表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
智枝理子の資料集  作者: 智枝 理子
設定集
27/56

Sep:女性使用人とメイド

 メイドをはじめとした女性使用人、及び女性の仕事は、国家の考え方や豊かさ、宗教や時代、女性の地位等によって大きく変わるものです。

 ここで説明される女性使用人=女性の家事労働者は、あくまで、作中、特にラングリオンにおける意味だと思ってください。

 

 ラングリオンでは、男女共に働いている人がほとんどです。女性が携わる仕事の幅は広く、管理職はもちろん、男性がメインだった王国兵士でも、多くの女性が活躍しています。まだまだ差別的な考えを持つ人も居るものの、法律上、女性も男性と同じ仕事を選択可能であり、かつ、同等の待遇を受けられるようになっています。

 

※貴族の女性は、伝統的にその家の中で仕事をすることが求められます。

 屋敷でパーティーやイベントを主催したり、客人をもてなしたり、主人に代わって市民の話を聞いたり、使用人の管理をしたり…。やることは様々ですが、主人のお出掛けに付き添う以外で家から出ることはありません。

 贅沢は出来るけど、外出の自由がなく、侍女以外の話し相手が居ないのです。

 貴族社会の解体はなかなか進まない。

 それでも最近では、家に居ないで好き勝手やってる人も増えて来ました。養成所上がりで研究に専念したり、音楽の才能で地方公演を行ったり、商才を生かして自分で事業はじめちゃったり。パワフルだね。

 

 というわけで。

 女性の仕事は様々ですが、今回は、王侯貴族の屋敷等で働く女性使用人について。

 家事労働は、アルファド帝国時代では奴隷が行うものだったとはいえ、ラングリオンでは、きちんと労使契約を結び、報酬が支払われる立派な仕事です。不当な扱いは一切してはいけません。

 

 男性はメイドの仕事をしないのかって?

 「メイド」という言葉は、女中、女性使用人を指す言葉なので、女性にしか使われません。メイド服の貸与の関係もあって、女性の労働者が選ばれる仕事です。

 まぁ、雇用主と労働者間で契約内容に合意が成立すれば男性がなっても構わないと思うけど。

 

 男性使用人は、お話しに出てこない。居ない訳ではないのですが、衰退している職業という感じです。

 その理由は…。

 執事や家令(男性使用人のトップ。財産を含めた家の管理人で、領地の管理を行うことも)は、主人の仕事のサポートがメインとなり、秘書官に変化。家に居るのではなく主人に付き添う、あるいは秘書官として個別に仕事を行うようになった。全体的な男性使用人が減ったことで、男性使用人を統括する役職も必要なくなった。

 従僕や侍従(男性版の侍女?それよりも雑用や肉体労働が多いか)は、そもそも身辺警護や付き添いは近衛騎士の仕事な上、身の回りのお世話係はメイドで十分なので不要。結果、専門職の見習いに変化した。従騎士、秘書官見習い、事務官見習い等。…やってる仕事が雑用だとしたら、あまり変わらないかもしれない。でも、出世の道が狭い家庭使用人よりも、仕事の選択の幅が広がる見習いになる方が良いのは確か。専門職の知識や技術を得れば、それを活かした働き口を探せる上に、一つの雇用主に縛られることもない。

 下男の仕事は、だいたいメイドがやってる。または、庭師、食肉解体業、大工…。など専門職に変化した。

 衛兵(使用人じゃないけど)。貴族が多いので、平時でも衛兵の需要は高い。腕に自信がなくても訓練に耐えられるなら雇って貰える。使用人よりも高給なら、衛兵を選ぶ人も多そう。

 傾向として…。

 男性は出世欲があり、力仕事を厭わず、より専門的な仕事を選択する傾向にある為、男性使用人は廃れたって感じでしょうか。あるいは、男性貴族の仕事の幅が変わったこと等も関係して…。きりがないので、この辺で区切ります。

 

 ちなみに、男性使用人が担当するような、メイドが行えない力仕事や雑用は、暇な衛兵がお手伝いします。

 歴史的に男性使用人が管理していた食器の扱いは悩むところですが、主人が使う特別な食器は専属メイドか家政婦が管理してるんでしょう。

 

 ちょっと脱線し過ぎました。

 女性使用人について語る項目で男性使用人について語るのもどうかと思うけど、ここで話さなきゃ書く場所がなさそうだったので。

 

 

≪メイド以外の女性使用人≫

 主に家事労働以外の仕事をする女性使用人。

 と言っても、一般の人はメイドとの違いがわからないので、結局、メイドと呼ばれている。

 最も、家庭教師だけは特別。今も昔もメイドに括られることはない。

 

・侍女

 身分の高い女性の身の回りの世話が仕事で、その地位は他の使用人よりも明らかに高く、名前も敬称(様)をつけて呼ばれる。

 主に貴族出身の独身女性がなる。

 使用人としての侍女と、行儀見習いの侍女は、全く別物。

 

・行儀見習い

 名家の娘が、付き合いのある身分が上の家に、期間を決めて行儀見習いに行く。

 その場合は、一般の使用人より高い地位で持て成され、自分のメイドを引き連れても構わない。身分は侍女だが、単に「行儀見習い」と呼ばれることも。

(本編リリー編でリックが、「マリーの家で作法見習いしてたことになってるだろ」っていうのが、これに当たる)

 

 もともと学びが目的で労働を行わない行儀見習いは雇用契約を結ばない。

 客人に近い形で持て成され、義務を課せられることはなく、個別の良い部屋を与えられる。

 

 貴族の女性の一日の過ごし方を学んだり、社交界に出て名前と顔を売ったり、教養を学ぶ。

 学びに来ているとはいえ、主人に恥をかかせるようなことだけはしてはならない。

 主人は行儀見習いの女性に対し、社交界における後見人の役割も負い、後に縁談をまとめる役割も買う。


・使用人としての侍女

 後見の居ない貴族の娘、貴族の庶子、血縁は遠いが貴族の縁の子…。侍女に推薦される女性は様々。身分の高い女性とのパイプは作っておいて損はない。

 没落貴族の娘の出稼ぎの場所としても知られる。

 貴族なので、自分の世話をさせるメイドを連れている場合もある。

 息子の結婚相手に見初めた相手を侍女としてキープしておくケースも。

 逆に、愛人候補を送り込む場合もある。

 貴族じゃなくても、気に入られれば誰でも侍女になることは出来る。

 

 女主人との個人的な主従契約の為、主人以外の命令を聞く必要はない。昔は退職金のみだったが、今は雇用契約を結び、給与が支払われる。

 

 住み込みで働き、主人の寝室の近くに個別の部屋を与えられる。

 ラングリオンの労働規定により休日を取ることを推奨されているものの、休みだろうと主人の元を離れることは少ない。

 

 貴族の女性が自分のそばに侍らせるのは、同じく高貴な身分であることがステータス。見た目が美しければ尚良いです。

 仕事は多岐にわたり、主人のスケジュール管理、朝の支度(着替えや化粧、髪結い等)の手伝い、接客と給仕、貴重品の管理も請け負っている。

 日中は常に主人に従って行動する。

 服装は、主人と共に社交界に出られる綺麗な衣服を着る。メイド服のような労働者の服装ではなく、ドレス。主人のおさがり(高級な衣装)を貰って着ることも。

 使用人が行うような仕事はせず、綺麗な仕事しかしない。

 一般の人からは女主人の暇潰しの相手と思われがち。実際、外出の自由がない女主人の相手をするのがメイン。しかし、それなりの教養がなければ務められない役割なのは確か。

 

 主従関係というよりも、友人のような信頼関係を築きやすい関係。多くは好意的な関係を築く。

 一方で、密室性の高い職場なので、いじめやパワハラを受けることも珍しくない。主人の意向に従って、主人の夫の夜の相手をさせられることもあるとか。しかし、それらが表沙汰になることはない。契約違反の訴えや、契約解除の自由は法律で保障されているものの、身分が上の貴族の家に奉公に行くという状況もあり、侍女の立場は弱いのが現状。

 

 雇用契約の期間が満了する、主人から解雇される、主人が亡くなることで退職となる。終身雇用契約の場合は退職金が約束されている。

 退職の理由は婚姻が多く、退職金のほかに祝い金が贈られることも。

 婚姻に関しては、古くは主人の許可が必要だったが、現在は自由に婚姻することが出来るよう法整備されている。最も、慣習の方が根強いのが現実。また、結婚せずに生涯仕えることの方が多い。

 婚姻による退職後、保育係ナニーとして再雇用されるケースも多い。また、女主人が亡くなった後も、家族と信頼関係を築いている場合は同じ家で働き続けることもある。

 

 侍女の労働組合なんてものはない。

 貴族は、労働組合なんて市民がやるものだと考えているし、組合の組織は女主人に失礼だと考えられる。

 というか、現実問題として、組合の組織は無理がある。地方の弱小貴族の夫人ならともかく、王妃や公爵夫人と交渉するなんて、ねぇ。

 ・・・なんだかお話し作れそうなぐらい闇が深い環境だ。

 

 意味的には、レディズ・コンパニオンが一番近いのかなぁ。でも、簡単な給仕もやるし、そもそもコンパニオンと言うと、全く違うイメージを持たれるのがね…。というわけで、本作では侍女に統一。

 

 ちなみに、ラングリオンでは、侍女は「女主人に仕える女性」なので、男性に仕える場合には侍女という言葉は使えません。

 ロザリーの待遇も、本来なら侍女にしたいところですが、アレクの専属メイドでした。

 

・乳母、保育係 (ナニー)

 母親に変わって子守りをする女性使用人。

 赤ちゃんの頃から母乳を与えて育児する乳母と、子育てを行う保育係(乳母)の二種類が居る。(どっちもナニーですが、役割が違う)

 子供が生まれると同時に雇われる。

 住み込みで働く場合が多い。子供と同室、あるいは子供の寝室の近くに部屋がある。個別に部屋が与えられる場合もあれば、保育係同士で集団で使うことも。

 

 母乳を与える乳母は、乳児の頃だけ雇用され、母乳を与える以外の仕事をする必要はない。身分が低かったり、多少、だらしなくても許される。

 母乳を与える優先順位を守れば、自分の子を連れて来ても良い。もちろん休みのない仕事。時期が過ぎれば退職となる。

 

 子育てを行う保育係は、乳児の頃から子供の世話を担当する。お腹いっぱいでも泣き止まない時に子供をあやすのは、こちらの役目。遊び相手だけじゃなく、体調管理や躾も行う。

 休みを取得するよう決められているが、子供の元を離れることは少ない。

 子供が成長後、専属メイドや部屋付きメイドとして雇い直されることが多い為、最初から子守りメイドと呼ばれることもある。実母よりも子供との信頼関係を築きやすい。

 

 ベビーシッターの労働組合があり、保育係もこちらに所属する。一時的な職業の乳母が加入することは少ない。

 子供関係のトラブルは多いので、組合金は高め。その分、ちゃんと守って貰える。

 

※ベビーシッター

 一時的な子守りをするのが仕事。

 躾は行わず、子供の遊び相手になるだけ。

 子供の面倒を見てくれる人がいない場合に雇う。

 貴族に限らず、一般の市民も広く利用している。

 

家庭教師ガヴァネス

 個人宅で雇われる教育係。男性はチューターと呼ばれ、仕事内容は同じ。

 昔は、教育を行えるのが貴族出身者しか居なかった為、家庭教師は、お金を稼ぎたい貴族の仕事だった。貴族だけじゃなく、成金商人の子息の教育も請け負っていた。

 住み込みで働き、教育を行う。その内容は、マナー、母国語、外国語、数学、歴史等。女子に対しては裁縫等も指導していた。

 今は、ガヴァネスやチューターという言葉は廃れ、単に家庭教師と呼ばれる。

 マナーを教える教師、数学を教える教師、歴史を教える教師等、専門化している。錬金術や魔法学といった特殊な学問も、養成所出身者から学べる。また、養成所の入学試験対策として、優秀な教師が高額で雇われる。

 

 家庭教師の労働組合がある。

 お互いに勉強会を開くことも。

 商人ギルドが、この労働組合に講習の講師を頼むこともある。

 

家政婦ハウスキーパー

 家の中で一番偉い女性使用人。

 

 一家の主と契約する。優先順位はあるものの、主人の家族の命令を柔軟に聞く。

 給与は高い。(一般的に、給与額は家のグレードに比例する。仕事内容とは関係ないことが多い)

 住み込みで働き、個人の部屋が与えられる。

 普通のメイドよりも綺麗で質の良い服を身に着ける。家政婦のみに許される専用の衣装が仕立てられる場合もある。メイドと区別する為に、室内帽を着用してはならない。

 

 一家のスケジュール管理を行う。誰がどこにいるのか一番把握している立場。

 鍵番として、家の管理を任されている。どこに何があるのか一番把握している立場。

 メイドのスケジュール管理を行う。必要に応じてメイドの雇用や解雇、昇進や昇給を行う。新入りのメイドに仕事を教える。

 基本は管理職なのでメイドの仕事はしないが、メイドが居ない場合はメイドの仕事をすることもある。

 女主人に侍女が居ない場合は、侍女の役目を兼任する。

 主人が不在の場合に、賓客の接客を行う。

 家の中で起こるトラブルの解決を行う。

 …大変。

 最近では、家政婦に休日や休暇をきちんと取得させる為、家政婦代理を置くことも。家政婦が不在の時に、メイドのスケジュールや賓客の接客等を代理で行う。

 

 直接、主人と交渉出来る家政婦が労働組合に入る必要はないはずですが。家政婦はメイド上がりなことが多いので、メイドの労働組合に入っていることがある。

 メイドの労働組合が待遇改善の交渉を行うのが家政婦の場合もあるので、ちょっと不思議な関係だよねぇ…。

 

・ロジーヌ(オルロワール家)

 広いオルロワール家を取り仕切る家政婦。良くメイドと呼ばれてますが、身分は家政婦です。

 その仕事は多岐に渡ります。

 メイドのスケジュール管理だけでも大変なのに、賓客が来るたびに出迎えたり、家族からの要望に逐一答えなければならないので、一日中、ゆっくりする暇なんてありません。

 また、マリーは養成所上がりで侍女が居ないので、ロジーヌが侍女の役割を兼任しています。

 

 オルロワール家では、外の門を客人が通ると、屋敷内で門を監視している衛兵からロジーヌに連絡が行きます。

 外の門から屋敷の入り口まではリーチが長いので、客人が屋敷に到着する前に接客できる手筈をロジーヌが整えます。賓客の場合はロジーヌが直接出迎えますが、手が離せない場合や重要な客人以外は、パーラーメイドに任せます。

 エルとリリーが行くたびに出迎えてくれる(賓客扱いしている)のは、オルロワール家にとって、エルとリリー(特にエル)が大切な客人だから。

 一家からの信頼が厚く、とても頼りにされている存在です。

 

・ブリジット(ガラハドの屋敷)

 ガラハドの屋敷は、常駐しているメイドがブリジット以外に居ないので、屋敷のすべての仕事はブリジットの担当です。

 身分は家政婦ですが、メイドの仕事もたくさんします。(これだけだと、雑役女中にしか見えない…)

 定期的に清掃メイドを雇ったり、洗濯の外注もします。(これが出来るのは家政婦の特権)

 あまり帰ってこない主人の為に、常に屋敷を綺麗にしています。

 最近では、ルイスとキャロルが一緒にいるので楽しそう。

 ちなみに服装は、普通のメイド服。汚れやすい仕事も多いので、特別な時にしか綺麗な服は着ないらしい。

 ほら。ガラハドの家には、見た目を着飾らなければならないような客人はあまり来ないから。

 

≪メイド≫

 主に家事労働を行う女性使用人。行う仕事別に呼び方が違う。

 メイドの労働組合がある。その規模はとても大きい。あまり敵に回したくない労働組合の代表。

 仕事中は室内帽を被る。

 給与の高さは以下。

 専属メイド>部屋付きメイド>パーラーメイド≧清掃メイド(>台所メイド、洗濯メイド、雑役メイド)

 

・専属メイド

 仕事内容に特別な決まりはなく、主人の言い付けに従った仕事をする。

 

 主人との個人的な主従契約なので、主人以外の命令を聞く必要はない。

 身分的には侍女に匹敵する存在の為、敬称で呼ばれることも稀にある。

 場合によっては、家政婦に命令も可能。

 住み込みで働き、個別の部屋が与えられることが多い。

 頭にホワイトブリムをつけ、綺麗で素材の良い服を身に着ける。服装は、主人が自分のメイド専用にしつらえることも。見た目に華やかな衣装が多い。

 

 名前の通り、主人だけの要望に従い、主人の世話をするのが仕事。主人の性格や好みを把握し、瞬時に求めに応じる臨機応変さが求められる。侍女と秘書の役目を併せ持った感じもある。主人好みにカスタマイズされたメイド。もはやメイドと言って良いのかすら怪しい。でも、他に該当する職種がないので、とりあえずメイドと呼ばれている。

 もちろん、単なる愛人の場合もある。

 

 主人と良好な関係が多いので、労働組合に加入することは少ない。

 アニエスたちは加入してない。

 

・アニエス

 アレクの鍵番担当。主人のスケジュールや鍵、財産の管理を任される。

・ライーザ

 アレクの衣装担当。主人の衣装を管理し、衣服や装備をスケジュールに合わせて用意し、着替えを手伝い、場合によっては繕いを依頼したり準備する。ベッドメイキング等も行う。

・エミリー

 アレクの食事担当。主人の食事と食器の管理を任される。主人の口に入るもののすべてをチェックし、簡単な食事やデザートの調理、仕入れ等も行う。また、客人に出す食べ物の準備も行う。

 アニエス、ライーザ、エミリーの三人は、主人の伝言を伝える役目を担っているため、皇太子の居室はもちろん、国王陛下の居室への出入りも許可されている特殊な立場。

 でも、労働時間はどうなってるんだ。休んでる所を見たことが無い。主人があれなせいで、相当ブラック。いや、多分、どこかで休ませてるはず。

 

・部屋付きメイド

 担当の部屋に配属され、そこで給仕や事務仕事を手伝う。重要な書類の運搬や整理、保管を任されることも。

 パーラーメイドは住み込みで働く為、家人からの信頼を得やすく、ランクアップもしやすい。

 

 契約は、主人との個人的な主従契約だが、配属先の部屋の使用者を手伝うよう指示される為、実質の上司はそちらになる。

 身分は、専属メイドとパーラーメイドの間。家政婦は、部屋の清掃など、部屋付きメイドに協力しなければならない。

 給与は、パーラーメイドより高い。

 住み込みで働く場合もあれば、そうじゃない場合も。

 頭にホワイトブリムをつけ、綺麗で素材の良い服を身に着ける。

 服装は、パーラーメイドに準ずる。

 

 例

・エルザ

 執務室担当。秘書官の事務仕事を手伝い、他の部署との連絡係になる。必要に応じて図書館などに資料を取りに行くことも。

 エルザは執務室担当なので、王族の部屋に入る権限はない。

 労働時間は標準…?秘書官が休めば、休みもあるはず。

 

・客間メイド(パーラーメイド)

 接客担当のメイド。

 主な仕事は給仕。一般の客人が目にするのは、このメイド。

 

 一家の主、あるいは家政婦と契約。

 家政婦、あるいは担当部署のメイド長の指示で担当の仕事を行う。服を汚すような仕事はしないが、客人から見える玄関の掃き掃除を受け持つことがある。

 給与は能力によって上げることが可能。敬語が使える、ソムリエの資格を持っている、上品なしぐさが出来る等。

 昔は、見た目が若く美しいと高給だったが、今では、見た目を理由に給与の増減をすることが不可能になった為、見た目が給与に反映されることはなくなった。

 室内帽をかぶり、見た目に綺麗で清潔なメイド服を着る。汚れたら、すぐに着替えなければならない。

 住み込みで働く場合が多い。個室を与えられることはなく、集団で一つの部屋を使うことが多い。

 

・清掃メイド(ハウスメイド)

 清掃担当のメイド。

 一番多いかもしれない。お掃除担当。

 最初は屋敷の掃除だけだったのが、現在では洗濯や皿洗いまで受け持つことがある。

 

 契約は、一家の主、あるいは家政婦と契約。

 家政婦、あるいは担当部署のメイド長の指示で担当の仕事を行う。人前に出るような仕事はしない。

 給与は手際や仕事ぶりによって上がることも。

 室内帽をかぶり、汚れても問題ない服装で仕事をする。人前に出ないので、シンプルで動きやすいメイド服。

 王都の斡旋所の登場によって、住み込みで働く人数は少なくなった。それでも、広い屋敷では、今でも住み込みで雇うことがある。

 

 台所メイドが廃れると、皿洗いの人員が足りない場合に、皿洗い要因として駆り出されることがある。

 また、洗剤や洗濯屋の登場によって洗濯メイドが廃れると、外注できない洗濯ものの洗濯を行うことがある。

 なんだか雑役メイド化してるような。

 

・台所メイド(キッチンメイド)

 台所担当のメイド。

 主な仕事は皿洗い。料理長の補助が仕事なので、簡単な料理の手伝いもする。

 

 契約は、一家の主、あるいは家政婦、または料理長と契約。

 料理長の指示で担当の仕事を行う。人前に出るような仕事はしない。

 室内帽をかぶり、汚れても問題ない服装で仕事をする。人前に出ないので、シンプルで動きやすいメイド服。袖は短いものが多い。

 住み込みで働いていた。

 

 現在では、料理人を目指す者は料理人見習いと呼ばれ、台所メイドと区別されるようになった。

 昔は、家畜の屠殺等も請け負っていたが、今は専門職じゃないと食肉加工は出来ないようになった為、メイドは行えない。料理に使うハーブや畑の作物も管理していたが、これは料理人見習いの仕事になっている。

 また、皿洗いだけを行う仕事は、男女関係なく安価な仕事の代表で、飲食店でも専用の「皿洗い」を雇うことは多い。

 その結果、専門の仕事のない台所メイドの存在は衰退している。

 

・洗濯メイド(ランドリーメイド)

 洗濯担当のメイド。

 汚れた衣類の洗濯を担当する。

 

 契約は、一家の主、あるいは家政婦と契約。

 家政婦、あるいは担当部署のメイド長の指示で担当の仕事を行う。人前に出るような仕事はしない。

 室内帽をかぶり、汚れても問題ない服装で仕事をする。人前に出ないので、シンプルで動きやすいメイド服。

 住み込みで働いていた。

 

 家の中から出る膨大な洗濯物の処理を行っていた。

 主人一家と、使用人の洗濯物は分けて洗濯され、洗濯を担当するメイドも別だった。

 洗剤がない時代は、汚れを落とすために灰を使っていたため、汚れ仕事の定番とも言われている。

(歴史上では、尿を発酵させて作る洗剤があったらしいのですが、この世界には存在しないので)

 洗剤が開発されて短時間で汚れを効率的に落とすことが出来るようになると、洗濯屋が登場し、洗濯メイドの存在が必要なくなった。

 

 もともと汚れ仕事なんて好んでやるものではないですが、低賃金らしく大した技術もなく出来る仕事(そもそも、汚れが落ちることに大きな期待をしていない)だったので、これで職を失った人も多かったとか。

 住み込みで働いた人は住居も失い、ちょっとした社会現象に。

 その為、国が救済措置を講じたそうです。世に言う洗剤ショック。…って呼ばれてたかどうかは知りませんが。

 

・雑役メイド

 家事労働を一手に担うメイド。

 家政婦と違って、別のメイドを雇ったり、一部の仕事を業者に任せるなんてことは出来ない。すべて、自分でやらなくてはいけない。

 

 このタイプのメイドは、ラングリオンには居ない。アルファド帝国時代なら、お金がなく使用人を雇う余裕もなければ奴隷も居ない三流貴族辺りが雇っていたかもしれない。あるいは、奴隷に押しつけていたか。

 ラングリオン王国が建国されてから、労働はすべて契約によって給与を保証しなければならないもの。

 

 王都は安全な場所で、誰かの庇護を受けないと生きていけないような環境ではありません。女性が選べる仕事も豊富にあります。その結果、奴隷的な働き方である使用人を選ぶ人が減り、現在、使用人は取り合いになっていると思われる。

 その結果、出て来たのが斡旋所って所でしょうか。

 高給取りな専属メイドや部屋付きメイドが出てきたのも、同様の理由と考えられます。



 侍女とメイド。

 ラングリオンでは、侍女は女性の使用人を指します。

 中世ヨーロッパではどうだったのかな。女性の世話を女性が行うのは自然だったと思うのですが。男性の場合は…?

 昔、読んだ人魚姫のお話しでは、王子が拾った人魚姫を自分の侍女にしてた気がするんだよなぁ。うろ覚え。その場合の侍女の仕事はわからないのですが、単にお気に入りの女性を傍に置く場合に、侍女という言葉を使っていただけかもしれません。どう考えても愛人ですが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ