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レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
叛逆界雷編
1019/1085

1019話 怪敵戦来


 高校生の学び舎を破壊するかのように現れた正体不明の3人の男。3人の男を『敵』と即断即決して敵意を向けるヒロムとガイ、2人が敵意と共に殺気を向けている事に気づいたであろう灰色の長髪の青年は不吉な笑みを浮かべながら共に現れた他の男に向けてなにやら話し始めた。

 

「画切からの定期連絡が途絶えたと思ったらこれだよお2人さん。どうすんのさ?誰かさんの言う通りに画切の経過報告待ってたら待ち伏せされてるよ?」

 

「ゴチャゴチャ言うなや阿呆ガキが。画切の経過報告云々があろうがなかろうがどの道コイツらは殺らなきゃならなかっただろうが」

「論点ズラすなよ。報告を優先したのはオマエだろ?オレもそいつも巻き込まれた側だからまずは謝れや」

 

「言葉には気ぃつけろや腐れ外道の爆発アフロ。四の五の言うくらいならオマエが自力で殺れや」

「おうおう、見えてねぇくせに口だけは達者だな」

「口だけかどうか……ここで試して殺ろうか?」

 

 ヒロムやガイたちの前に現れ彼ら2人に『敵』として認識されている謎の3人は何やら揉めており、仲違いでも起こしてるような状態の相手を前に見たくもないものを見せられるヒロムは鬱陶しそうにため息をつくとただ冷酷に睨みつけるような眼差しを向けながら3人に対して今問うべき事を問い詰めようとした。

 

「オマエらは《世界王府》の人間、目的はオレたちを殺しに来たってので間違いないよな?」

 

「迷いもなくそこ聞くなんて……せっかちなのか?」

「楽に死にたいなら必要な事だけ答えろ。オレたちはオマエらを生かす気はないが、対応次第ではそれなりの誠意を持って応えてやる。だから答えろ……オマエらは《世界王府》の人間なのか、誰の差し金でここに来たのかをな」

 

「……会話にならないな、この覇王は」

「答える気がないから実力行使って事になる……後悔すんなよ?」

 

 ヒロムの問いに対して長髪の青年は真面目に答える気がないのかふざけたような態度で言葉を返し、青年の態度からまともな会話など成り立たないと判断したヒロムは実力行使……つまり、戦う他ないとして自身の体に白銀の稲妻を強く纏わせその力を持って敵を威圧しようとした。

 

 当然ながらヒロムの隣に立つガイもヒロムと同感であり、彼はヒロムの戦闘に加勢するべく蒼炎を軽く右手に纏わせるとその蒼炎に形を与えるようにしながら霊刀《折神》へと変化させて装備し、ガイが《折神》を構えると瞼に傷跡のある両目を閉じた男が何やら感じ取ったかのような小さな反応を見せた後、少し意外そうにガイの方を向きながら言葉を発した。

 

「この感覚……業物の中でも一級品の霊刀か。こんなガキがその業物に認められているとは思わなんだ。あの方の命令とはいえここに来たのは幸運と言えよう……業物に認められた剣技と合間見える機会に感謝だ」

 

「単なる戦闘狂か」

「油断するな雨月。両目を閉じた特徴的なあの男……私の情報に間違いないなければあの男は朧波、2年前に国外への逃亡・失踪扱いで処理されたはずの殺し屋だ」

 

「朧波だって?あの業物漁りのか?」

「流石は剣術家の家系で霊刀を正しく受け継いだ雨月、知っていたか。その業物漁りの殺し屋が目の前にいるあの両目閉じだ」

 

 

「ほぅ……オレを知ってる輩が2人もいるとはなぁ。死人同然のオレに生きる意味を与えてくれたあのお方には申し訳ないが……今宵は己の心のために愉しませてもらおう」

 

「やれやれ……勝手に盛り上がるなよオッサン。アフロも何か言いなよ?」

「アフロじゃねぇ、打剛だ長髪」

「それを言うならオレの名前は灰斗だ、てね」


 朧波、シャウロンによりそう呼ばれガイも存在を認識している両瞼に傷跡を持つ両目を閉じた男はガイが霊刀を所持している事から相当な腕があると期待するような言葉を発し、朧波がガイとの戦いに期待を膨らませる中で長髪の青年とアフロの男が些細な口喧嘩になりかけており、その会話の中で『灰斗』と『打剛』とそれぞれが名を名乗った事で3人の敵の名前が判明した……のだが、朧波に目をつけられたガイは彼にしか関心がなく、さらに言えばヒロムは他の2人含めて敵の名前にすら興味が無いのか退屈そうに欠伸をしていた。

 

「ふぁ〜……終わったか、三下共?」

 

「……何ぃ?」

 

「終わったか聞いてんだよ理解力0男。視界と一緒に思考も無くしたのか?あ?」

「このイキり小僧が……!!」

「イキり小僧じゃねぇ……覇王だ。間違えんなや四流野郎」

 

「このっ……

「ガイ、あの死に損ないの盲目を任せるぞ」

 

「そのつもりだ。他はオマエが?」

「そんなわけない……よな、ノアル?」

 

 もちろんだ、とノアルはヒロムの言葉の全てを汲み取ったかのように返事をすると彼の隣に並び立ち、ヒロムの隣に並び立ったノアルは光と闇を重ねるように纏うと《スピリット・ライズ》の力を発動させて黒鬼の意匠を持つ白いアーマーの騎士の姿へと変化を遂げてみせ、そしてノアルは打剛を指差しながらヒロムとガイへ自らの意思を伝えようとした。

 

「オレがあのサングラスの男の相手を引き受ける。ヒロムとガイはそれぞれの戦いをしてくれ」

 

「そのつもりだ」

(つうか特徴的な髪型スルーしてサングラスに触れんのかよ……)

 

「ノアル、品性の無い歓迎になって悪いな」

「気にするなガイ。彩蓮学園の生徒として接待を受けるよりも《天獄》の能力者として振る舞う方が気楽でいい」

「ふっ……ヒロムの影響受けてるせいか物わかりがはやくていいな」

 

「……くだらねぇな、ったく」

 

 やる気になるノアルと彼の言葉に嬉しそうに微笑むガイ。2人のやり取りを見るヒロムはやれやれといったような反応と共に横目で見ながら構えようとするが、ヒロムが構えようとする中でその行動を可笑しく思っているらしい灰斗が不吉な笑みを浮かべながらヒロムたちの言動について触れるように言葉を紡ぎ始めた。

 

「愉快だねキミたちは。まさか戦力を整えるだけ整えてそれで大丈夫と思ってるの?」

「何が言いたい?」

「こっちが3人だから3人揃えばいいと思ってる感じだよね?でも残念だよね……それ、大丈夫じゃないんだよ」

 

「時間稼ぎか何かのつもりか?」

「いいや、普通に意見を述べてるだけ。だってそうだろ?オレたちが通ってきたゲートは……まだ健在だぜ?」

 

 自分たちがここに現れるに際して先んじて出現した入口のように扱われていた闇の穴は灰斗の言う通りまだ存在しており、灰斗のその発言を合図にするかのように闇の穴の奥から無数の火炎球が飛来し、現れた火炎球は灰斗たちの頭上を飛び越えるとその勢いのままヒロムたちに襲いかかろうと迫った 。

 

「残念だったね!!3人だけなわけない!!こっちにはまだ……

「残念なのはオマエだろクソロン毛」

 

 灰斗が意気揚々とヒロムたちを嘲笑うかのように言葉を発し嬉々と叫んでいる最中で冷たく吐き捨てるような言葉と共にヒロムたち3人の後方から水流の矢が次から次に勢いよく飛んで来て火炎球を射ち貫き相殺消滅させ、さらに水流の矢が飛んで来て灰斗たち3人に襲いかかろうとした。

 

 突然飛んできた水流の矢に対して灰斗はやれやれと言ったような顔で右手をかざすと闇を放出させて水流の矢を破壊してみせ、水流の矢を破壊した灰斗はそれが飛んできた方向に視線を向け、そして……

 

 

「あぁ、そういえばいたな……予想外なのが」

 

「予想外?なら頭に叩き込んどけ」

 

 灰斗が視線を向けた先……ヒロムたち3人のいる地点から少し離れた後方でユリナたちを守るかのように流蓮弓を構えるタクトが立っており、タクトの存在を認識した灰斗のその認識を把握してたかのようにヒロムは冷たい眼差しを向けながら敵3人に向けて告げてみせた。

 

「何をもってして判断したかは知らねぇがこっちは4人、オマエらが何企もうがオレたちが悉く潰してやるから大人しく殺されろ。言う通りにするなら楽に殺してやるよ」

 

「へぇー……アンタら、思ったより楽しめそうじゃんよ」


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