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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
叛逆界雷編
1067/1085

1067話 呪獣、開咬


 悪意の魔女の非道な行いに感情を抑えず怒りを見せるギルナイトを敵のもとへ向かうよう伝えたヒロム。彼の言葉を受けたギルナイトがアウロラを倒すべく駆け出すと彼の動きを察知した灰斗が彼の邪魔をしようと思ったのかそちらに向けて動き始めようとした。

 

「うう……」

「オマエとの決着はオレたちでつけてやるよクソキモロン毛!!」

 

 アウロラに迫ろうとするギルナイトを妨害しようと動き始めた灰斗の行動を邪魔するように虹色の煌めきを強く纏ったヒロムが飛び蹴りを放ち、ヒロムが飛び蹴りを放つと灰斗の瞳が妖しく光ると彼の周囲を舞う4つの呪具がヒロムの飛び蹴りを受け止め防いでしまう。

 

 飛び蹴りを防がれたヒロムは舌打ちをすると深追いせずに飛び蹴りを防いだ呪具を蹴る形で飛び直すと灰斗から離れた所へ着地を決める。ヒロムが離れた事で灰斗は再びギルナイトの邪魔をしようと動き出そうとするが今度は蒼炎を纏ったガイと黒炎を纏ったイクトが一撃を撃ち飛ばして彼に命中させようとした。


 2人が放った攻撃が向かってくると灰斗を守ろうともう一度4つの呪具が盾となって防ぎ止めるが、この2度目の防御によって灰斗のギルナイトへの妨害は完全に阻止される。そして……


「人間共は気に食わないが……足止めは感謝する」


 ヒロムたちによる灰斗への妨害を伴う攻撃でアウロラに接敵する事が成功し、この流れと彼らの手助けを無駄にしないためにギルナイトはアウロラとの戦闘に再度突入した。ギルナイトとアウロラの戦闘が再開される中でヒロムはガイたち仲間と合流して灰斗を倒すための戦いを始めようとしていた。


「ううっ!!」

 

「邪魔したけりゃオレたち倒してからにしろやキモロン毛!!」

 

「生憎……負ける気は無いがな」

「まっ、オレたちに勝てないの理解出来ないならおいでよ」

 

 獣のように唸る灰斗を強気で煽るヒロム。彼に続くように負ける気が無い事を語るガイとイクト。精霊、天霊、幻霊の各種族の王の資格を受け継いだ現代の王が並び立つ中で彼らに加勢するべくノアル、真助、タクトが駆けつけ並んで武器を構えた。

 

 6人が敵を倒すべく並び立つ中で少しの躊躇いがあったのかナギトも遅れる形で彼らの列に並ぼうとし、ヒロムたちが総出で灰斗を倒そうと言葉が無くとも心を1つにする彼らの士気は高まっていた。

 

 ヒロムたち7人の勇敢な能力者が並び立つ中、相対する灰斗はと言うと……

 

「うぅぅう……あぁ、ああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!!」

 

 目の前に並び立つヒロムたちを目にした灰斗は理性など無い野獣が如き雄叫びを上げ、雄叫びを上げる灰斗のその雄叫びに共鳴するように彼の周囲を舞う4つの呪具が禍々しい闇を解き放つように砕け散っていく。

 

「「あぁぁあぁぁあ……!!」」

 

 4つの呪具が砕け散ると闇に苦しめられているそれらを使用していた4人の呪具使いの体に亀裂が広がっていき、亀裂が広がると4人の呪具使いの肉体が闇へ変異してしまい、4人の呪具使いだったはずの闇は灰斗に集まると砕け散った4つの呪具と共に取り込まれていく。

 

「な、何……!?」

「呪具使いと呪具を……取り込んだのか!?」

 

「え!?まさか、捕喰!?」

「何かされる前にぶっ潰……

「ぁぁぁぁぁああああああああ……アァァァア!!」

 

 ただ目の前で起きてる事を把握するしかないヒロムたち。とにかく早々に潰すべきだと真助が提案しようとする言葉を遮るように灰斗の雄叫びが奇声に近いものへ変わると彼の肉体は禍々しい闇に飲み込まれ、灰斗を飲み込んだ禍々しい闇は繭のように変異していく。

 

 そして、繭のように変異した禍々しい闇を突き破るようにしながらその内側から灰斗が現れる。が、その現れた灰斗の姿は人としての面影を残しながらも化け物へと変わり果てていた。


 額からは歪な形の角が、背中には皮膚を突き破るように禍々しい翼と茨のような尻尾が生えており、腕や脚、胴体の一部には鎧にも見える甲殻のようなものを纏ったその姿はもはや化け物と言うしかなかった。


 その見た目はハッキリ言って恐怖を象徴するかのようなものであり、灰斗だったその化け物を目にしたユリナたちは恐怖を感じずにはいられず、飛天や希天といった幼い精霊たちも怯えてユリナたちの後ろに隠れてしまう。


 恐怖に襲われるユリナたちと幼い精霊たちが後ろにいる、そんな状況の中で彼女たちを守り恐怖の象徴となっている敵を倒すためにヒロムたちは力を高め始める。

 

「クソキモロン毛……そこまでいくとただのクソキモモンスターじゃねぇか」

 

「ヒロム、どうする?あの感じ、多分取り込んだ4人の呪具使いの力も糧にしてるだろうからヒロムがボコしてた時と比較出来ないレベルで強いはずだ」

「つっても大将も強くなってるからね。とりあえずでどうするか、だよね?」

 

「とりあえず?そうだな、ならガイたちは好きに動いてくれ」

 

「え?大将の指示それだけ?」

「んだよ、てっきり慎重に行くのかと思ったら行き当たりばったりで行く気なのか?」

 

 化け物と化した灰斗を倒すための指示を仰ぐガイとイクト。これは敵を倒すために必要な事だとしての言葉だったが、ヒロムは好きに動けと返すだけだった。

 

 単純過ぎる返事に思わず聞き返してしまうイクトの隣から意外そうにヒロムに尋ねる真助。そんな彼らに対してヒロムは自らの言葉の意図を語り始めた。

 

「あの化け物の能力が分からないんなら無駄な作戦を組み立てるよりは臨機応変に対応する方向の方が連携を取るって意味では組み立てやすいはずだ。オマエらが自由に動く代わりにオレが連携を取れるように繋げる」

 

「繋げるって……どうやってだ?」

「大丈夫だガイ。新しいこの《ソウルギア》を発動して虹色の輝きを使ってるうちにこの力の使い方を理解出来てきた。今なら……精霊の因子の《先導》の発揮する方法を実行出来る気がするんだ」

 

「それって……」

「今はこれ以上説明してる場合じゃない。だから……オマエらはあの化け物をぶっ飛ばすために全力で戦え!!」


「……オマエがそこまで言うなら信じる。だから、頼むぞヒロム!!」

「大将が何とかするんなら当然信用するしかないってな!!」

 

 何とかする、作戦を立てずに臨機応変に連携へと繋げる旨を伝えたヒロムは仲間に対して今は全力で戦えと強く伝え、ヒロムのその言葉と彼の強い意志を受けたガイとイクトは仲間を代表するように強く応じ、そして……

 

 ヒロムの言葉を信じるガイたちは目の前の化け物を倒すべく駆け出す。

 

 ガイたちが駆け出すと彼らを敵と認識して排除しようと灰斗は雄叫びのような奇声を上げると禍々しい闇を体外へと強く放出させるとそれらに形を与えて無数の球体へと変化させていく。変化させた闇の球体に対して灰斗が右腕をかざすとそれらは素早く回転しながらガイたちを襲うべく撃ち飛ばされ、ガイたちはうち飛ばされた闇の球体を対処するべく足を止めようとした。

 

 が、そんな彼らの後ろからヒロムによって強く放たれた虹色の輝き飛んで来て迫り来る全ての闇の球体を防ぎ止め、虹色の輝きによる援護により対処を避けられたガイたちはこの瞬間を逃さぬよう地を強く蹴り加速する。

 

 「見せてやるよ化け物野郎……オレたちの導き描く希望への未来を!!」

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