表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
叛逆界雷編
1014/1085

1014話 死を恐れぬ狂者


 イクトの言葉で再起しやる気を漲らせる真助は我先にと画切へ向けて駆けて行き、真助が再び迫り来るのを視認した画切は長刀の呪具《骸嶽》を構え迎え撃とうと歩を進め始め、画切が歩を進め始めると敵の背から出ている左右一対の骸骨の腕が不気味な力を纏い始める。

 

「憐憐、いくら精神を立て直そうと今のオマエと吾では力の差は歴然。一瞬の判断で吾の《骸嶽》の効果範囲から逃れたというのに……愚かにも水から死にに来るとは!!」

 

「戦えばどっちかは負けてどっちかが勝つ……オレとオマエのどぅちが勝者に相応しいかハッキリさせないと死ねねぇんだよ!!」

 

 真助の行動を無駄だと呆れる画切に対して真助は『村正モード』の闇の力を高めながら加速しながら画切との間合いを詰め、同時にそれが画切の呪具の力の効果範囲に踏み入る事だと理解している真助は妖刀《狂鬼》を構えると闇を纏わせながら一閃を放とうとした。

 

 真助が一閃を放とうとするとそれを妨害するかのように大地を突き破って2本の骸骨の腕が新たに現れて妖刀の一閃を防ぎ止めて真助の攻撃を弾いてみせようとした。が、真助の攻撃を2本の骸骨の腕が弾こうとすると真助は闇に重ねるように黒い雷を轟かせるように強く纏うと妖刀を強く握り一閃を防ぎ止めた敵の力を押し切ろうと強く踏み込んだ。

 

「こんなもんで……止められてたまるか!!」

「どれだけ力を高めても吾には及ばぬ!!」

 

 真助が力をさらに高めて妖刀の一閃を止める2本の骸骨の腕を押し切ろうとするのを無駄だと言わんばかりに画切は彼の頭上から新たな骸骨の腕を出現させて攻撃を妨害しようとするが、真助の頭上に新たな骸骨の腕が現れたと同時に黒い斬撃がどこからか飛んで来て命中して真助への妨害を阻止するだけでなく見事に両断してみせた。

 

「何っ!?」

「残念無念、やり直しだよ自惚れクソ野郎」

 

「そんで……とっとと退けや!!」

 

 真助の行動を妨害しようと新たに出現させた骸骨の腕が破壊された事に画切が驚いていると真助の後方からイクトが《月獄》に紫色のオーラを纏わせながら一撃を放とうと力を溜め高めながら構え、イクトが力を蓄積させ高める中で画切の意識が妨害すべき対象から逸れたのを見逃す間もなく真助は闇と黒い雷の力を高めながら妖刀を振り抜いて自身の道を阻む2本の骸骨の腕を薙ぎ払い破壊し、2本の骸骨の腕を破壊した真助はその勢いのまま画切を仕留めるべく振り抜いた勢いで回転しながら更なる一閃を敵へ叩き込もうとした。

 

 だが……

 

「……甘い!!」

 

 真助が再度一閃を放ち敵に叩き込もうとするも画切はそれを受ける事を許すはずがなく不気味な力を強く纏った背中の2本の骸骨の腕に拳を強く握らせ拳撃を放たせ、画切の背の骸骨の腕が拳撃を放った事でその一撃が真助の一閃と激しく強くぶつかり、鍔迫り合いに持ち込まれるかと思われたが真助は画切との一撃のぶつけ合いに力負けしてしまって妖刀を弾かれ、妖刀を弾かれた事で体勢が崩れた真助に正真正銘無防備な隙が生じるとそこを見逃さない画切は新たな骸骨の腕を不気味な力を纏わせながら出現させると同時に渾身の拳撃を叩き込んで真助を殴り飛ばそうとした。

 

「っ……!!」

「甘甘!!たかだか味方の助力1つで突破口を得て勝ちを見出すとは早計にも程がある!!」

「……それは、オマエだろ?」

 

 真助に骸骨の腕の渾身の一撃が叩き込まれた事で彼に対して優位性を感じてか余裕を見せるような言葉を発する画切だったが、画切が余裕を見せるような態度を見せていると真助は骸骨の腕の渾身の一撃を受けてダメージを受けながらも殴り飛ばされることなく耐え凌いでみせ、敵の渾身の一撃を受けて打撃の衝撃を体の内側に受けたであろう真助は吐血してしまうも不敵な笑みを画切に見せ、真助の不敵な笑みを目にした画切は彼から何かを感じ取ったのか一瞬焦ったような表情を見せてしまう。

 

「コイツ、何故……!?」

「見た目だけで重さも何もねぇ……こんなもんに比べたらヒロムの一発の方が重てぇんだよ!!」

 

 敵の渾身の一撃を受けるも耐え、それだけでなくさらにやる気を増幅させるように感情を高ぶらせた真助が重ねるように纏う闇と黒い雷の2つの力を解き放たさせると彼を殴った骸骨の腕が2つの力の衝撃に耐えれず爆ぜるように破壊され、左右一対のうち片方を破壊された事が想定外だったのか別の理由なのかは不明だが画切は苦悶の表情を浮かべると破壊された骸骨の腕を素早く修復させながら真助から一旦離れようとした。

 

「危危……この男、このまま相手にするのは無謀過ぎる!!」

「逃がすと思う?」

 

 今の真助をこのまま相手にするのは危険、そう判断した画切は慌てて距離を取ろうと後ろに大きく跳ぼうとするが、敵が行動を実行しようとした瞬間、真助の後方で大鎌を構えるイクトは攻撃対象となる画切と自身の間に真助がまだ立っている中で勢いよく大鎌を振り、真助がいる中で大鎌を振るなど血迷ったとしか思えなかった画切の動きはその反応に合わせるかのように止まろうとしてしまう。

 

 画切の動きが止まろうとした、まさにその瞬間だった。

 

 イクトが大鎌を勢いよく振ると何かが起きるでもなく大鎌に溜められていた紫色のオーラが解き放たれ、紫色のオーラが解き放たれると真助が障害物となり届くはずがないと思っていた画切の体に斬撃を受けたかの如く肉を抉ったような傷が現れ、傷が現れた事に数秒遅れる形で認識した画切は激痛に襲われ血を吐いてしまう。

 

「疑疑……何故……!?」

「真助がいるから当たらないって?残念……真助を避けてオマエに干渉するくらい王の名を受け継いだ今のオレには余裕なんだよ」

 

「がっ……窮窮、こんなはずが……鬼月真助を無視して吾に命中させ……否否、そもそも、斬撃は……

「んだよ、この程度か?」

 

 イクトの一撃であろう傷を負った事でこれまで安定した精神状態で戦闘を行っていた画切の中に乱れが生まれ混乱が見られるようになり、その影響か《骸嶽》の力により使役されていた骸骨の腕が亀裂を生じさせ、急激な戦いの流れと画切の精神状態の変化に拍子抜けする真助は黒い雷と闇をさらに強く纏わせた妖刀を振り上げると画切を冷たい眼差しで睨みながら終わりを告げようとした。

 

「オマエに出会えてよかったぜ。オレは……生きている事を当たり前に思っていた事、死を恐れ過ぎている事を理解出来た。その点は感謝してやる……だから、消えろ!!」

 

 画切との対峙、それによって得たものがあったと語る真助は画切に引導を渡すべく妖刀を強く振り下ろし、真助が妖刀を振り下ろすと黒い雷と闇は妖刀が画切を斬ろうとする瞬間に数多の髑髏や亡霊のようなものを思わせる形となり、真助が力の変化に気づく事もなく妖刀を振り下ろす中抗おうとする画切は長刀の呪具で受け止めようとするが……

 

 

「楽しかったぜ、腕野郎!!」

 

 《骸嶽》で防御しようとする画切のその防御を気に止める事もなく真助は妖刀を振り下ろして黒い一閃を放って長刀の呪具を破壊してみせ、呪具を破壊した黒い一閃は画切の体を深く抉り確かなダメージを与えてみせた。

 

 何より……

 

 

 この時、誰も認識出来ていなかった。妖刀が纏う2つの力が異形の変化を瞬間的に起こしているその裏側で……

 

 真助の右の瞳の白目が黒く染まり闇を纏っていた事を、誰も認識など出来ていなかった……

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ