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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
戦絶震闘編
147/1085

147話 開幕、初言


 ついに……決闘の日当日

 

 日本全国で注目が集まる中その日を迎えたこの日。決闘の会場となる《フラグメントスクール》の育成支援用大型施設のほとんどをこの日のために決闘に最適なコロシアムに組み替えられ、そこに設けられた観覧席は人気なのか満員となっていた。

 

 そして……ヒロムと縁のあるユリナたち女性陣は彼の母・姫神愛華や《一条》の当主・一条カズキと家臣の双座アリス、護衛の指示を受けたイクトとともに特殊な防壁と防護ガラスで出来た個室型特別観覧席にいた。大淵麿肥子が招待したとされる政界やら何やらの各界の著名人たちはユリナたちとは別の特別観覧席にいた。

 

『さぁ、大淵麿肥子防衛大臣によるスピーチが終わりいよいよ決闘が始まろうとしています!!実況と進行の私フリーアナウンサーの三千花菜々美が解説担当の鬼桜葉王さんとお送りします!!まずは大淵麿肥子防衛大臣サイドの……』

『三千花アナァ、毎回長々と言い難いの言うの大変だろうから大淵麿肥子が注目してる《フラグメントスクール》使うからそっちの名前にしちまェ』

『了解しました。では改めて……まずは《フラグメントスクール》の1戦目のメンバーの登場です!!』

 

 実況と解説の三千花菜々美というアナウンサーと葉王のやり取りが流れると1戦目の相手となる大淵麿肥子側の能力者がフィールドに入場してくる。

 

 《フラグメントスクール》の先鋭の9人を引き連れ現れたのは《始末屋》の太刀神剣一、そして彼と同じ装いの黒髪の青年だった。さらにその後ろから……大淵麿肥子がルール違反ギリギリで雇用した噂の大物が現れる。よく見ると9人の生徒の中にはかつてナギトと組んでいたという勇波タクトの姿があった。

 

『1戦目、《フラグメントスクール》の生徒たちを率いるリーダーの太刀神剣一さんは特殊部隊《始末屋》のリーダー、そして参謀担当の青髪の笠巻大智さんです』

『特殊部隊の名に恥じぬだけの気迫を感じるなァ』

『そして注目の天才、《聖王》アーサー・アストリアさん!!注目の天才能力者ということで期待が集まっていますね』

『天才という呼び名が飾りでないことを祈りたいなァ』 

『どのような活躍をされるのか期待ですね。続きまして《センチネル・ガーディアン》の1戦目の……』

 

「その程度しか揃えてこなかったのか?」

 

 三千花アナの入場のアナウンスが入るその瞬間、《センチネル・ガーディアン》側の入り口からロングコートのような黒い装束のヒロムが歩いて現れ、現れたヒロムは《フラグメントスクール》の生徒と太刀神剣一、笠巻大智、そしてアーサー・アストリアを順に見るとため息をついてしまう。

 

「オレを倒すつもりで戦力揃えてるかと思ったらまさかの外国人頼みで日本人に関しては二流の能力者しかいねぇのか。しかも《フラグメントスクール》の生徒もドブ川から汲み取ったみたいなヤツばっかか。……笑えねぇよ」

 

『おっと、ここで3戦目出場予定の姫神ヒロムさんが乱入か!?』

『いいやァ、これは宣戦布告だなァ』

『宣戦布告ですか?《フラグメントスクール》の能力者たちに勝つという絶対的な自信が……』

『いいやァ……これはこの国にいるこの決闘を見てるヤツらに対してだァ』

 

「……生温い覚悟での集結ご苦労だったな。

まぁ、下手すりゃ片腕無くなるつもりで戦え」

 

「ふっ、随分と偉そうなことを」

「コイツが噂の《センチネル・ガーディアン》の最強か。口先だけのヤツじゃねぇか」

 

 ヒロムの言葉を受けても平然としている太刀神と笠巻。だが客席は違った。ヒロムの傲慢な態度が気に食わないのかブーイングの嵐、罵倒するような言葉が飛び交う。そんな中……


 ヒロムは首を鳴らすと全身から白銀の稲妻を強く放出させ、放出させた白銀の稲妻を身の丈の数十倍にまで大きくさせると観覧席に向けて殺気を飛ばす。

 

 殺気が飛ばされると突然ブーイングの嵐が止み、静けさが広がっていくとヒロムは白銀の稲妻を消すと観覧席に向けて忠告した。

 

「オマエらはこれから自分たちの命を預ける相手を決める戦いを見届ける立場だ。それに関しては何も言わねぇ。だが……適当な言葉で適当な理由で口でオレに文句言うならフィールドに降りてこい。オマエらとどんだけ格が違うのかその身に叩き込んでやるよ」

 

 ヒロムの言葉が響く中、観覧席の客は何も言えずに沈黙している。その仲でヒロムは太刀神を見ると冷たく告げた。

 

「アンタも次の職を探すべきだな。今日無惨に負けて職を失うんだからな」

 

「面白いことを言ってくれるな。だがオレは負けない」

 

「コイツらを前にしても……それが言えるか?」

 

 ヒロムが指を鳴らすと《センチネル・ガーディアン》側の入り口から1戦目のチームとなるガイ・ナギト・真助が現れる。現れた3人、その3人の登場に空気が突然重くなり、そして重くなった空気は張り詰め始めた。真助とナギトは手ぶらだが、ガイに至っては腰に4本の刀を携行していた。おそらくその4本は……霊刀。

 

 彼らが登場するとヒロムは観覧席の客と1戦目ガイたちの相手に向けて忠告した。

 

「オマエらはまず自分の認識を改めるところから始めろ。そしてこれからオレたちの相手をするオマエらは覚悟を決めろ。オレたちに勝ちたいなら……殺すつもりでかかってこい」

 

 ヒロムの言葉が終わるとガイたち3人は太刀神たちの前に立ち、彼らが並ぶとヒロムは入り口の方へ歩いて去っていく。

 

「悪いな何とかアナ、続きをしてくれ」

『あっ……はい!!両チーム出場能力者が揃ったのでこれより1戦目の決闘を始めます。尚、勝敗に関しては《フラグメントスクール》側は全員の戦闘不能、《センチネル・ガーディアン》側は1人でも倒されればそれで終了となります。では……開始!!』

 

 ヒロムが呑気に入り口から姿を消すと三千花アナは気を取り直して説明し、そしてスタートの合図を送るようにブザーが鳴り響く。

 

 ブザーが鳴り響くと笠巻が走り出し、笠巻が走り出すと《フラグメントスクール》の生徒たち9人は続くように走り出す。

 

「《フラグメントスクール》、まずは敵の分断から始めるぞ。勇波タクトは蜂倉・千馬と先行、烏野・速瀬・月宮は先行する3人に続くように攻撃、敵がバラけたら玲音・国川・王馬は合流しないよう攻撃しながら仕留めにいけ!!」


 笠巻が的確な指示を出し《フラグメントスクール》の9人の生徒がそれに従うよう動き始めるとナギトは前に出て先行しようとする。

 

「おっ、ナギト。やるのか?」

 

「真助、《フラグメントスクール》のヤツらもらっていい?」

「好きなだけもらえよ。残りはオレが……」

「全部に決まってんだろ?」

 

「……いいね。ならオレはオレで楽しませてもらう。

ガイは?」

 

「……その残りをもらう」

 

「そうかよ。なら……オレとナギトで総取りにしてやるよ!!」

 

 作戦とも呼べないようなやり取りだけしてガイは動こうとしないままナギトと真助は走り出し、真助は走り出すと真っ先に笠巻を狙いに向かう。

 

「《狂鬼》鬼月真助……オマエにはその野蛮さが仇となることを教えてやる」

「言ってろクソ真面目。無駄な作戦立ててるようじゃ勝てないこと教えてやるよ」

 

 笠巻を相手にしようと真助は黒い雷を纏うと襲いかかり、真助が笠巻を攻撃していると勇波タクトを戦闘に《フラグメントスクール》の生徒たちが動き出そうとする。

 

「よしっ、オレたちもやるぞ!!」

「だね。作戦通り……」

 

「無理だけどね」

 

 勇波タクトの後ろを走る天然パーマの少年・蜂倉が加速しようとするとそれよりも先にナギトが蜂倉に接近し、ナギトは接近と同時に風を纏うと回し蹴りを放って蜂倉の顔面を蹴りそのまま壁面に叩きつけるように蹴り飛ばしてしまう。

 

 蹴り飛ばされた蜂倉は勢いよく吹き飛ぶとそのまま壁面に激突し、激突した衝撃を全身に受けた蜂倉はそのまま気絶してしまう。

 

「蜂倉!!」

 

「おい、タクト。人の心配してんなよ」

 

 蜂倉の名を叫ぶ勇波タクトにナギトは冷たく言うと風を強く纏う。風を纏うナギトのその姿を前にした勇波タクトは一種の恐怖のようなものを感じてしまい、それを理解してるであろうナギトは冷たく彼と他の生徒に向けて告げた。

 

「この程度で先鋭ならナメられてるよオレは。

オマエらは足りない……殺すことへの覚悟が足りなさ過ぎて話にならない」

 

 

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