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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
戦絶震闘編
194/1085

194話 因縁の激闘


 その頃のスタジアム

 

 ペイン、リュクス、ノブナガ、そしてテラーを倒すべくヒロムを先頭にガイ、真助、ゼロが奮闘していた。

 

 異なる世界の同一人物、その因縁があるヒロムとペインが激突し、真助は魔剣を操るリュクスを倒そうと応戦。ガイは一度苦戦を強いられ敗北したノブナガを相手に必死に戦っていた。そしてゼロはテラーが次々に生み出したクリーチャーの始末に苦戦させられていた。

 

「次から次へ……ビーストと大差ねぇことしやがるな!!」

 

「ゼロ、オマエの存在はわたしの知的好奇心を刺激してくれる。

楽しませてくれ」

 

「んな趣味ねぇよ!!

殺すぞ!!」

 

「だらぁ!!」

 

 ゼロがテラーの生み出すクリーチャーの退治に苦戦する中で真助はリュクスを倒そうと妖刀で何度も攻撃を仕掛けるが、リュクスは魔剣で真助の攻撃を受け流すようにして防ぐと飄々とした態度で真助を挑発する。

 

「どうしたのかな?

その程度かい?」

「うるせぇ、さっさと斬らせろ!!」

 

 掴みどころのないリュクスの動きに真助がなかなか決め手を当てられずにいる一方でノブナガはガイを倒そうと斬撃をいくつも放っていくが、ガイはノブナガの攻撃を避けると接近して反撃を試みる。が、ガイの攻撃を前にしてノブナガは刀で防ぐと楽しそうに語る。

 

『以前とは別人のようだな。

面白いぞ小僧、もっと我を楽しませろ』

 

「あいにく楽しませる余裕はない!!」

『ではこちらで勝手に楽しませてもらおう!!』

 

 ノブナガを倒そうとガイが霊刀を振る中でノブナガは刀に炎を纏わせながら攻撃を放ち、炎を纏う刀の攻撃が放たれるとガイはそれを避けて反撃するチャンスを狙う。

 

「くっ……!!」

(テラー 、リュクス、そしてノブナガ……。

テラーはともかくリュクスとノブナガはこれまでの戦闘から単体での戦闘の高さは圧倒的だ。オレたちはそれなりに戦えるようになったつもりでいたのに……この有様か!!)

 

「このザマじゃオレたちは……」

 

 ガイがノブナガの攻撃を避ける中で敵との戦力差と自身の考えの甘さを頭の中で悔いているとガイとノブナガの間を強い衝撃が駆け抜ける。

 

「!!」

 

『この力は……』

 

 駆け抜けた衝撃にガイが驚き、ノブナガが目を奪われているとヒロムの精霊・セツナとテミスが現れてノブナガへと攻撃を放って敵を吹き飛ばす。

 

「セツナ、テミス!!」

 

「はぁっ!!」

 

 ガイがセツナとテミスの介入に驚いていると真助のもとへとユリアとアリシアが加勢してリュクスへと攻撃し、さらにゼロのもとへラミアとシェリーが加勢してクリーチャーを殲滅する。

 

「おっと!!」

「ほぅ、精霊か」

 

「助かったぜお嬢たち!!」

「余計なことを……」

 

「強がらないでゼロ。ここは手柄よりも勝つことを優先して」

 

「理解してるさ」

「ラミア、ヒロムからの指示は?」

 

「何としても勝て、それだけよ」

「オッケーだ……いくぞ!!」

 

 ヒロムからの指示をラミアが伝えるとガイが合図を出すように叫ぶとガイたちは敵を倒すべく動き出し、ガイたちが動き出すとリュクスとノブナガは迎え撃とうと構える。

 

 そんな両者の間を激しくぶつかり合うヒロムとペインが激突しながら駆け抜ける。

 

「コイツ……また強くなったか?」

「そういうオマエは……変わらないな」

 

 ヒロムは白銀の稲妻を纏う拳でペインに殴りかかり、ペインはそれを闇を纏いながら防ぐと右手に黒炎を集めると剣に変えてヒロムを斬ろうとする。が、ヒロムはペインの黒炎の剣を躱すと白銀の稲妻を足に纏わせて蹴りを放って黒炎の剣を破壊する。

 

「霊装の力を以前より強くなっているようだな」

「おい、面倒だから本気出せよ」

 

 ヒロムは白銀の稲妻を全身に強く纏うとペインを殴り飛ばし、ペインを殴り飛ばしたヒロムは白銀の稲妻で嵐を巻き起こすと《ユナイト・クロス》を発動させて高速移動 しながらペインを追い詰めようとする。

 

 しかし……

 

「殺れ、外道輪廻」

 

 ペインが瞳を妖しく光らせると何かがヒロムに向けて放たれ、放たれた何かを感じ取ったヒロムはペインへの攻撃を試みるのを止めるとそれを避けるように高速で動き回る 。

 

「気配だけの攻撃か」

「そして……万天輪廻!!」

 

 ヒロムが目に見えぬ何かを警戒して動き回っているとペインは瞳を妖しく光らせながらヒロムを睨み、睨まれたヒロムの体を妖しい光が襲おうとする。

 

「動き回るのはここまでだ。万天輪廻の力で動きを止めて……」

「《ユナイト・クロス》、パージアウト!!」

 

 妖しい光がヒロムを襲おうとする中でヒロムが叫ぶと《ユナイト・クロス》のアーマーが弾け飛び、弾け飛んだアーマーが妖しい光に接触すると妖しい光は弾け飛んだアーマーの動きを止めてしまう。

 

「バカな……!?

《ユナイト・クロス》を封じることを予測して囮にしたのか!?」

 

「《レディアント》、アレを頼む!!」

 

 ヒロムが叫ぶと両手首の白銀のブレスレットの霊装・《レディアント》が光ると共にヒロムの体に新たなアーマーが装備される。

 

「《レディアント・アームズ》、装備完了!!」

「不完全なアーマーを!?」

 

「受けろ、レディアント・パニッシャー!!」

 

 ペインが驚く中でヒロムは両肩のアーマーの装甲を展開して白銀の光線を撃ち放ち、ペインは驚きながらも瞳を妖しく光らせると空間を歪ませて白銀の光線をその中へと吸い込んで消し去る。

 

 一撃を放ったヒロムはアーマーを即座にパージし、アーマーをパージしたヒロムが足を止めるとペインもそれに続くように足を止める。

 

 互いに足を止めて睨み合う、そんな中でヒロムはペインにある話をした。

 

「オマエ、クローザーを仕向けてきた時に言ってたよな?

オレが希望や光を手にして強くなるようにオマエはそれを否定することで強くなるって。オレが強くなればオマエも強くなる、そう思ってたが……違うのか?」

 

「ふっ、互角に戦えることがそんなに嬉しいか?」

「違ぇよ。

オマエはその気になればオレを追い詰めるだけの力を出せるはずだ。それなのになんでそれを使わない?」

 

「……吐き違えるなよ、姫神ヒロム。

人は大きな希望を抱けば抱くだけ絶望する瞬間の痛みが大きくなる。オレは待ってるのさ……オマエが今持つ最高の希望をな」

 

「そうかよ……なら、オマエの望み通り見せてやるよ。

《ソウルギア》、ファーストライド!!」

 

 ペインの誘いに乗るようにヒロムが叫ぶと光が彼を包み、光に包まれたヒロムの身体は白銀の稲妻と同化すると両腕に白い紋様を浮かび上がらせ、瞳を光らせる。

 

 《ソウルギア》、科宮アンネを倒したその力を発動させたヒロムを前にしてペインは不敵な笑みを浮かべると全身からドス黒い闇を放出させて全身に纏っていく。

 

「その力を否定してオマエを倒す 、それだけでオマエは終わる!!」

 

「終わらねぇよ……オレはこの手でユリナたちを守るって決めたからな!!」

 

「黙れよ……そんな綺麗事は聞きたくねぇんだよ!!」

 

 ヒロムがユリナたちを守ると口に出すとペインは怒りを顕にしながらヒロムに迫るが、ヒロムは目にも止まらぬ速さで連撃を放つとペインを返り討ちにしてしまう。

 

「!?」

「はぁっ!!」

 

 連撃を受けたペインが怯んでいるとヒロムはペインに一撃を叩き込み、一撃を受けたペインは殴り飛ばされてしまう。

 

「くっ……外道輪廻!!」

 

 ペインが叫ぶと何かがヒロムを倒そうと迫っていくが、ヒロムはそれを感じ取ると両手に白銀の稲妻を強く纏わせると周囲へと解き放つ。

 

「今のオレには見えてんだよ!!」

 

 ヒロムが白銀の稲妻を解き放つと何も無いところで何かに命中したかのように稲妻が爆ぜ、稲妻が爆ぜると何かが ヒロムの周りで倒れる。

 

 何も無いはず、だがそれをヒロムは視認できていた。

 

 ペインが操る姿無き何か……黒と白が歪に混ざったような人の形をした何かをヒロムは認識できていたのだ。

 

「今のオレは霊装の力たる白銀の稲妻 と同化することで精霊と同格の存在となり、その力を掛け合わせて強さを昇華させてる。絶望にこだわり何もかもを捨てたオマエにはない力だ!!」

 

「くっ……!!」

 

「いくぞペイン、ここで……」

 

 ペインを倒すべくヒロムが動き出そうとしたその時、ペインのそばにいる何かがヒロムの目に入る。

 

 目に入ったのは霊体となっている血だらけのユリナだった。

 

「なっ……!?」

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