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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
叛逆界雷編
1078/1085

1078話 未来の為の決着


 決着をつける、灰斗との戦いを終わらせるために動き出したヒロムは虹色の輝きを強く纏い駆ける中で加速すると灰斗へと迫って素早い蹴りを放って先制攻撃を仕掛けようとする。

 

 が、ヒロムの接近と素早い蹴りに対して灰斗は禍々しい闇を纏わせた右腕で防ぎ止め、蹴りを防ぎ止めた灰斗は鬼人化に伴い額に現れた角に闇の力を収束させると彼に向けて闇をビーム状に放射させて迎撃しようとした。

 

 至近距離で放たれるビーム状の闇、数秒で直撃してしまうだろうという距離で放たれた敵の攻撃に対してヒロムは自身の蹴りを防いだ灰斗の腕に敢えて追撃の蹴りを放つ事で反動を生み出しそれを利用して体を回転させながらビーム状の闇を華麗に受け流してみせる。

 

 ビーム状の闇を華麗に受け流したヒロムは虹色の輝きを纏いながら素早く敵の後ろへ回り込むと輝きを右手に収束させ力を高めながら一撃を拳撃と共に叩き込もうとした。

 

 華麗な受け流しによる攻撃回避から後方への回り込み、敵の反応を上回る速度での背後からの拳撃で戦いの流れを掴もうとするヒロムのその一撃が迫る中、灰斗は禍々しい闇の力をさらに高めさせると自らの皮膚を硬化させ、さらに背面の皮膚に膜を張らせるように新たな皮膚を形成させると瞬間で硬化させて甲殻へ変異させる。

 

 ヒロムの一撃が放たれ直撃する瞬間までの5秒にも満たぬ時の中で生み出された甲殻は灰斗が狙ったであろう通りにヒロムの一撃を防ぎ受け止め、拳撃の直撃と共に引き起こされるはずだった衝撃と虹色の輝きの力さえも周囲へ飛散させるように防御を成功させてしまう。

 

 相手の攻撃を甲殻形成によって凌いだ灰斗、次なる攻撃を放つために禍々しい闇の力を高めると共に背面に形成させた甲殻を無数の刃へと更なる変異を起こさせて針山が如き勢いでヒロムを貫かせようとした。

 

 灰斗の反撃、背後のヒロムを視認する事無く仕掛ける変異攻撃で灰斗はヒロムを仕留めようとするがヒロムは無数の刃が迫り来る中で虹色の輝きの煌めきを強く引き起こさせると無数の輝きの粒子となってその姿を消すと同時に灰斗の反撃を回避してみせる。


「アノ男ハ……!?」


 輝きの粒子となって消えた事で攻撃が不発に終わっただけでなくヒロムの姿を見失った灰斗は急いでその行方を探ろうと気配を探知しようとする。


 そんな敵の頭上へ輝きと共にヒロムに現れ、現れたヒロムは灰斗が反応する前に仕掛けようと虹色の輝きに加えて白銀の稲妻を拳に纏わせその力を高め始める。


 その力の高まりが敵の気配探知の決定的な手助けとなってしまい灰斗は自身の頭上に現れたヒロムを視界に捉えようと顔を上げ禍々しい闇を強く放出させようとした。しかし、灰斗のこれを予測していたらしいヒロムは天へと顔を向けた灰斗の視界から瞬間で消えると天を向く灰斗の真正面に現れ地を蹴り迫ろうとする。



 天を見上げる敵へ拳を叩き込む、地を蹴り敵へ迫るヒロムは確実に叩き込める間合いへと踏み込むと同時に強く踏み込み拳に力を入れ纏わせる2つの力を高めさせながら一撃を叩き込もうとするが、そのヒロムの踏み込みを予測し待っていたかのように灰斗は素早く顔をヒロムの方へ向け視界に彼を捉えると禍々しい闇の力を解き放ち迎え撃とうとする。

 

「貴様ナラ、コウスルト思ッタ……!!」

「まさか、オレを真似て動きを先読みしたか」

 

「コノ間合イ、ドチラノ攻撃ガ先二命中スルカガ命運ヲ決メル事二……

「ただ……所詮模倣は模倣か」

 

 灰斗の動きと迎撃に至るまでの流れ、そして言葉から先読みを実行したのだと理解するヒロムに対して灰斗は秘策でもあるように片言の言葉を並べていくがそれを聞かされるヒロムはため息をつきながら呆れた反応を見せる。

 

 彼のため息と呆れた反応の意図が分からない灰斗だったが次の瞬間、無数の刃をヒロムが躱す際に生じた輝きの粒子は強い煌めきを発すると光弾となりながら灰斗を背後から襲撃し、真正面にいるヒロムを迎撃しようとする灰斗の意識の外たる背後から次々に襲いかかると灰斗の背に残ったままの無数の刃は光弾が直撃したと同時に破壊され、無数の刃が破壊された事を灰斗が理解した瞬間に無防備となった背中に更なる光弾が襲いかかり直撃していく。

 

「何……!?」

「先読みを模倣するってんなら死角にも気を配れるようになってからやるんだな」

 

「マサカ、アノ粒子スラ……

「この瞬間に導くための布石に決まってんだろ!!」

 

 もう意味を成していないと勝手に判断した灰斗が無視した輝きの粒子が変化した光弾による背後からの襲撃でヒロムの接近に対しての迎撃を阻止されるだけでなくヒロムの一撃が叩き込まれようとする中で光弾直撃によって仰け反ってしまい動きが僅かに止まる中でヒロムは拳に纏わせたその力をさらに強く高めさせると渾身の一撃を敵へ叩き込み、ヒロムの拳撃が叩き込まれると虹色の輝きと白銀の稲妻のその力が炸裂して解き放たれる事で灰斗は拳撃に加えその力に襲われ負傷しながら殴り飛ばされてしまう。

 

 殴り飛ばされた灰斗は勢いよく地に叩きつけられるように倒れてしまうも禍々しい闇を強く放出させながら受け身を取ると起き上がっていく。

 

「オノレ……!!」

 

 起き上がった灰斗は自身を殴り飛ばしたヒロムへの怒りを表すように強い口調で言葉を吐きながら闇を強く放とうとするが、灰斗が闇を強く放とうとする瞬間にヒロムは灰斗との間合いを詰めるなり敵の顔面を強く蹴って怯ませ攻撃を妨害してみせる。

 

 さらにヒロムは攻撃を妨害され怯んだ状態の灰斗を追い詰めようと虹色の輝きを両腕に纏わせると拳の連撃を叩き込んでいき、連撃を叩き込まれた灰斗はその連撃の力に抗えずにダメージを受け続け、ヒロムの連撃が叩き込まれて数秒経つと時間差で連撃に秘められた力が炸裂して敵をさらに追い詰め大きなダメージを与えながら地に膝をつかせる。

 

「グッ……!?」

 

 ヒロムの放った拳の連撃と炸裂する力により確実なダメージを食らわされ地に膝をつく灰斗は食らわされたダメージによる苦痛にも襲われてしまい追い詰められる敵を仕留め決着をつけようと考えるヒロムは灰斗を視界に捉え拳を強く握ると虹色の輝きを強く纏わせ煌めきを放出させていく。

 

「そろそろ終わりにしようぜ、クソ野郎」

 

「貴様……既二勝ッタ気デイルノカ……!?」

「勝った気?勝ち負けがどうとかどうでもいい……オマエを倒して未来へと進む、ただそれだけだ」

 

「黙レ……未来ナドト宣ウ事、綺麗事ヲ吐クナド許サン!!」

「悪いな……綺麗事でも決めた事を遂行するには押し通すしかねぇんなら意地でも貫くって決めてんだよ、こっちは!!」

 

「ホザケェェェェ!!」

 

 ヒロムの言葉を綺麗事だと否定しようとする灰斗のその言葉をものともせず自らの意思を押し通すためならばその綺麗事を貫き通すと返して虹色の輝きと煌めきをその覚悟を体現するが如く強く強く高めさせながらヒロムは拳にその力を収束させ、ヒロムの覚悟と意思を貫こうとするその言葉を力で捻じ伏せ拒絶しようと灰斗は禍々しい闇の力をこれまで以上に強く高めさせると螺旋に渦巻くビーム状に解き放ってみせる。

 

「消エロ、精霊ノ王ガァァア!!」

「いいや、消えんのはオマエだ……呪いの器!!」

 

 灰斗が解き放った闇が迫り来る中でヒロムは虹色の輝きと煌めきを強く纏わせた拳を突き出すように一撃を放とうとし、一撃を放とうと突き出された拳の纏う輝きと煌めきが虹色の衝撃となって先陣切るように地上を駆け抜けていくと灰斗の攻撃を吹き飛ばし、そして……

 

「貫けぇぇぇぇ!!」

 

 灰斗の攻撃を吹き飛ばし道が切り開かれたその時、ヒロムの突き出した拳から彼の意志を体現するように輝きと煌めきの力が解き放たれて虹色の光線と成り、虹色の光線と成ったヒロムの攻撃はその力を高めさせながら灰斗に襲いかかっていく。

 

「ガァァァァァァァァア!!」

 

 ヒロムの解き放った虹色の光線に襲われた灰斗はどうにか抗おうとするも抗う事が出来ずに苦しむしかなく、苦しみに襲われ悲痛な叫びを発する灰斗は輝きと煌めきにその身を焼かれ肉体を崩壊させていく。

 

「ミ、認メン……コンナ結果ァァァァァァ、認メンゾォォォォォォォ!!」

 

 ヒロムの放った力に身を焼かれ崩壊を辿る中にある灰斗は自らが迎えようとする結末とその運命を否定しようと叫ぶがそんな事が許されるはずもなく全身焼け焦げ、虹色の光線の力が更なる高まりを見せながらその力を解放されると崩壊を辿る途中だった焼け焦げ果てた灰斗の肉体は爆ぜるように吹き飛び跡形もなく消滅していく。

 

 呪具使いとして現れた灰斗、力と強さを求めたであろう呪具使いはその心を悪意に飲まれ化け物となり、憎悪を募らせ鬼人と成ったその果てで滅びを辿り終わってしまった。

 

 哀れな末路を辿る他無かった敵を終わりへ導いたヒロム。彼は自らが倒した敵の全てが何も残らず消えるのを見届けるとどこか悲しげな目を向けたその直後に顔を逸らしてしまう。

 

 悪意に堕ち化け物と成った人間とヒロムの戦いは終わった。だが……

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