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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
戦絶震闘編
199/1085

199話 ガーディアン


 《センチネル・ガーディアン》のメンバーであるシンク、キッド、刀哉の加勢に伴いリュクスたちを相手に不利になったと思われていたヒロムとゼロの2人は状況を一転させて見せた。

 

 数的にはまだ1人少ない状況であることに変わりないが、《センチネル・ガーディアン》の名を背負うというだけでリュクスが警戒する3人の加勢はその数的不利を押しのけようとしていた。

 

「テラー、この展開は予測出来てた?」

「氷堂シンクに関しては予測出来ていた。

決闘の2戦目で現れた時からコイツらはこの場に《センチネル・ガーディアン》が2人いることを示そうとしてる意図を感じ取れた。だが……キッド・エスワードと千剣刀哉は予測外だったな。キッド・エスワードは他地域にいるはずだったし、千剣刀哉に至っては離れ小島で生活していると思っていたからな」

 

「計画としては台無しだよね?

他の《センチネル・ガーディアン》のヤツらがこの会場に近づかないことが前提条件でアルトを回収するために動いたのに、1人ならまだしもそこにプラスで2人も介入してくるなんて想定外すぎる」

 

「物事は不測の事態の連続で成り立つものだ」

「予測出来てなかった時点でアウトだよテラー」

(まったく、世話が焼けるマッドサイエンティストだよ。

アルトの回収に際してそのための段取りをヴィランはテラーに任せ、オレたちはそれのサポートを引き受けたわけだが……テラーがこういう予測してない展開で追い詰められることを楽しみの1つと認識している。自分は戦闘は不得手とか言って他人に押し付けるくせしてこういう時は誰よりも面白がる……)

 

「迷惑でしかないんだよな、まったく」

「何か言ったか?」


「別に。

それよりどうするつもりだ?戦力にカウント出来ないアンタ込みでヤツらを潰すのか?」

「いいや、我々のやるべき事は果たされている。あとは示してもらわなければな」

 

「……なるほど、そうかい。

アルト、テラーからの命令だ。オマエ1人でヤツらを消せ」

 

「オレに命令するのかリュクス?

オレは……」

 

 口答えするな、とリュクスは十神アルトに冷たく告げると続けて彼に対して忠告していく。

 

「そもそもこの回収作戦はオマエが半年前に姫神ヒロムに敗北して牢獄に入れられたのが発端だ。半年もの間牢獄の中で溜め込んだ憎悪……それを力に昇華して《世界王府》に自分が必要ってことを示せよ。でなけりゃオマエに居場所はない」

 

「……あくまでオレを駒扱いするつもりか?」

「半年前オマエがオレたちにやろうとしたことだろ。

日本を支配して自分の国を手に入れようとして阻止された、そんな愚かな行動を取った責任を取れって話だ」

 

「いいだろう。その代わり……オマエらはオレの引き立て役に徹してもらうぞ」

「オマエが無様な醜態を晒さなければそうしてやる」

 

「よし、なら始め……」

 

 引き立て役、つまりサポートをしろと言う十神アルトの発言にリュクスが渋々承諾すると十神アルトは行動を起こそうとするが、十神アルトが動こうとしたその瞬間にヒロムが白銀の稲妻を強く纏いながら接近して十神アルトの顔面を強く殴る。

 

「!?」

「よぉ、もう1回倒してやるから覚悟しとけ」

 

「オマエ……!!

調子に乗るな!!」

 

 ヒロムに顔を殴られた十神アルトは仕返しと言わんばかりに雷や炎を至近距離で放つがヒロムはそれらを難無く回避すると十神アルトの顔に蹴りを入れる。

 

「……オマエ!!」

「どうした?他人の力を利用しなきゃ強くなれないのは変わらないらしいな」

 

「黙れ……周りに助けられなければこれまで生きてこれなかった無能が!!」

「だからこそ今のオレがある……オマエにそれは否定させない!!」

 

 ヒロムは白銀の稲妻を両手に強く纏わせて連撃を放つと十神アルトを追い詰めようとするが、十神アルトはヒロムに対しての憎悪にも似た感情を高めるように闇を強く放出させることでヒロムが放つ連撃全てを防ぐ。

 

「否定させないと言うなら守ってみろ……あの時のように何もかも奪ってやる!!」

 

 させるか、とゼロは十神アルトの背後に現れると灰色の稲妻を纏いながら一撃を放ってヒロムの援護を試みた。しかし……

 

 ゼロが攻撃を放とうとするとノブナガが黒炎を纏いながらゼロの一撃を防ぎ、ゼロの一撃を防いだノブナガは刀を構えると黒炎を纏いし斬撃を放ってゼロを追い詰めようとする。

 

『邪魔をするな、愚か者が!!』

「コイツ……!!」

 

「させんぞ」

 

 ノブナガが放つ斬撃がゼロに迫る中、刀哉が静かに右手を前に出すとその手に刀が握られ、刀を握った刀哉が一閃を放つとノブナガが放つ一撃が容易く消され、そしてノブナガの体を斬撃が襲い致命傷を与える。

 

『!?』

「この場において刀を使うのなら覚悟せねばな。

《センチネル・ガーディアン》が誇る最強の一太刀、それを有するオレがいるのだからな」

 

「それは楽しみだ」

 

 ノブナガが刀哉の一撃で致命傷を負う中リュクスは魔剣に闇を纏わせると妖しく光らせ、魔剣が妖しく光るとノブナガの致命傷を負った体は元に戻っていく。

 

「その程度じゃノブナガは仕留められない。

そして……オマエの一太刀はもう何も斬れなくなる」

「それは見物だな」

 

 リュクスが刀哉を相手に挑発するような言葉を発するとキッドは短剣を構え、構えた短剣に魔力を纏わせて軽く一振りするとリュクスの周囲に数百にも及ぶ刃を出現させて襲わせる。

 

 リュクスは魔剣を用いて迫り来る刃を防ぐが、全てを防ぐのは間に合わないと判断するとノブナガに対処させるように視線を向け、リュクスの視線を受けたノブナガは黒炎を纏いながらキッドの放った刃を次々に防いでいく。

 

 刀哉とキッドがリュクスとノブナガを相手にする中、ビーストとヴァレットは刀哉とキッドの2人を挟み撃ちにするように両サイドから追い込むように立ち回ると攻撃を放とうとする……が、ビーストとヴァレットが攻撃を放とうとするとシンクは鋭く尖らせた氷の槍を乱回転させながらビーストに向けて飛ばし、さらに自身は冷気を纏いながら氷の剣を構えてヴァレットに斬りかかる。

 

「「!!」」

 

 乱回転する氷の槍が迫るのを察知するとビーストは右腕を《魔人》の力で変化・強化させて防ぎ止め、さらにヴァレットは爆炎を右の拳に纏わせてシンクの氷の剣を防ぎ止めるとそのままシンクの武器を破壊しようとする。

 

 が、ヴァレットがシンクの武器を破壊しようとすると爆炎が冷気によって消され、氷の剣を消そうとしたヴァレットの拳が返り討ちにあって凍結させられてしまう。

 

「なっ……!?」

「温い炎だな」

 

 シンクはそのままヴァレットの右腕を凍結させ、氷の剣に力を入れて振ることで敵の腕を破壊しようとする……が、シンクがそうしようと行動を起こそうとするとクリーチャーがシンクを殺そうと襲いかかってくる。

 

 襲いかかってくるクリーチャーの攻撃を避けるべくシンクはヴァレットへの攻撃を中断して後ろへと華麗に飛んで避けると氷の剣で連撃を放ってクリーチャーを消し去る。

 

 シンクがクリーチャーを消し去るとビーストが闇を衝撃波とともに撃ち放ってシンク、キッド、刀哉を引き離すように吹き飛ばし、吹き飛ばされた3人はすぐに立て直すと構え、さらに十神アルトと戦うヒロムは十神アルトの攻撃を避けてきたのか勢いよく飛んで彼らの前に現れる。

 

「……意外とやるな」

 

「片腕壊すつもりが失敗したな……」

「つうか、刀哉。オレと攻撃被ってんだけど?」

「すまんな。オマエさんとは気が合うらしい」


 合ってたまるか、とキッドが刀哉の言葉を強く否定していると十神アルトがヒロムたちに向けて攻撃を放って一掃しようとするがゼロはヒロムたちの前に立つと灰色の稲妻を放って十神アルトの攻撃を防ぐ。

 

「盛り上がるのは勝手だが……敵を倒してからにしてくれ」

「言われなくても分かってるさ。

シンク、刀哉、キッド、ゼロ……援護頼むぞ」

 

「任せろ」

「承知した」

「オレはオレの好きにやるからオマエは邪魔にならないようにうごいとけ」

「ヒロム……勝つぞ」

 

「そのつもりだ!!」

 

 仲間に援護を頼むとヒロムは走り出し、シンクたち4人はそれに続くように駆け出す。

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