表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レディアント・ロード 2nd season  作者: hygirl
叛逆界雷編
1003/1085

1003話 強さへ向かう提案


 ユリナたち複数人が同じ人間の夢を見た不思議な出来事についてヒロムがナギトと共に知恵を絞り解決に向け動こうとする中……

 

 ヒロムに押し付けるように全てを任せたシオンはしばらく歩いた所にあるベンチの前で足を止めると一息つくかのように座り、シオンがタイミングよく座るとガイが走って追いつき、ガイが追いつくとシオンの影が隆起すると共に影の中からイクトとソラがその姿を現せてみせた。

 

「えぇ……シオンの影の中に潜ってたのか?」

 

「あのまま残ってたら大将に助力求められただろうしね」

「親切にシオンが逃げ道用意してくれたなら乗るしかないだろ?」

 

「……だとしてもやり方があると思うんだけどな」

 

 シオンの影の中から出てきた2人にガイが困惑する中でイクトは弁明、ソラは正当性を説こうとする言葉を返すもガイは2人の行動に呆れてるのかため息をついてしまう。

 

 3人が当たり前のように話しているとシオンは自身に注意を向けさせるかのように咳払いをし、シオンの咳払いにガイたちは何気ない会話を止めると彼の方を注目し、3人が自身に注目する中でシオンは彼らに向けて話し始めた。

 

「ヒロムの件はヒロムに任せるしかない。オレたちは今自分たちの置かれている状況を整理して今後の方針を明確にした方がいい、とオレは考えているがどうだ?」

 

「状況を整理って言われても……今話せる新たな情報ってヒロムに似た人間が出てくる夢が出てきたってくらいでオレたちを騙してたサウザンの件やスピットの加勢に現れたアッシュってやつの事は少し前に話してたから改まって話す事あるか?」

「大将の周辺ってなると話のネタ尽きないけど、流石に今回ばっかりはね……」

 

「いや、話のネタならいいのがある」

「ソラ、そのいいネタって何?大将絡み? 」

 

「ヒロム絡みではあるな。まぁ……簡単に言うならゼロに関して、だがな」


「ゼロ、か……そういえばヒロムに関して話をする上で今1番動きを警戒しないといけない人物だったな」

「シオンとクローズの話の通りなら今のゼロって見方次第で大将の最悪の敵になるからね。ていうか、大将の心の闇に宿ってたっていう精神体から因子の守護者に格上がった途端に何かやる事大きくなり過ぎてない?前までは不器用にヒロムの力になろうとしていた感じだったのにさ」

 

「おそらく……というか十中八九今のゼロは行動と思考が一致しないまま強行しようとしている。イクトの言うようにこれまではアイツなりにやれる事をやってヒロムの力になろうとしていた。だが煉獄島に同行して因子の守護者としての使命を知り、さらには全容分からぬ《叛逆の悪意》の存在を知らされた事でアイツの中に強い危機感が生まれ、それをどうにかしようとした結果としてユリナたちに対する警戒心が生まれていつの間にかそれを行動理念の一端に据えて行動し始めている」

 

「止められないのか?」

「止められるのならそうする……が、どう考えても無謀だな。煉獄島の滞在期間内で因子の守護者としての役目を果たそうとするあの使命感がこれまでのゼロを上書き出来ているとなれば簡単に考え方を訂正させて愚行を未然に防ぐのは難しく思える」

 

「なら今はアイツの望み通りにオレやノアル、タクトが魔人の力を強くさせ上手く使えるようになるしかないのか?」

「結果的にそれがゼロの起こす可能性がある最悪の行動を止める際の抑止力になる。今のゼロを止めるのは至難の業だがソラが昇華させた例の緋色の炎をさらに発展・改良させた完全版ならゼロも太刀打ち出来ないだろうからな」

 

「緋色の炎……まさかサウザンの把握してる戦力の裏を突くために用意して《世界王府》の打倒に活かそうと考えていた奥の手が身内の抑止のために使うかもしれないなんてな」

「でも緋色の炎って魔人の力を秘めた紅蓮の炎の火力をかなり高めるから消耗激しいんだよね?」

 

「そう、だな。とりあえずは魔人の因子の力を効果的に発揮させるための手法として緋色の炎って方法に辿り着いたんだけど……ガイの《修羅》の蒼炎みたいに上手く効力を活かせるように扱うのが難しいんだよ」

「オレの《修羅》の蒼炎は奇跡的に天霊の因子の『創成』作用してくれてるってのもあるだろうからな……助言してやりたいけど、難しいな」

 

「最初から助言を期待してないから謝るなって。とりあえず今はゼロの言葉通りに安定した火力調整がどうにか出来る緋色の炎を発展させるために色々試すだけだ」

「それに関してだが……ソラ、オレの手を借りてみないか?」

 

「借りてみないか……って、提案は嬉しいがシオンの能力とオレの能力じゃ性質云々が違うから厳しくないか?」

 

 ヒロムの事はとりあえずヒロムに任せる、その上で今は方針が異なる考えの中で敵よりも身近にいるユリナたちに矛先を向ける可能性があるゼロとそれに対しての抑止力となるだろうとサウザンを追い詰める一因となったソラの緋色の炎の発展と完成へと話が進み、自身の力の完成については手当り次第でやる旨を口にしたソラに対してシオンは自分の助けを借りてみないかと提案し、提案されたソラは彼の意図が分からなかったらしく彼に聞き返してしまう。

 

 ソラの言う通りシオンの能力は《雷》であり、ソラの魔人の炎や緋色の炎を含めた《炎》の能力とは能力の性質は基本的な性能等がかなり異なり、ソラが聞き返した通り分野の異なる能力では手を借りる云々は難しいものがあるということはシオンの提案を聞いていたガイとイクトも同感なのか何か言うでもなく頷いていた。

 

 シオンの提案に3人が疑問を感じる中、シオンは彼らの反応を予測していたのか人差し指で『チッチッチッ』と軽いジェスチャーを行うと自身の提案の真意を明かし始めた。

 

「煉獄島から戻ったオレがオマエたちに見せているのは《ソウル・ブースター》だけだ。でも、もしソラがオレの手を借りてくれるって言うならガイやイクト、この場にいない真助やノアル、タクトももちろんだがナギトやシンク……もっと言うならヒロムよりも先に最初に披露していない面白いのを見せてやるよ」

 

「面白いのを……?」

 

「うわぁ……胡散臭い誘い」

「まぁ、シオンがこんな風に言うからには何かしら根拠があるんだろうさ。何の理由もなく無責任な発言をするはずないしな」

(その面白いのってのがこの間話してたシオンのケジメと関係あるのかは……今触れない方が賢明か)

 

「……それで、どうするつもりだソラ?シオンからの誘いを受けるのか?」


「……断る理由もなければ乗らない理由もないし、ひとまずは借りれる手を素直に借りる事にするさ」

「そう言ってくれてよかった。なら放課後にオレとソラはヒロムたちとは別行動を取らせてもらう」

 

「分かった。後でオレの方から伝えておくけど、一応ソラかシオンからもヒロムに伝えておいてくれ」

「了解した」

 

「そうなるとオレとガイは暇を手に入れるわけだし……大将の様子見しとく?」

「そうだな。まぁ、どの道そうなるだろうしそうするか」

  

 シオンの提案を断る理由もないとしてソラは彼の誘いに乗る事を承諾し、ソラがシオンと組む形になった事でわざわざヒロムとユリナたちの件からシオンの口実を利用して抜けてきたいくとはヒロムたちのもとへ戻る方向でガイに頼り、ガイもそうする他ないとしてイクトと共に戻る事を決めた。

 

 とりあえずはそれぞれのやる事が決まった。シオンがソラに伝えた誰にも見せていない何かは一体何なのか、そこだけがソラはもちろん、ガイとイクトが気になっていた。

 

 果たして彼の言うそれは何を指しているのか……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ