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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
戦絶震闘編
170/1085

170話 能力解放!!


 自身の持つ力を高めると共にその力を解き放った暴月ジンは身体を強化するとともに肉体に変化を見せながらヒロムの誘いに乗るように本気を見せようと構える。

 

 その姿を前にしたヒロムは嬉しそうな笑みを浮かべて彼と戦おうと構えるが、そんなヒロムを邪魔するように四ノ宮総悟は魔力の弾丸をいくつも生成すると撃ち放ってヒロムに向けて飛ばす。

 

「お呼びじゃねぇヤツが……邪魔してくれるなよ」 


 飛んできた魔力の弾丸をヒロムは難無く避けると四ノ宮総悟を睨み、ヒロムに睨まれながら四ノ宮総悟は暴月ジンに注意をした。

 

「ジン!!オマエのそれはタイミングが早すぎる!!

ギアバーストは消耗が激しい上にオマエの重力の力を無理やり高めるせいで肉体に大きく負担がかかるんだぞ!!」

 

「うるせぇぞ四ノ宮!!

コイツは何か企んで時間をオレたちに教えてやがる!!何かが起きるのは間違いなんだからここで素早く倒せばコイツの企みも阻止できるはずだろ!!」

 

「それが何か分からないのに先走るなと言っているんだ!!

ヤツの狙いがオマエの力の消耗ならオマエはわざわざ敵の罠に嵌ってるようなものだ!!」

 

 待って、と暴月ジンの判断を問題視するように叫ぶ四ノ宮総悟を止めるように科宮アンネは言うとタブレット端末を四ノ宮総悟に見せながら彼に話していく。

 

「ジンがギアバーストを発動させたことで勝率の演算がやり直しされて数字が変わったわ。0%が18%にまで一気に上がったわ」

 

「何が言いたい?」

「アンタがジンのギアバーストの負荷を気にするのはよく分かるわ。でもここはジンの判断に合わせてプランを変更すべきよ」

「18%の数字だけでそんな判断をさせるつもりか?」

 

「今簡易式で演算した結果、緊急時のギアバーストを軸にしたプランEBなら勝率は50%まで引き上げられるわ」

 

「50%にか?」

「50%なら勝つか負けるかは判断次第で何とでも出来るはずよ。だから四ノ宮、どうするかはアナタに任せる」

 

 判断1つで0%と示された勝率が覆せる、それを科宮アンネから伝えられた四ノ宮総悟はほんの一瞬だけ頭を悩ませて考えをまとめると暴月ジンに向けて指示を出すべく叫んだ。

 

「ジン!!そのままそいつを追い詰めろ!!

《フラグメントスクール》の生徒も残りのオレたちもオマエの援護に全てを注いで加勢する!!」

 

「ああ、任せとけ!!」

 

 四ノ宮総悟の指示を受けた暴月ジンは黒いオーラをさらに大きくさせると加速してヒロムに接近し、暴月ジンが接近するとヒロムはそれに応えるかのようにスピードを増しながら彼の動きに対応していく。

 

 ヒロムを倒そうとこれまでにないスピードで猛攻を放つ暴月ジン。対するヒロムは暴月ジンの猛攻を華麗な身のこなしで回避しつつ暴月ジンが大技を放てないように一定の歩幅で距離を詰めながら暴月ジンに対して次の手を読ませぬような動きを取っていく。

 

「コイツ……!!」

(オレの攻撃を防ぐのをやめたってことは今のオレの攻撃を受けた場合コイツに重力の負荷の倍加を与えられるってことは確かなはずだ!!だから一撃を当ててしまえばこの動きを止められる……はずなのに当てられねぇ!!しかも攻撃を躱しながらオレが次の攻撃を放ちにくいように間合いを詰めてきやがるからこっちの動きが逆に悪くされてる!!)

 

「あと40秒だ」

 

「うるせぇ!!」

(しかもこうやって事細かに時間を言ってきやがるから余計に急かされる!!科宮は勝率は五分五分とか言ってたけどその五分を掴むのが難しすぎる!!)

 

「総員ジンを援護しろ!!」

 

 ヒロムを相手に暴月ジンが苦戦を強いられていると四ノ宮総悟が指揮を執る形で銃器を持った《フラグメントスクール》の生徒たちを構えさせるとヒロムに狙いを定めさせて暴月ジンへの援護射撃をさせて加勢しようと動き出す。

 

 だがヒロムは暴月ジンへの視線を外すことなく間合いを詰めながら素早く後方へと回り込むと暴月ジンを盾にしながら《フラグメントスクール》の生徒たちが放つ援護射撃の攻撃を回避し、ヒロムに盾にされる暴月ジンは何とかしてヒロムを追おうとしながら自身への援護射撃を避けながら動こうとするがヒロムは暴月ジンの動きに合わせて動くせいで暴月ジンは思い通りに動けずにいた。

 

「この野郎……!!」

「あと30秒」

 

「いちいちうるせぇ……!!」

 

「ジン、援護する!!」

「いくぞ辻岡!!」

 

 暴月ジンがヒロムに苦しめられていると彼を助けようと辻岡と風宮が太刀と小太刀をそれぞれ装備して走ってこちらに向かってくる。2人の助けが入ることで暴月ジンは自身の動きを封じるような動きを続けるヒロムを止められると考えたのか一瞬動きが遅くなってしまう。

 

 その瞬間にヒロムは暴月ジンから離れるように走り出すとそのまま加速して辻岡の方へと向かっていく。

 

「なっ……」

(オレの相手をやめた!?

オレの本気を見たかったんじゃ……)

 

「まさか……オレが本気を出すよう仕向けて魔力を無駄に消費させながら辻岡たちを誘い出したのか!?」

 

「辻岡、対応するぞ!!」

「おう!!」

 

「……20秒」

 

 辻岡へと迫っていくヒロムは突然右足で何かを蹴り上げ、蹴り上げた何かを右手に持つと辻岡へと攻撃を放つ。

 

 攻撃を放つヒロムが手に持つもの……それは先程乱暴に投げ捨てたはずの波瀬が持っていた妖刀《乱刃》だった。

 

「波瀬の妖刀を!?」

「コイツ、無防備になったフリしてオレたちを捨てた波瀬の妖刀のある場所に誘き寄せたのか!?」

 

 《乱刃》で攻撃を放つヒロムの一撃を前にして辻岡と風宮は左右に避けた後でヒロムを狙って一撃を放とうと武器を構えようとしたが、ヒロムは《乱刃》を辻岡に向けて投げ飛ばすと今度は風宮の方へと走っていく。

 

「!?」

 

「風宮、今加勢す……」

 

 投げ飛ばされた《乱刃》を辻岡は避けた後ヒロムを追いかけようとするが、辻岡が《乱刃》を避けるといつの間にかヒロムは辻岡の背後へと移動して妖刀を回収すると辻岡と風宮に向けて無数の斬撃を放ってダメージを与え、さらにこちらに向かってくる暴月ジンに視線を向けると妖刀を逆手に持ちながら走り出す。

 

「辻岡!!風宮!!」

「他人と心配か?」

 

 逆手に持った妖刀を構えたヒロムは暴月ジンに接近すると距離を詰めながら執拗に攻撃を放ち、ヒロムの妖刀の攻撃を暴月ジンは躱しながら反撃の瞬間を狙おうとするが、ヒロムにそんなスキはなかった。

 

「こ、コイツ……」

「どうした?オマエの本気はこの程度か?」

 

「ちょこまかうぜぇんだよ!!」

 

「そうか……ほら、あと9秒だ」

「9秒……!?

だったら……!!」

 

 暴月ジンは黒いオーラをさらに強く纏うと黒いエネルギーを手に集め、集めた黒いエネルギーに形を与えると剣に変えてヒロムが持つ妖刀を防ごうと……したが、暴月ジンが黒いエネルギーの剣で妖刀を防ごうとするとヒロムは逆手に持つ妖刀を手放すと体勢を低くさせてターンしながら暴月ジンを避けるように素早く動いて背後へと回り込み、暴月ジンの黒いエネルギーの剣がヒロムが手放した妖刀を弾き飛ばすと暴月ジンは黒いオーラを強く放出させながら振り向くと同時にその勢いを乗せてヒロムを斬ろうとする。

 

 だが暴月ジンが機転を利かせた一手はそこにいたはずのヒロムを斬ることなく空を斬り、ヒロムは暴月ジンから少し離れた所に現れると手を叩く。

 

「……これでタイムオーバーか」

 

「いつの間に……」

『よォし、姫神ヒロムゥ。査定の時間は終われェ』

 

 ヒロムが手を叩き何かを呟き、ヒロムの居場所を確認した暴月ジンがヒロムに迫ろうとした時、解説担当の葉王がアナウンスでヒロムに何かを伝えていく。査定、その言葉を聞いた暴月ジンは葉王の言葉の意味が分からなかった。

 

「は……?査定?」

『打ち合わせ通りに5分間手加減してくれて助かるぜェ。全容の分からない《始末屋》の情勢とパワーバランスゥ、そして連携の組み方などの査定を任せたがァそれも終わりでいいィ。姫神ヒロムゥ、査定の結果を報告した上で……終わらせろ』

 

 淡々と話していく葉王の言葉に暴月ジンだけでなく辻岡たちもその言葉の意味が分からぬまま立ち尽くしているとヒロムは首を鳴らすと彼らに向けて告げた。

 

「オマエら……もういらねぇよ。

その名前の通りに……今から何もかも潰して消してやるよ」

 

「ふざけたこと……言ってんじゃねぇ!!」

 

 葉王やヒロムの言葉の意味が分からない暴月ジンは感情に身を任せるように走り出すとヒロムを殴ろうとするが、ヒロムが右手をかざすとその手から白銀の稲妻が強く放たれ、放たれた白銀の稲妻は暴月ジンを襲うと吹き飛ばしてしまう。

 

「!?」

 

 吹き飛ばされた暴月ジンは負傷して倒れ、暴月ジンが倒れるとヒロムは冷たい眼差しを彼らに向けながら宣告した。

 

「……抵抗するなら殺す。抵抗しないのなら綺麗に終わらせてやる」

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