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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
異痛命動編
73/1085

73話 覇王と魔王


 白銀のアーマー《レディアント・アームズ》を身に纏いしヒロム。両腕、両足のアーマー、そして肩部のコクーン状のパーツを有したアーマーを纏いしヒロムのその姿を前にしてノブナガは落ち着いた様子でヒロムの装備について独自の見解を話していく。

 

『貴様のその装備、能力に形を与えて具現化させるという珍妙で奇妙な技を用いているようだな。我の生きた時代ではそのような特異な力は滅多に目に出来なかった故にこうして見てみるといやはや面白い。奇妙、やはり奇妙だ』

 

「てめぇの感想はどうでもいい。さっさとオマエを倒してオマエを呼び寄せたその男を潰してこの戦いを終わらせる」

 

『フッ、人の話を聞く気はないか。まるであの時出会いしあの男のような言い方よ』

 

「だからどうでもいいって言ってんだろ!!」

 

 ノブナガの話に一切の興味が無いヒロムは白銀の稲妻を強く纏いながら肩部のコクーン状のパーツを背面へと可動させると超高速で走り出し、ノブナガへと一気に接近したらヒロムはその速度を上乗せして拳撃をノブナガへと放つ。だがノブナガは落ち着いた様子で刀に闇を纏わせながらヒロムの一撃を防ぎ止め、ヒロムの一撃を止めたノブナガは面白そうに笑うとさらにヒロムに言った。

 

『ハッハッハ。良きかな良きかな。

やはり貴様は似ている!!あの男に!!この我の誘いを受けても己の意志を貫こうとしたあの男に!!』


「てめぇの話なんざ興味ないって言ってんだろ!!」


『フッ、興味がない。言うに事欠いてあの男も同じように我の言葉を聞こうともしなかったな。掴みどころのない己の意志に従い自由の中を生きるあの男と貴様はよく似ている!!』

 

「だから……興味ないって言ってんだろうが!!」

 

 興味がない話をいつまでも続けるノブナガに苛立ちを隠せないヒロムはコクーン状のパーツから白銀の稲妻を強く放出させて力を高めさせるとノブナガを押し切ろうとするが、ノブナガは刀を持つ手にただ力を入れるとヒロムの攻撃を軽々と止めてしまう。それでも諦めないヒロムは白銀の稲妻を全身に纏わせて力をさらに高めて対抗しようとするが、ノブナガはそんなヒロムの姿を見て笑みを浮かべる。

 

『この力……素晴らしい!!

やはり我の家臣として迎え入れたい!!腐敗したというこの世を統一し直すにはこの力が欲しい!!』

 

「その腐敗したって世界はアイツやアイツのお仲間がそうさせた結果だ!!何も知らないのにオマエは何でアイツの言葉を信じられるんだ!!」

 

『真実かどうかは些細なこと。我がここにいる、それだけが答えだ。他のことなど二の次で構わない』

 

「それが天下を統一しようとした者の言葉か!!」

 

『我の目指す天下を知らぬ貴様にどうこう言われる筋合いはない。それに我は今、オマエのさらなる力をこの手で試したいと思っている。あの男に従うことでオマエとの戦いを楽しめるのならそれもまた一興よ』

 

「ふざけんな!!」

 

 ヒロムは白銀の稲妻を拳に纏わせるとノブナガを殴ろうとするが、ノブナガは刀で弾くと闇を強く纏わせて振り上げ、ヒロムが構え直す前に勢いよく振り下ろすとヒロムの右側の《レディアント・アームズ》の肩部のアーマーを破壊してしまう。

 

「!!」

 

『まずその奇怪なものを壊す。そして……仕留める!!』

 

「させ……」

 

 振り下ろした刀を勢いよく振り上げてヒロムを仕留めようとするノブナガに対してヒロムは拳に白銀の稲妻を強く纏わせてノブナガより先に一撃を喰らわせようとした……が、ヒロムの思いは届くことなくノブナガの振り上げた刀がヒロムの体を抉るように斬ってしまう。

 

 勢いよく振り上げられた刀はヒロムの体の肉を深く抉り、その感触を刀を伝って感じるノブナガは手応えを覚えていた。


『フッ……一撃が決まったならここまでのようだな。その傷では我と戦いを続けるなど……』

 

「何か言ったか?」

 

 勝負あり、そう確信しているノブナガが語っているとノブナガの一撃を受けたはずのヒロムは白銀の稲妻を強く纏わせた拳でノブナガを殴り飛ばす。殴り飛ばされるノブナガは刀で吹き飛ぶ勢いを殺して立ち上がり、そしてノブナガは信じられないものを目にしてしまう。

 

 ヒロムの体、先程ノブナガの一撃を受けて肉を抉られたはずのヒロムの体からその時のダメージが消えていたのだ。右側の肩部のアーマーは壊れているが、決定打となったはずの一撃を受けたはずのヒロムはそれを受けていないかのように立っていたのだ。

 

『バカな……確かに我は貴様に致命傷を与えたはずだ!!

なのに何故……貴様の体にはその傷がない!!』

 

「さぁな。なんでだろうな」

 

『くっ……ふざけたことを!!』

 

 何かが起きている、ヒロムの体の変化にノブナガは動揺を隠せなくなったのか落ち着いた様子から一転して焦りを感じさせるような態度となり、ヒロムの言葉を受けたノブナガはもう一度ヒロムを追い詰めようと接近して刀で一撃を放ってそれを食らわせる。

 

 ヒロムはノブナガが迫る中避けようとせずにその一撃を受け、ヒロムに一撃を食らわせたノブナガは今度こそダメージを与えたと思った。だが……ノブナガがダメージを与えたと思っているとヒロムはダメージなど受けていない状態で立っており、それにノブナガが気づくと同時にヒロムは左側の肩部のコクーン状のパーツをノブナガに向けると白銀の稲妻をレーザー状に撃ってノブナガに直撃させて倒してしまう。

 

『ぐぁ!!』

 

レーザー状の白銀の稲妻を受けたノブナガは倒れてしまい、倒れたノブナガを見下ろすようにヒロムが視線を向けているとノブナガは何とかして立ち上がろうとしながらヒロムに問う。

 

『貴様……何をした!?

我に……この我に幻を見せているのか!?』

 

「亡霊如きが幻を見るのか?天下を掴むのなら少しは現実見てろ」

 

『貴様ァ!!』

 

 ヒロムが何かをした、それについてはノブナガも理解しているらしいがヒロムの言葉を受けたノブナガは闇を強く纏うと刀に炎を纏わせて強い力を放つ。放たれたノブナガの一撃は闇と炎を纏いし斬撃となってヒロムに襲いかかってダメージを与え……たように見えるが、気がつけばノブナガの一撃は姿も形もなくなっており、ヒロムも何も無かったように立って拳に白銀の稲妻を纏わせていく。

 

『バカな……何故、何故我の攻撃を受けない!!』

 

「解釈が違うんだよ、織田信長。

オマエの攻撃は間違いなくオレに命中してるよ。それによってオレはダメージを受けてもいる」

 

 ただ、とヒロムは白銀の稲妻を右手に集中させて強くさせるとノブナガに接近して一撃を叩き込み、ヒロムの一撃が叩き込まれるとノブナガの体に強い衝撃が走ると共にノブナガの体を白銀の稲妻が貫いていく。

 

『ガッ……』

 

「オマエの一撃を受けてダメージを受けたはずのオレの未来を変えるためにオレの体はほんの数秒前に巻き戻されてるんだ。起きたことを無かったことにするのではなく、起きたからこそもう一度やり直して未来を掴み取る……この力によってな」

 

『未来を掴み取る……だと?』

 

「そうだ。究極の後出し、名は……未来輪廻だ」

 

 何が起きたのかを語るヒロムはノブナガにさらに稲妻を放つと敵の体を吹き飛ばし、吹き飛ばされたノブナガの体は半壊した状態で転がり倒れてしまう。

 

倒れたノブナガの動きが止まり、最強だと信じて呼び寄せたノブナガが倒されたリュクスはノブナガを追い詰めたヒロムを睨む。睨まれるヒロムは首を鳴らすとリュクスに向けて告げた。

 

「未来を掴む、オレはオマエにそう言ったはずだ。ペインのことをどんだけ信用してるか知らないがオレを見下すのも大概にしとけ。今のオレはオマエらの知ってる姫神ヒロムを上回るべく成長してるのだからな」

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