リア充にBLバレたらキャパオーバー
こんにちは、僕は神崎はるです!(以降ハル
僕はクラスの中でほにゃぁってしたカースト下位。だからといって友達がいないわけではない。幼馴染で隣の家の「望月 蓮香」とはそこそこ仲がいいつもりである。
僕は今、男子校に通っているため蓮香とは離れているけど休日はよく一緒に過ごす。
そして普通の男子高校生なんでしょう?って思っていたりする?
僕は、「あむじゅ」というハンドルネームでBLの小説を書いている。そこそこ有名な小説家であるため、プライベート情報はもちろん明かさない。
そして今日は始まる。
「ハル!早く用意してよね!」
蓮香が怒りっぽい口調で言った。
「昨日夜遅かったんだ!それくらい許してよ!」
「まぁた小説書いてたの?次のテーマは何にしたのよ」
腐女子である蓮香が少し興味を持って話しかけてきた。
「スクールラブ!」
そう言って靴を履いてゆっくり通学路を歩き始めた。家出る前の言葉として適してないのは分かってる。
「ねぇ、ハルはさぁ、自分でBLしないの?」
自分でBL!?僕には程遠い話だ。
「僕は書いているだけでいいんだ。」
そう言って心を落ち着かせて歩いていたが、そう思っていたのが崩れていく事を知る事になるとは予想もしていなかった。
蓮香と学校前で別れてからずっと無言だった。
ガラっと教室のドアを開けたが誰も反応してくれずに皆友達とぺっちゃくってる。
まぁ、寂しくなんてないさ。僕だって小説というものを隠れて書いていたい。
ここ、男子校にはBLの要素が有り余る程ある。正直言ってありがたい。
授業中もBLの事でいっぱい。
休み時間はもちろん執筆。
そうして毎日一日を終わらしている。
今日は委員会があって、放課後に教室に残らなければならない。
誰もいない教室で花の水やりを済ませ、帰ろうとした時、
「おー、神崎ー。職員室まで運んでくれ。」
と、廊下から先生が言うので、荷物は置いて職員室に運んでいった。
無事、先生の荷物の運搬が終わった。いやぁ、重かったかな。こき使われしまったよ。
すると、誰もいないはずの教室から
ガサゴソ
と音がした。忘れ物した人でもいたのか?と教室までの廊下を歩いていたが、教室に入って気づく。
「あっっっ!!!!」
「ん?」
執筆中のBL原稿用紙!見られてる!
しかも、学年一のイケメンリア充の「秋津翼」に!!!!!
「あの!秋津さん!!その…それ返してもらえませんか?」
「あぁ、コレ?あー、神崎ってこういうの好きなのか?」
うわあああああああ!すいません神さま!キャパ超えますうううううううう
よし、落ち着いていこう(謎の安心感)
「そのですね……好きというか…んー…えっと」
困る!!!!!
「あ、言いたくねーならいいよ。人に趣味はそれぞれだからな。」
「あ…ありがとうございます!」
正直言ってこういうタイプ苦手だけど助かったぁ…
「あ…のさ、俺の事、翼って呼んでいいよ。同い年だろ。」
「う…うん!翼くん!」
「おう!じゃ、邪魔してごめんな。俺帰るわ」
少し会釈して翼くんを見送っていった。いや、コミュ障まぢでなめんなよ?リア充に呼び捨て厳禁だから。
よし、俺も帰ろうっと。意外と翼くんいい人だったかな。皆にバラさないで欲しいけど。まぁもう贅沢は言わないさ。
こうして幕が上がる。