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ヒーローその???

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大したことないかもしれませんが、ラストに向けて、ヤンデレ要素苦手な方は注意です。

「じゃ、これ資料室までよろしくな。後でご褒美あげるから。」


隣の席の数学教師が、1人の女子生徒に向かってそう囁いていた。

おいおい、それ、セクハラにならないか?

と、注意したいくらい、生徒の耳元に顔を寄せて、だ。


まあ、セクハラになるか、ならないかは、当事者の受け方にもよるし、彼は「イケメンに限る!」の枠に入るくらい、顔が良いから多分許されるのだろう。

何せ、隣の教師はホストみたいに危ない魅力があるらしく、女生徒に大人気なのだから。


そんな様子をボンヤリと見ていたら、イケメン数学教師に用事を言いつけられていた女生徒の視線を感じた。


おっと、見過ぎたか?


俺は隣の席の数学教師みたいに、イケメンではないので、あまり女生徒を見つめ過ぎるとエロ教師のレッテルを貼られてしまう。

慌てて視線をずらし、次の授業の準備に取り掛かろうとした。


………?


何故かまだ視線を感じる。

大人気の教師とのやりとりを邪魔したとか思われて、睨まれてるとか?


そっと視線を感じる方へ様子を伺うように顔を動かすと。

先ほどの女生徒が嬉しそうに自分を見つめていた。


真っ白な肌をピンク色に染めて。

大きな黒目がちの目に薄っすらと涙を浮かべて。

形の良いふっくらとしたピンク色の口元は何かを喋りたそうに、開いたり閉じたりを繰り返していた。


なんて言うのか、何故こんなイケメンでも無いおっさんをそんなに嬉しそうに見つめるのか。

まるで意味がわからない。


「…えっと、どうしたのかな?」


見つめ合ってもラチがあかないし、どうも居心地が悪い。

その証拠に隣のイケメン教師が面白くなさそうに睨んできた。


「何か質問でもある?と言っても、君の授業受け持ったことないから、お役に立てるかわからないけどね。」


あはは。

とから笑いしてみせた。

まあ、普通はわからない事があったら、担当の教師に行くのが一番手っ取り早いしね。

わざわざ担当も持ってない、イケメンでもない、冴えない教師のところへ通うなんて思わないだろう。


ところが。


「はい。今度質問しにきていいですか?是非、先生に教えてもらいたいです!」


持ってた資料をぎゅっと抱きかかえて、先ほどとは違った満面の笑みで答えられた。


この女生徒は、かなりの美少女で。

そこら辺のアイドルより全然可愛くて。

その笑顔をおっさん教師に向けてもしょうがないのでは?と思う程に、魅力的だった。


「じゃあ、放課後またきますね。先生、約束ね。」


そういいながらスカートを翻して、職員室のドアから出るところで、もう一度、こちらを振り返った。


「…絶対、約束、守ってね。」


可愛らしい声で。

楽しそうに。

にっこりと笑った顔で。

告げられたその言葉に。




何故だかわからないけど。



───目眩がした。





次のヒロイン視点でラスト予定です。

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