると恐ろしいまでに落ち着いた状態で連撃を放ってクローザーを追い詰めていく。

 

「!?」

 

「悪いな……オレには負けられない理由がある」

 

 ヒロムは右手に白銀の稲妻を纏うとクローザーの体に掌底を叩きつけて突き飛ばし、クローザーが倒れると1度白銀の稲妻を消す。白銀の稲妻を消すとヒロムは今のヒロムの姿を信じられないペインに向けて告げる。

 

「ペイン、オマエが絶望の姿だと言うならオレはオマエを否定する。オマエを否定してオレは希望を手に大切なものを守る戦いをする」 

 

「戯言を……!!」

 

 ペインは左目を妖しく光らせるとクローザーの周囲に闇を蔓延させ、湧き出るように現れた闇を前にしてクローザーはそれを体内に取り込むと力を高めていく。

 

 力を高めるクローザーは闇を炎のように変化させながら身に纏い、クローザーの身にこれまでより強く冷たい力が纏われるとヒロムは静かに歩を進める。

 

 そして……

 

「もう……オマエの未来は確定してる」

 

 どこか悲しそうにクローザーへと告げるとヒロムの姿が目にも止まらない速さで走り出し、クローザーがそれに気づくと何かに殴られたような衝撃が敵を襲う。

 

 さらにクローザーが怯むとヒロムはさらに加速すると無数の残像を残しながら超速でクローザーに連撃を叩き込んでいく。

 

 対応できないクローザー、反撃しようとしても何とかしようとしてもヒロムの超速での連撃を前にして何も出来ない。

 

「この……!!」

 

 連撃を放つヒロムに一矢報いてやろうとクローザーは力を振り絞って爪の一撃を放つとヒロムの体を貫くことに成功させるが、クローザーの爪が命中するとヒロムは音も立てずに消えてしまう。それどころかヒロムが消えると彼の残した無数の残像が衝撃波となってクローザーに次々に襲いかかる。

 

「!?」

 

「終わりだ」

 

 無数の衝撃波に襲われるクローザーが確実に追い詰められる中ヒロムはクローザーの前に姿を現し、姿を現したヒロムは白銀の稲妻を右手に纏わせ、纏わせた白銀の稲妻に大剣の形を与えるとヒロムは音も立てずにクローザーに接近して白銀の稲妻の大剣を振り下ろしてクローザーを両断する。

 

 ヒロムの一撃で両断されたクローザー、そのクローザーの体からは闇が溢れ出るがヒロムの白銀の稲妻を前にして浄化されるかのように消滅してしまう。

 

 クローザーが消えるとヒロムは白銀の稲妻を消し、残る敵……ペインの方を向くと彼に告げた。

 

「これがオマエが諦めた力……ユナイト・クロスの力だ。

覚悟しろペイン……オマエの絶望とオレの希望、どっちが正しいかハッキリさせてやる!!」

 

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