192話 炎VS爆撃
ヴァレットの攻撃による爆撃がソラを襲い、爆撃に襲われるソラは負傷しながら吹き飛ばされるも何とかして体勢を立て直すと吹き飛ばされる方へと両手の武器を構えて引き金を引いて炎を放射すると吹き飛ばされる勢いを殺し、吹き飛ぶその勢いを殺したソラは体勢を立て直すとすかさずヴァレットに向けて炎の弾丸を放っていく。
放たれる炎の弾丸を前にしてヴァレットが指を鳴らすと彼の前で爆撃が起きてソラの放った弾丸が破壊され、さらにヴァレットが右手を前に構えると炎が圧縮された弾丸が放たれ、放たれた弾丸をソラはギリギリで回避する。
ソラがギリギリで回避した弾丸はソラを横切ると彼の後方で弾けて爆発を引き起こし、その爆発を受けたソラは背中を負傷しながら吹き飛ばされる。
「がっ……!!」
「どうしたぁ!!
さっきまでの威勢は!!」
「うるせぇ!!」
ソラはヴァレット強く言葉を返すと《ヒート・マグナム》で無数の炎のビームを、《フレイム・バレット》で200発の炎の弾丸を放ってヴァレットを追い詰めようとする。
しかし……
「甘いんだよ!!」
ソラの放った無数のビームと200発の弾丸を前にしてヴァレットは右手に炎を纏わせると地面を強く殴り、ヴァレットが地面を殴ると熱波が爆発を周囲に巻き起こしながらソラの放った全ての攻撃を消し去ってしまう。
「なっ……」
「てめぇも消えちまえ!!」
ソラの攻撃を消し去った熱波は爆発を引き起こしながらソラを飲み込み、熱波に飲まれたソラはその熱に身を焼かれ爆発で負傷してしまう。
「がぁぁぁあ!!」
「仕上げだ!!消えろ!!」
熱波と爆発に負傷させられたソラを殺そうとヴァレットは右手に力を集めて弾丸を放とうと構える……が、ヴァレットが構えるとシオンが雷を纏いながらソラのもとに現れ、ヴァレットが一撃を放つとシオンはソラを連れて敵の前から消える。
シオンがソラを連れて消えたことでヴァレットの攻撃は不発に終わり、シオンはヴァレットから少し離れたところにソラとともに現れると雷の矢をつくってヴァレットに向けて放つ。
シオンの放った雷の矢が高速で迫る中ヴァレットは自身の前に巨大な爆発を起こして強い爆風を発生させて雷の矢を消し去る。
「野郎、何でもアリかよ!!」
「シオン、助かった……」
「……無理しすぎだ、バカが。
オレの《晶眼》の未来予知がオマエの危機を知らせなかったら間に合わなかったんだぞ」
「あぁ……悪い」
「ビーストはとりあえずノアルに任せた。
今のノアルなら問題ないだろうからな」
(問題があるとしたらこっちだ。ヴァレット、コイツの能力はおそらく超広範囲攻撃型。オレやソラが力を集中させて放つことで射程と威力を高めるのに対してコイツはそういうのお構い無しで好き勝手暴れられるタイプだ。加減してあのレベルだとしたら……長期戦になったらオレたちが圧倒的不利になる。しかも爆撃、法則性皆無に等しいあの爆撃がこっちの動きを躊躇わせる)
「ソラ、動けるか?」
「当然。《魔人》の再生力があるから今ならそれなりに動ける」
「それなり、か」
(多分今のソラの動きはもうヤツの攻撃を高速で躱すほどの余裕はない。武器の攻撃の反動を利用した逆噴射による加速があっての話だとしたら攻撃面の低下は免れないか。なら……)
「ソラ、オレが囮になる。
オレの雷の速度なら爆撃を避けるだけのスピードは出せる。
オマエはヤツのスキをついてくれ」
「……任せとけ」
頼むぞ、とシオンはソラに攻撃を任せると雷を強く纏い、さらに纏う雷と体を一体化させると体から雷を溢れ出させながら髪を長く伸ばす。
「雷鳴王!!」
《雷鳴王》、シオンが持つ雷と同化して力を高める術だ。その状態で放たれる一撃は強力になり、その状態で走れば落雷にも匹敵するスピードを発揮する。
その状態になったシオンは拳を構えると動き出し、動き出したシオンは一瞬でヴァレットの背後へと移動すると彼を仕留めようと手刀で襲いかかろうとする。
しかし……
「それは知ってんだよな、これが!!」
シオンが背後から攻撃しようとするとヴァレットは背中に炎を集めると砲弾に変えて放ち、不意に放たれた炎の砲弾はシオンに襲いかかる……が、シオンの体に砲弾が命中するその瞬間にシオンの全身が雷に変化して砲弾をすり抜けさせ、すり抜けた砲弾が爆発するとシオンだった雷は消え、ヴァレットの頭上へとシオンは現れると雷の剣で斬りかかる。
「はぁ!!」
「すばしっこい野郎だな!!」
ヴァレットはシオンの雷の剣を躱すとシオンに至近距離から爆撃を食らわせようとするが、シオンはそれを予測していたかのように躱すとヴァレットに蹴りを食らわせる。
「……!!」
「よし!!」
(雷鳴王の雷速と《晶眼》の未来予知を組み合わせればヤツの爆撃を躱せる!!オレの魔力とスタミナの消耗に問題はあるがいける!!
落ち着いて対処すれば……)
『混ぜろ』
ヴァレットに蹴りを食らわせたシオンが更なる攻撃を放とうとすると何かがシオンを吹き飛ばし、吹き飛ばされたシオンが受け身を取って構えると意外な存在がシオンの前に現れる。
「コイツは……!?」
シオンを吹き飛ばし彼の前に現れた意外な存在、それは以前ヒロムが初めて《ユナイト・クロス》を発動させて倒したクリーチャーの一種であるクローザーだった。
「バカな!?コイツはヒロムが倒したはず……」
「その程度でクリーチャーは滅びん」
クローザーにシオンが驚いているとノアルが吹き飛んできて彼の前に倒れ、そしてビーストが歩いてくるとともにシオンに告げる。
「ペインの考えに乗って《魔柱》とかいうのを生み出し、負の感情とオマエらの力を吸収して新種を完成させて正解だった。姫神ヒロムと同じ顔のアイツは多少気に食わないところはあるが言ってることに関しては流石は他世界の渡航者なだけあってタメになる」
「ノアル、無事か!?」
「……問題ない。だが、どうやらオレのせいでビーストが強くなっている」
「……オマエの力と完全に同調してるのか!!」
「ああ、あのクローザーとやらを生み出せたのはオレから吸収した《魔人》の力を完全に操れているからだ」
「感謝するぞ愚かな弟。この力……相馬ソラに殴られたことで刺激を受けてより馴染んだ。そして、その結果オレの力はより高まった」
「野郎……!!」
「オマエらの読みは甘かったな。
前回追い詰めた経緯がある相手なら何とかなるとでも?そんなのは幻想でしか……」
「なら現実ごと焼き尽くしてやるよ」
ビースト、ヴァレット、クローザーが揃いシオンとノアルが追い詰められたと感じる中、負傷するソラは立ち上がると紅い炎を強く纏うと前に出る。
負傷したソラが前に出るとビーストは笑ってしまう。
「相馬ソラ、無理はよせ。
今のオマエは《魔人》の力を宿していようと半端な力を使いこなせてるとしてもそれでは万全に回復するまでの再生力を発揮できないはずだ」
「……そうだな。ノアルの教えだと《魔人》の力同士は引かれ合い高まると聞いていたが……どうやらそれは純粋な種であるオマエら兄弟だけの話みたいだ」
「ふっ、諦めるか?」
「笑わせるな……オレたちはいつでも逆境の中にいる。
だからこそ……オレたちは立ち上がる」
ソラが纏う炎を強くさせながら構える。すると……ソラの纏う炎がソラの体の傷を焼き消していく。
「なっ……炎がソラの傷を!?」
「待てソラ!!それは……」
「ナッツ、やるぞ!!」
「キュッ!!キュー!!」
シオンが驚く中でノアルは何故か止めようとするが、ソラはナッツに向けて合図を送り、合図を受けたナッツは強く鳴くと紅い炎を纏いながら天高く飛び上がる。
「霊魔合身!!」




